年末年始は寒グレの好シーズン。休みを利用して思う存分、楽しいグレ釣りを満喫できるよう、今回はこの時期にオススメな和歌山の磯を紹介。

(アイキャッチ画像提供:WEBライター・兵頭良弘)

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南紀の寒グレ釣り場

12月に入り日中の気温も15℃以下まで下がり、季節は晩秋から初冬へと移りかわった。この季節に釣れるグレを寒グレと呼び、釣って面白く、食して美味しい、最高のグレ釣りシーズンを迎える。しかし、これからの季節は海水温の上下動も激しく、グレの就餌活動にも何らかの影響が出て、時として食い渋りが予想される。

そんな状況化でも磯からのフカセ釣りで良型の寒グレがコンスタントに狙える好釣り場5選を紹介したい。

まず今回、オススメの釣り場を挙げる要因として少し説明しておこう。1つ目は同時期における過去の実績、2つ目は北寄りの季節風に強い磯場であること、3つ目は水深があって沈み根や海溝が入り組んだ複雑な地形をしていること。これら3つの前提条件にあてはまる磯場をチョイスして紹介したい。

1. 串本大島・須江地区

本州最南端、潮岬の東側に位置する串本大島の須江エリアは通夜島(つやじま)周りを中心に、広大な磯場を有している。まさに紀伊半島屈指のグレ釣り場と言っても過言ではない。黒潮がまともにぶち当たる地形は、どの磯もグレの魚影が抜群に濃く、湾内磯、沖磯とも35~45cmクラスの良型グレが高確率で狙える。

【和歌山2021】年末年始の『寒グレ』フカセ釣りオススメ磯5選
良型グレが本番を迎える(提供:WEBライター・兵頭良弘)

釣れる魚はグレの他にもマダイやイサギ、最近ではショアジギングで大型のメジロやブリ、ヒラスズキなどをターゲットに訪れるルアーマンも多く、アジを泳がせたヤエン釣法では、これから1kg級のアオリイカも期待できる。

代表的な磯群

須江の代表的な磯としては沖磯のホンタライ、カネカケ、瀬島、ホーラクなどの実績場に加え、湾内磯ではムシクイ、ニギリメシ、スベリ、ホアジロなど、沖磯に引けを取らない好釣り場が数多く立ち並んでいる。

これからの季節風には滅法強く、よほどのことがない限り磯に上がることができるので、年末年始の狙い場としては最高の磯場と言えるだろう。釣り方は特にかわったものでなく、エサ取りの活性や潮の動きに合わせて小まめにタナを調整し、磯際、沖の潮目、ヨレなど、グレが潜んでいそうなポイントを推理して攻めていけば良いが、仕掛けはできるだけ軽めのものを使う方が食い気が上がる。

▼この渡船について
しょらさん渡船
出船場所:和歌山県東牟婁郡串本町

2. 串本大島・樫野地区

串本大島の東側約半分ほどの広大な磯場を領域に持つ樫野の磯群。北東の波には弱いが、これからの季節風には滅法強い。釣り場は表磯と裏磯に分かれるが、地磯にも1級ポイントが多く、グループ単位で磯上がりできるのがありがたい。

実績に関しては言うまでもないが、1~3月の超厳寒期には50cmオーバーのグレが連日、顔を見せることもあり、グレの釣果では須江地区に負けず劣らずの結果を得られる。グレの他に釣れる魚としてはイサギやイガミの魚影が結構濃いが、底物では60cmオーバーのイシダイも数多く上がっている。

代表的な磯群

代表的な磯としては、大ガツオ、小ガツオ、平床、黒バナ、大サバ、小サバ、高平瀬、ウス島など、数え挙げればきりがないほどの好磯が立ち並んでいる。釣り方は須江地区同様、磯際、沖の潮目、潮のヨレなど変化のあるポイントを基本的な釣り方で攻めていけば良い。

▼この釣り船について
永田渡船
出船場所:和歌山県東牟婁郡串本町

3. 串本・出雲崎地区

串本大島同様、本州最南端、潮岬の東側に位置する出雲崎の磯群は、これからの季節風には滅法強く、北西の風であれば他の磯場が使えない時でも、よほどのことがない限り船止めになることはない。出雲崎はほとんどが独立磯から形成されていることから、まず、知らない釣り客と同じ磯に上がることがない。自分の思うような釣り方で釣りができるのがありがたい。

黒潮の恩恵を受ける各磯は魚の魚影も濃く、寒の時期には良型のグレを始め、イサギやマダイ、底物ではイシダイが良く釣れる。また、ホンダワラをエサにイガミを専門で狙うと、条件の良い時には20匹、30匹と3段スカリがいっぱいになる釣果を上げてくる人も時折、見受けられる。

