今回は、健康にいい「もずく」について調べてみました。知ってそうで知らない事実があるかもしれません。

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「もずく」とは

もずくとは、モズク科やナガマツモ科に属する藻類の総称で、別名「イトモズク」とも呼ばれています。細長く糸状の藻類で、枝分かれがあるのが特徴です。

ほかの藻類に付着して成長することから、「藻付く」を語源とし、「もずく」と呼ばれるようになりました。

長さは数十cm、幅は1~数mm程度で枝分かれしており、表面にはぬめりのある多糖類が分泌されています。

熱帯から温帯の浅い海でみられ、日本では冬から春にかけて岩礁で生育し、夏ごろには枯れてしまいます。

あまり知らない人も多いかもしれませんが、実は日本で流通しているもずくの99%は沖縄県産の養殖のもずくなのです。

意外と知らない「もずく」のコト 健康食だけど食べ過ぎに注意が必要?
もずくのほとんどは沖縄の海から(出典:PhotoAC)

もずくと言えば『低カロリーで高ミネラル』

もずくのカロリーは、100gあたり4kcal、糖質量は0gです。

太めでやや芯のある歯ごたえが特徴の沖縄もずくでさえ、100gあたりのカロリーが6kcal、糖質量が0gしかありません

また、もずくには、ミネラルが多く含まれており、100gあたりの含有量では

・ナトリウム……90mg
・カリウム……2mg
・カルシウム……22mg
・マグネシウム……12mg
・リン……2mg
・鉄……0.7mg

となっています。

ミネラルのなかでも、ヘモグロビンの材料として貧血対策に役立つ、鉄の含有量が多いのも特徴でしょう。

近年注目の食物繊維『フコダイン』

もずくに含まれる食物繊維は、100gあたり1.4g、沖縄もずくでは2.0gとなっています。

この食物繊維のうち主な成分はヌメリの強い「フコイダン」というものです。

そして、このフコダインは近年健康食品にも多く取り入れられるほど注目されている食物繊維です。

フコイダンには、腸内環境を整える作用や、コレステロールを排出する、アレルギー症状を抑えるといったはたらきがあると言われています。

糖質がゼロであることに加え、健康にもいいことからももずくがダイエットや糖質制限に向いていることがわかるでしょう。

生もずくが食べられるのは春だけ

もずくなんていつでも食べられると思っている人も多いかもしれませんが、実はそれは間違いで、生のもずくが食べられるのは春である今の時期だけです。

「いや、昨日も食卓に並んでいましたけど……?」

その、もずくは生のものではなく、実は一度乾燥させたものを水で戻したのもであり、生のもずくではありません。

もし、生のもずくが手に入ったら、よく洗ってお刺身で食べるのも良し、少し気になるようならサッと熱湯にくぐらせてポン酢で食べるのがオススメです。

もずくの産地である沖縄では、もずくは酢の物ではなく、てんぷらにするのが主流です。

ネットで調べればたくさんレシピは出てきますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

意外と知らない「もずく」のコト 健康食だけど食べ過ぎに注意が必要?
もずくの天ぷら(出典:PhotoAC)

食べすぎには注意

栄養素をたくさん含むもずくですが、「体にいいから」と食べ過ぎてしまうと、かえって体調を崩してしまう場合もあります。

もずくに含まれる豊富な食物繊維は、通常の食事では過剰摂取になることはありませんが、摂りすぎるとおなかがゆるくなったり、ほかの栄養素の吸収を抑制してしまったりする可能性もあります。

また、藻類にはヨウ素が含まれ、甲状腺ホルモンなどの材料となる非常に重要な栄養素です。

体に必要なミネラルではあるのですが、こちらも過剰に摂取すると甲状腺の機能に影響を与える場合があるため、食べ過ぎには注意。18歳以上男女の一日あたりのヨウ素の摂取量は、130µgが目安です。

そのため、ヨウ素の摂取量を考慮する場合は、もずくは一日に90g程度、市販のもずく酢なら一日3パック(1パックあたり27g程度)を目安にしましょう。

なかなか毎食食べることはないかもしれませんが、頭の中に入れておくといいかもしれませんね。

<近藤 俊/サカナ研究所>

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