アマダイというと船で釣るのが一般的だが、場所によっては陸っぱりからの投げ釣りでも仕留められる魚というのをご存じだろうか?今回はアマダイ攻略のあれこれを紹介する。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・長谷川靖之)

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投げ釣りでアマダイが狙える?

アマダイは誰もが認める高級魚で、各地にこの魚をターゲットとした乗合船が存在している。アマダイは水深30~150mの砂泥底に巣穴を作って生息している。

目の前にエサが流れてくると巣穴を飛び出して捕食したり、時には巣穴を出て徘徊したりしながら捕食行動をとると言われている。

「アマダイを投げ釣りで」と聞いてもピンとくる人はまずいないだろうし、にわかには信じがたいが、西日本を中心に投げ釣りでアマダイが狙えるポイントがいくつか存在する。ここではそのノウハウを紹介する。

実は「投げ釣り」でも狙える高級魚アマダイ 12月は西日本で実績アリ
投げでも狙える高級魚・アマダイ(提供:WEBライター・長谷川靖之)

シーズンとポイント

1年を通して同じポイントでサオを出したことがないので、ベストシーズンはよく分からないが、私の実績では11~12月と5~6月に釣っている割合が高い。投げ釣りの全国組織である全日本サーフでは、指定対象魚種がいつ、どこで、どんなサイズが釣れたのか、全てデータベースで管理されており、会員は閲覧することが可能だが、アマダイはやはり晩秋と初夏に多く釣り上げられている。

前述した全日本サーフのデータベースによると、ポイントは愛媛県南西部の伊方町、八幡浜市、西予市、宇和島市で特に数多く仕留められており、次いで島根県隠岐諸島が多い。近畿圏では宝くじ並みの確率になるが、和歌山県串本町や京都府伊根町などがデータとして登録されている。

アマダイは砂泥底に巣穴を掘って生息しているので、砂礫底やゴロタ底には生息していないし、水深20mより浅場にもほとんどいないので、これらの条件を満たしている場所を予測し、新規開拓すれば他にも釣れる場所はあるかも知れない。

実は「投げ釣り」でも狙える高級魚アマダイ 12月は西日本で実績アリ
条件を満たした場所を新規開拓するのも面白い?(提供:WEBライター・長谷川靖之)

タックル

アマダイの投げ釣りといっても基本的には他の大物投げ釣りとは大差のないタックルと仕掛けである。ただしポイントが岸から遠い場合が多いので、遠投を意識したタックルを組むようにしている。

私はオモリ負荷33号の投げザオに、ミチイトはPEラインの1.5号とし、チカライトもPEのテーパーラインを使用する。オモリは30号の遊動式で、その先にハリス7号を1ヒロ程度取った吹き流し仕掛けである。

ハリ

アマダイは1日で何度もアタリが得られる釣りではないので、エサを咥えた時のフッキング率を高めるために、がまかつ社製ユムシコウジ17号を使用している。このハリはハリ先が非常に鋭く、他のハリよりも刺さりのよさを実感している。

エサ

船釣りの場合、アマダイ狙いではオキアミが多用されるが、投げ釣りでは硬いサオでフルスイングするので、オキアミだとちぎれてしまう。投げ釣りの場合のエサは、ホンムシ(マムシ)や青イソメを使用する。またこの2つを両方刺して使うことで相乗効果があるように思う。

実は「投げ釣り」でも狙える高級魚アマダイ 12月は西日本で実績アリ
アマダイ狙いの様子(提供:WEBライター・長谷川靖之)

釣り方

アマダイは昼行性の魚であるが、他の魚と同様朝マヅメと夕マヅメが時合いになることが多い。よって釣り場には夜明け前に到着するようにする。

三脚2台にサオ4本が私のスタイルで、まずは遠投を中心に攻める。水深は30m以上の場所が主体なので、オモリが着水した後もリールのベールは起さずに、どんどんイトを送り込んでいく。ベールを起こしてしまうと折角遠投した仕掛けが手前に戻されてしまう。

ドラグは緩めに

オモリが着底した後ははサオを寝かせて4~5m分オモリを引きずって、エサ、ハリス、オモリ、ミチイトが一直線になるように仕掛けを馴染ませる。あとは三脚にサオを置いてアタリを待つが、リールのドラグは緩めておくこと。50cmを超えるアマダイはサオ尻を浮かせるような大きなアタリを出すが、ここで違和感を覚えるとエサを吐き出してしまうので、ドラグを緩めてミチイトを出すことでこの違和感を解消する。

アタリがない場合

アタリがなければ10分間隔くらいでオモリを動かして砂煙を立たせてやる。アマダイは好奇心が強い魚で、船釣りでもオモリで底をたたいて砂煙を立たせてアマダイにアピールするそうだが、投げ釣りでもキャストしてオモリが着底した直後や、誘いをかけた直ぐ後にアタリが出るケースが非常に多い。

慣れてくると、誘いをかけた時の重量感でハリにエサが残っているかどうかも判断できるようになるので、丁寧な誘いは有効である。

実は「投げ釣り」でも狙える高級魚アマダイ 12月は西日本で実績アリ
しっかり誘って仕留めよう(提供:WEBライター・長谷川靖之)

実はおいしいウロコ

運よくアマダイが釣れた時には、できるだけ鮮度がいい状態でおいしくいただきたいものであるが、アマダイは身が軟らかい魚で傷みが早い。私はクーラーボックスの中にバラ氷を入れて、そこに海水と若干の塩を入れてからアマダイを入れるようにしている。

勿論、釣って直ぐに内臓とエラは処理するが、この時ウロコは取らない。アマダイのおいしい食べ方の一つに松カサ揚げという料理方法がある。これはウロコが付いたままの切り身を油で揚げるというもので、こうするとウロコが松カサのように広がる。

アマダイのウロコは軟らかく、ふっくらとした白身、皮下の脂層、そしてパリパリのウロコの口の中でのハーモニーは絶品である。釣れた時にはぜひお試しいただきたい。

実は「投げ釣り」でも狙える高級魚アマダイ 12月は西日本で実績アリ
ウロコがおいしい松カサ揚げ(提供:WEBライター・長谷川靖之)

<長谷川靖之/TSURINEWS・WEBライター>

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