代表的な磯群

オススメの磯は出雲崎を代表する双子の親と子、巻崎の前に浮かぶカナトコ、武八、沖の長島、アシカなどが名礁として名高い。どの磯も上り、下りの両潮を狙うことができるので、攻め方は沖の本流筋を中心に潮目や潮のヨレなど変化のあるポイントをダイレクトに攻めてみよう。

▼この渡船について
小川渡船
出船場所:和歌山県東牟婁郡串本町

4. 那智勝浦・宇久井地区

熊野灘の潮の影響をまともに受ける那智勝浦町宇久井の磯群。熊野灘に隣接する磯場ならほとんどがそうだが、これからの北西風には滅法強く、逆に南東の風にはかなり弱い。

宇久井と言えば「直列五島」と呼ばれる比較的、大きな磯から形成されているが、地寄りの磯でも良型のグレがよく釣れる。

代表的な磯群

直列五島は沖から港に向かって大平石、小平石、丸島、沖エビ、地エビの順に並んでおり、訪れる釣り人はほとんどがこの五島のどこかに渡礁することになる。

【和歌山2021】年末年始の『寒グレ』フカセ釣りオススメ磯5選
宇久井の代表的な磯、大平石(提供:WEBライター・兵頭良弘)

五島の中でも特に大平石、小平石の魚の魚影が濃く、50cm前後の大型グレを狙うなら大平石が有望か…。他の4島も30~40cm級の中型グレなら釣果に差はなく、数釣りが楽しめるだろう。グレの他にはイサギ、マダイが良くアタッてくるのでリールはオープンベールで突然のアタリに備えておこう。

宇久井の磯を攻める場合、上げ、下げの潮の変化で潮流の流れる方向がかわるので、特に潮のかわり目などにアタリが集中する。各磯とも磯際で良型が釣れることが多いので、沖の潮筋でアタリが出ない時は磯際狙いが面白い。

▼この渡船について
宇久井釣りセンター
出船場所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町

5. 那智勝浦地区

宇久井の磯群と同様に熊野灘の潮をまともに受け、数多くの磯場を有する勝浦の磯。沖磯は大きく分けるとオジャ浦方面と山成群島に二分される。特徴としてはオジャ浦方面の磯は、比較的小さい磯が多く、2、3人程度が上がれる小島が無数点在している。山成群島は大小十数個の島が集まって形成されており、特に山成群島の景観は離島さながらの雰囲気をかもしだしている。

オジャ浦一帯の磯は東寄りの風には滅法弱いが、これからの季節風にはベタ凪となる日が多くなるので、釣行を計画するには最適な磯場と言える。

代表的な磯群

代表的な磯としては山成群島の一の島、ハゲ島、沖ヨセダ、寺島などが有名で、オジャ浦方面では大島、黒島、双子島、和市島などが人気磯として名高い。

釣れる魚はグレの他にイサギやマダイの魚影が濃く、グレは30~40cm級が数狙える。山成群島の磯は至る所にシモリやハエ根が出ているので、大型を掛けても取り込みがなかなか難しいので、できるだけ太仕掛けでアタックしてもらいたい。

釣り方はどちらの磯群も完全フカセに近い仕掛けが合っているように思われるが、いずれにせよサラシの強弱に合わせたガン玉を使用し、さしエサとまきエサが同調するように攻めると好釣果に恵まれるだろう。

▼この渡船について
清丸渡船
出船場所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町

まとめ

年末年始にオススメの磯場紹介を記してきたが、全ての基本にあるのはやはり季節風に強い磯場を念頭においていること。急な天候の変化で、せっかくの釣行が台無しならないこと、また、確実に釣果が得られる磯場、年末年始の混雑を考え磯数が多い釣り場や穴場的釣り場を考慮しての選択である。

特にビギナーの方やこれから磯のグレ釣りを始めようと考えておられる方の参考になればと思う。

これから一段と寒さが増してくる寒グレシーズン。釣行時はとにかく寒さ対策が大切だ。私は常に簡易コンロを用意しているし、着用する服も生地が薄くても保温性が高い素材を選んで着用するように心掛けている。想像以上に磯の上は寒さが厳しいので、十分に注意しよう。

新型コロナ感染症に加え、インフルエンザなどに気をつけていただき、特に年末年始は病院も手薄になるので、健康管理を怠ることなく、体調が優れない時は決して無理な釣行は避けて、健やかな新年をお迎えいただきたい。

<兵頭良弘/TSURINEWS・WEBライター>

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