「100歳まで釣りを続けたい」。そう語る中村さんが、87歳の誕生日プレゼントとして贈られた釣り体験ギフトで外房コマセイサキ・ハナダイ釣りに挑戦した模様をお届け。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS編集部 佐藤)
釣りカタログギフト
「今年、87歳を迎えた釣りが大好きな義父に、モノではなく”思い出”をプレゼントしたい」そんな素敵な思いを受けて、世界にひとつだけの『釣りギフト』が作られた。
TSURINEWSが読者向けに展開する「釣りカタログギフト」サービスを利用して作られた釣行プランが、外房で盛期を迎えた沖のコマセイサキ釣りを釣り仲間と一緒に満喫するというものだ。
その特別な1日に密着した。
幼少から多彩な釣りに親しむ
今回のモデル、中村昭三さんは高校生まで山口県下関市で育つ。フナを釣ったり、ウナギを捕まえたり。今でも地元には釣り仲間がいて、帰ったときには関アジ、関サバを狙う。これらブランド魚は傷つけないよう、クーラーボックス内側にウレタンを貼り、ていねいに持ち帰るという。

社会人となり、群馬に15年間住んでいたころは、渓流釣りや沢のぼりを楽しんだ。しかし、周りに釣りをする人はなく、単独釣行で危ない思いもしたと振り返る。
釣り文化に触れ造詣深める
さらに、釣りへの造詣が深くなったのは、44歳のとき。ふと、手に取った『私の釣魚大全』=開高健著=。読み進めるうち「面白い人だな~」と共感したという。今でも釣りバッグには記念館を訪れた際に購入したスプーン型のキーホルダーが光る。
また、平成28年に福岡市の福岡市博物館で開催された展示会「釣道楽の世界」では、西郷隆盛が使ったとされるエギや、浮世絵に描かれた女性(現在の釣りガール)の存在に驚いたと話す。

なかでも感銘を受けたのは、「一時間、幸せになりたかったら酒を飲みなさい……、永遠に、幸せになりたかったら釣りを覚えなさい」の書。
愛車の『Jeep』で各地の釣り場へ
54歳で自動車免許を取得。現在の愛車は『Jeep Renegade』。1.3Lマルチエア直列4気筒ターボエンジン搭載のスモールSUV。サイズ感がちょうどよく、視界もよくて運転しやすい。

シート高や硬さもほどよく疲れないので、房総半島や茨城、伊豆半島各所に釣行して、3年間の走行距離は54000km。さすがに最近は家族の反対もあり、前泊や助手席が多くなったと笑う。

釣り仲間と意気投合
その運転を任せているのが、一年前に出会った”師匠”と仰ぐ林豊彦さん(68歳)。中村さんが愛犬の散歩をしていると、サロペットが干してあるのを見て、「釣りする人が住んでいるのか」と気になっていたという。あるとき、干物を作っている林さんを見かけ、声をかけたのが始まり。
その日以来、意気投合して、月に2、3度は一緒に釣行。「彼との出会いで釣りが変わった」といい、大物や深場釣りに挑戦したり。仕掛けへのこだわりも今まで以上に考えるようになったら、釣果が数・型とも伸びた。
増栄丸でイサキ・ハナダイリレー
取材当日、外房片貝港に4時集合。増栄丸のイサキ~ハナダイリレーに乗船。
予報に反し、ウネリが高い。航程1時間ちょっとで太東沖に到着すると、タナ24~20mで開始。船宿推奨のカラーバリにオキアミエサを付けて投入。潮が速く、ミチイトが急角度で斜めに入る。

船が大きく上下するなか、船べりに身体をあずけ、一定のリズムで指示ダナ上限まで誘い上げる。アタリがなければビシの位置を下限まで下げ、誘い直して回収。コマセを詰め直して再投入。
ダブルヒット交えイサキ好釣
2投目、止め気味に待っているとククッと竿先に反応。電動は使わず、手巻きで上げてくると下バリに茶褐色の魚体を確認。ポーンと抜き上げたのは25cm級のイサキ。

隣の林さんは、ひと回り大きいサイズを一荷で取り込む。

速潮対策が奏功
このあと、船中ぽつりぽつりのところ、林さんだけは堅釣。速潮対策として仕掛けを伸ばし、コマセの放出量をセーブ。

ハナダイ狙いに転戦
8時30分、イサキ釣りが終了。1時間走った片貝沖の沈船周りでハナダイ釣りにリレー。竿やビシはそのまま、仕掛けを空バリ+ウイリーの4本バリに交換。「タナ24~20m、これより下げると根掛かりするので気をつけて」と、船長のアナウンス。
スーっとシャクったあと、竿先を下げながらリール1~2回転。少し長めのステイを交えながら誘っていると、小さなシグナルで手のひら級のハナダイに「小さいね」と苦笑い。しばらくアタリがないまま沖上がりの時間が迫ってくる。
30cm超ハナダイをキャッチ
それでも諦めず、移動のとき以外、座ることなく釣り続ける。11時前、この日一番の強い引き。時々リールからミチイトが出され「やっといい型が来たかな」と、少しずつ巻き上げていく。やがて、海中に薄いピンクの魚影が見え、タモに収まったのはサイズアップの30cm超。イサキこそ師匠に及ばなかったものの、ハナダイは船中トップの3尾で納竿。

100歳まで釣りを続ける
帰港時、あらためて話を伺うと、「直近では伊豆へキンメ釣りに行って、ズラズラと良型を8点掛け。帰るとその日のうちに自分でさばきますよ。包丁は5本か6本あるかな。命をいただくので、美味しく食べないと。近所に待っている人がいるから、冊にして配るんですよ。『美味しかった』と聞くと、嬉しく思いますね。」
「釣りは何でも楽しい。たとえキンギョ釣りでも。釣りは行く前も、その最中も、帰ってからも楽しめる最高の趣味です。100歳まで続けるのが夢です」と、笑顔で締めくくった。
贈る側も最高の気持に
最後に、プレゼントを企画した義理の娘である中村シバンさんに感想を伺ってみた。
釣りをギフトにした理由
義父は今年で87歳になりますが、釣りに人生の情熱すべてを捧げているほどの釣り好きで、時間があれば釣行に出かけています。
そんな義父に毎年何をプレゼントしようか悩んでいましたが、昨年からコロナの影響で釣りに行けていない義父に良い思い出となるプレゼントを贈りたいと思いました。
TSURINEWSという名の知れたメディアに取り上げられることで、彼の情熱や釣りのスタイルを誰かに知ってもらうことができ、義父も特別な気持ちになれるだろうと思い、このオリジナルギフトを考えました。
初めは信じてもらえなかった
誕生日の当日はディナーとケーキでお祝いし、義父にこのギフトカードを渡した時は、信じてもらえませんでした。私がこんなオリジナルギフトを用意すると予想していなかったので、最初はジョークだと思われましたよ。
すごい嬉しかったのか、すぐに釣り仲間に電話をして自慢をしていました。取材当日までは、準備をしながらとても楽しみにしていたようです。取材の後は、子供のようにウキウキしてはしゃぎたいような感覚が数週間続いていたそうです。とても特別な体験でいい思い出になったと言っていました。
オリジナルのプレゼントに
型破りなアイディアを形にすることができ、思い出に残るオリジナルなサプライズプレゼントを贈ることができたので自分自身も気持ちよかったです。 義父に心から喜んでもらえることができて、とても嬉しかったです。
TSURINEWS「釣りカタログギフト」
<佐藤/TSURINEWS編集部>
▼この釣り船について増栄丸
出船場所:片貝港
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