どんなに大事にしていても、思わぬところで折れてしまうのがロッド。今回は自分で簡単に折れたサオを修復する方法を紹介しましょう。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・池下洋平)
ロッドは折れ修理費は高い
理由は様々だが、ロッドは折れるものである。本格的に釣りを始めて8年となる筆者も、これまでに3度ロッドが折れた。キャスト時に折れてしまったことが2回、そしてドアに挟んで折れてしまったことが1回だ。

ロッドは送料もかさむため、メーカー保証が受けられない場合にはロッド自体の購入金額とかわらないくらいの修理費用がかかってしまうことも。高価なロッドならメーカー修理を依頼すべきだが、「自分が使えればそれでよい」という物であれば、できるだけコストを掛けずに自分で直してみてはどうだろうか?
自分で直す
“ロッドを直す”というと難しそうに聞こえるが、折れた部分に芯を入れて固定し、最後にコーティングを行うだけの作業である。特に最後のコーティングにUVレジンを利用することがこのDIY修理のポイントだ。
今回は、キャスト時に2ピースの継ぎ目直下で折れてしまったロッドを自分で補修した手順を紹介したい。

必要な道具
・マスキングテープ
・糸鋸
・万力や作業台などロッドを固定できるもの
・インロー芯(今回は使わないカーボンロッドの一部で代用)
・紙やすり
・接着剤
・スレッド(今回は刺繍糸で代用)
・UVレジン液
・筆
・UVライト

作業手順
1.折れた部分の上下、ヒビなどがある部分はカットするため、位置が分かるようにマスキングテープを巻く。

2.糸鋸で不要部分をカットする。できるだけ断面がまっすぐになるように!

3.内径に合わせてインロー芯を用意する。今回は使用していないカーボンロッドの一部を代用した。

4.内径ピッタリか少し太いインロー芯を紙やすりでぐるぐる削って微調整する。

5.仮組みし、インロー芯とロッドを接着剤でしっかりと固定する。インロー芯が中で動いてしまうことを防ぐため、片側をしっかり固めてから反対側の固定を行う。

コツは、接着剤をたっぷり付けて抜き差しし、溢れたものは拭き取る。

6.スレッドを巻く。

7.まずは筆や爪楊枝でUVレジンを均等に塗布し、UVライトを使ってコーティングする。

UVライト照射の際、筆者はダンボールで自作したロッドラッパー風の台を使用している。UVライトの照射時間は1回が30秒!硬化具合が気になる時は2~3回行う。

およそ2時間で修理完了!
インロー芯固定に用いた接着剤の硬化時間約1時間を除けば、実際の作業時間は1時間程度。マスキングテープ、糸鋸、紙やすり、UVレジン液などは100均等で安価に入手できる。メーカー修理に出すほどでも無いけど捨てられずに眠らせてあるロッドをお持ちの方は試してみてはいかがだろうか?

注意点
今回の修理はあくまでも『実用可能レベル』を目的とした補修作業。折れた場所によっては自分での修理ができない場合もあるほか、修理後にロッドバランスやガイド間距離がかわってしまい、使い勝手がかわってしまうことも考えられる。実施の是非は慎重に検討いただき、自己責任にてお願いしたい。
UVレジン液の活用について
スレッドのコーティングには通常エポキシコートが用いられるが、硬化に時間がかかるほか、フィニッシングモーター等の専門用具が必要となる点がロッドビルディングのハードルを上げていたように感じる。今回使用したUVレジン液はアクセサリーやネイルの分野でよく使われるもので、UVライトを照射するとすぐに硬化することや透明度が高いことが特徴だ。
筆者は今回のようなロッドのスレッドへのコーティングのほか、アシストフックの自作、ジグのコーティングにも使用している。ライト自体も1,000円程度で購入できるため、一台持っておいて損はないアイテムだ。
<池下洋平/TSURINEWS・WEBライター>
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