釣りでは人気のターゲットであるクロダイですが、冬場は脂も乗って非常に美味です。今回はそんなクロダイの頭を使ったアラ炊きを紹介します。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・杉本隼一)
人気ターゲット・クロダイ
クロダイ(チヌ)は、堤防や波止からも狙える人気釣りターゲットです。フカセ釣りやダンゴ釣り、落とし込み釣りなどのエサ釣りはもちろん、近年はルアーで狙うチニングも盛り上がりを見せています。
基本的に1年中釣れるサカナですが、水温が下がり始めると深場へと移動して、陸っぱりでは狙いづらくなります。
冬のクロダイは脂ノリノリ
しかし、冬に釣れたクロダイは脂が乗って臭みも減るので、個体によってはマダイと同等、あるいはそれ以上の美味しさです。お刺身やお寿司などの生食はもちろん、煮ても焼いても美味しく食べられます。産卵のために浅場へ上がってくるノッコミシーズンには珍味の卵を食べることができ、煮付けにすると美味しいです。
クロダイは季節や釣り場周辺の水質によっては、臭みが強い個体もいます。ちなみに、クロダイの旬は初夏とも言われていますが、この時期のクロダイは産卵後で痩せてしまうため、1年の中でもっとも味が落ちるタイミングです。美味しいクロダイは「中型サイズ」「体色が銀色」「痩せておらず、丸々としている」こと。加えて、回遊型のクロダイは臭みが少ないので、クロダイを食べる際には参考にしてみて下さい。
クロダイのアラ炊き
今回紹介するレシピは、冬の美味しいクロダイの頭を使った「アラ炊き」です。通常、頭は捌く時に捨ててしまうことが多いはず。ところが、クロダイの頭には旨味が豊富に含まれているので、そのまま捨ててしまうのはもったいない。有効活用して美味しく食べてみましょう。
釣り場での下処理
釣ったクロダイは釣り場で血抜きをします。鮮度の維持や身の臭みにも影響するので確実に行いましょう。
アラの下処理法
ウロコや内臓、エラなどをていねいに取り除いてから3枚下ろしにするのが基本ですが、残った頭は「なし割り」にして、さらに食べやすく切り分けます。胸ビレはそのままでも良いですが、短めに切っておくと邪魔にならず、見栄えもよくなります。なし割りにする時は出刃包丁がオススメです。なし割りは慣れないとケガに繋がるおそれもあるので慎重に行います。
アラ炊きの材料
・切り分けたクロダイの頭 適量
・下処理したゴボウ 好きなだけ
・酒
・水
・砂糖30g
※甘味が足りない場合は後で追加する
・醤油 大さじ1~2
・みりん 大さじ1
お好みで木の芽、塩ゆでした絹さや、針ショウガなど
調理手順
1.ゴボウは5cm程度に切り、縦半分に切る。あらかじめ下茹でしておく。
2.鍋で水を沸騰させ、ボウルには冷水を用意する。
3.クロダイの頭を鍋に入れて40秒ほど火を通す。その後、冷水にとる(霜降り)。
4.残っていた血合いやウロコなどをていねいに取り除く。
5.鍋に霜降りしたクロダイの頭と下茹でしたゴボウを入れる。
6.ひたひたになるくらいに同割りの水と酒を加えて強火にかける。
7.アクが浮いてくるので取り除く。その後、弱めの中火にして先に砂糖を加え落とし蓋をする。
8.全体に火が通ったら醤油を加える。
9.再び落とし蓋をして煮汁にとろみがついてくるまで煮詰める。
10.みりんを入れて照りを出す。味見して塩辛い場合は水や砂糖を少しずつ追加して調整。
11.器に盛り付けて完成。お好みで塩ゆでした絹さや、木の芽、針ショウガを添える。
<杉本隼一/TSURINEWS・WEBライター>
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