3月6日、東京都の養沢毛鉤専用釣場で「ニンフ」タイプのフライのボウズ回避率を検証してきた。今回はその模様と、一番回避率の高かったニンフのタイイングを解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター片桐真流)
養沢毛鉤専用釣場でフライ釣り

3月6日、東京都の養沢毛鉤専用釣場へフライフィッシングに出かけた。当日の天候は晴れ時々曇りで、気温14℃、水温8℃であった。

養沢毛鉤専用釣場は、自然渓流を利用したフライフィッシングとテンカラ専用のフィッシングエリア。約4kmの区間の中には穏やかな里川、荒々しいフリーストーン、静かな山岳渓流など、様々な雰囲気の流れがある。1955年アメリカ人の法律家でありGHQの法務部に所属していたトーマス・レスター・ブレークモア氏(1915~1994)が故郷オクラホマで親しんだフライフィッシングを楽しむため釣り場を開業したのが始まりの里川渓流である。

「ボウズ回避率」を検証
フライフィッシングで魚が釣れる要因は、ポイントの見極め、気温水温、マッチングザハッチ、ナチュラルドリフトの具合など、様々な要素から釣果が成立すると思うが、この「必釣フライタイイング塾」では、先端のフライ(毛ばり)に注目して、渓流ポイントに有利なフライを「ボウズ回避率」として実釣検証していくので、釣果のあるフライをタイイングの参考にして頂きたい。

今回は第1回目ということで、この時期ドライフライよりも分がある「ニンフ」タイプでのボウズ回避率を検証してみる。
ニンフを流して実釣検証
清流と呼ぶに相応しい養沢川も3月の解禁から数日。気温14℃、水温8℃のフィールド環境での検証だ。水質はクリアで魚影も申し分ない。時折ヤマメがライズを見せ、ドライで攻めたいところだが、今日はニンフでスタートする。

タックル
ロッド#3/6P
ライン#3
エアフロポリリーダー
5Xティペット
リールPFLUEGER TRUMP No.576
大岩下の深場で検証
ヤマメ、ニジマスの留まる大岩下の深場ポイントを発見。今回はニンフでの検証だが、同ポイント、同フックサイズ、同キャスト数で釣果(バイト数)はかわるのかを実釣してみる。

「大岩下の深場ポイント/フックサイズ#12/10キャストで10~15秒流す」 というルールで各フライニンフ検証を開始。なお、ボウズ率の計算時に、キャッチを1カウントとするとバラシは0.5とカウントすることにした。
グリーンUVブラックニンフ
ボウズ回避率0%(0ヒット/10キャスト)

ビーズヘッドにブラウン、ブラックのメルティファイバー素材で胴巻き、ウィングケースはグリーンフラッシュをUVコートした。
ニンフでは見つけにくかったのか、このポイントではスルーで終わってしまった。
ビーズヘッド蛍光イエローニンフ
ボウズ回避率5%(1バラシ/10キャスト)

当方鉄板のニンフ。3.5mmビーズヘッドに蛍光イエローのタイイング材を使用。
バイトはあったが掛かりが浅かったのかバラシに終わる。日陰なのでアイスダブゴールドのキラキラ反射が活かされなかったようだ。
ビーズヘッド蛍光ピンクニンフ
ボウズ回避率5%(1バラシ/10キャスト)

ボディを蛍光ピンク、ヘッド部分にティムコのペレットダブUVカラーを巻いたタイプ。
反応はあったもののしっかり乗らず、1バラシに終わる。じっくり攻めれば釣果は出ただろうが、10キャスト検証では即効性はなかった。
ビーズヘッド蛍光イエローペレットダブUVカラー
ボウズ回避率10%(1キャッチ/10キャスト)

当方鉄板のニンフにペレットダブUVカラーを巻いたタイプ。
日陰ポイントでモシャフワッとしたホワイト系ダブが目を惹いたのだろう、5キャスト目でしっかりニジマスのバイトがあった。日陰ポイントではホワイト系が有利か?

炙りブドウ虫ニンフ
ボウズ回避率20%(2キャッチ/10キャスト)

当方のオリジナルニンフ。100均素材のファイバーモップからブドウ虫をイミテイトしたタイプ。
こちらは1キャスト目ですぐに良型のヤマメがヒット、さらにキャストを繰り返すとニジマスも反応して捕食のタイミングでしっかりアワセができた。釣り人からの視認性もよく、サイトフィッシング可能なニンフである。

検証結果から
今回はポイントを絞った検証であったが、このような「日陰で少し深場になった流れ」ではホワイト系ボディでゆっくり沈むタイプのニンフが「ボウズ回避率」を上げるのには有効ではないだろうか。魚に見つけてもらうだけの時間を稼げる生命感ある漂いと、視認性の高いカラーを選択してニンフのタイイングを構成してみてはいかがだろうか。

日陰ポイントで良型も
「ボウズ回避率」の高かった「炙りブドウ虫ニンフ」を、釣り上がりながら同様の日陰ポイントで試した。明らかに反応はよく、ヤマメ、ニジマスが交互にヒットする結果で、バラシも何度かあったが、12~16時の釣行で10匹以上の釣果があった。その日のヒットフライを探し出す過程も楽しいが、こまめなフライチェンジからポイントに合った定番フライを予め用意しておくとボウズの心配もなく、安心度が高まるものである。

タイイング解説
今回の「ボウズ回避率20% 2バイト/10キャスト 炙りブドウ虫ニンフ」のタイイングを解説する。

使用するマテリアルは100均で売られているファイバーモップに#12フック、3.5mmのゴールドビーズにスレッド。
まずはファイバーモップからブドウ虫になるひとつをカット。

次にモップの先端とお尻をライターで炙ってホツレを防止、と共にブドウ虫らしい頭部分を炙りで演出。

ブドウ虫らしい形が出来たら#12フックにビーズを通してスレッドを下巻きした上から巻きとめる。

巻き止め部分にヘッドセメントを少量付けて完成。
コスパのいいマテリアルで、爆釣要素の高いニンフが誰でも簡単に作成できるので是非お試し頂きたい。

<片桐真流/TSURINEWSライター>
▼この釣り場について養沢毛鉤専用釣場
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