毛バリを複数付けるフライフィッシングのドロッパーと呼ばれる仕掛けは効果的だ。これを真似た二本毛バリテンカラ釣法を思いついた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小島満也)
ドロッパー仕掛け
フライのドロッパーとは、リーダーの途中に接続した枝スと、リーダーの先のティペットにそれぞれ毛バリを結んだ仕掛け。一般的に結ぶ毛バリは二つか三つ。水面下を探るウェットタイプの毛バリを用いることが多いようだ。
フライをやる仲間にこの釣り方の熟達者がいて、特に辺りが暗くなるイブニング時に良型のヤマメを引き出している。そんな光景を見せつけられ、俄然テンカラで、二本毛バリをやってみたくなったというのが、今回の二本毛バリテンカラテストの理由だ。
ライン絡みがネック
前述したが、フライのドロッパーはリーダーの先とリーダーから伸ばした枝スに毛バリを付ける。そこで、枝スがリーダーに絡まらないよう、太めのイトを枝ス用に用いている。
ただ、フライと比べ、テンカラのキャスティング回数は桁違いに多い。そのため、枝スの番手を上げただけでライン絡みを完全に防止するのは難しい。これがドロッパーのネックであった。
トレーラー仕掛け
絡み対策で、他のいい方法はないものかと考えていたら、これまたフライの仕掛けの一つとして、「トレーラー」方式があることに気付いた。トレーラーとは、毛バリのフックのベンド部分(ハリ先に向かってカーブした部分)にハリスを結んで垂らし、その先にもう一つの毛バリを付けるやり方である。
この方法は、ハリスの同一線に毛バリが上下に並ぶので、よっぽどのキャスティングのミスさえなければ、トラブルなく着水するはず。二本毛バリテンカラは、この仕掛けで試みることとした。
使用する毛鉤
この仕掛けを、まずオイカワ釣りで試したいので、毛バリは二本とも16番の同サイズのソフトハックルとした。
二本とも同じサイズだが、上に付ける毛バリはシャンクが長く、ゲイブが狭いカーブドロングシャンクタイプのフックを選んだ。カーブドロングシャンクは同じサイズでもシャンクが長い分、毛バリを同じ16番でも一回り大きくタイイングでき、そのことにより魚へのアピール力を高めることができると考えたからだ。一方、狭いゲイブはオイカワの小さな口に適合する。
以上、トレーラー方式の二本毛バリテンカラの仕掛けとその仕掛けを用いてのオイカワ用毛バリを解説した。と、いっても目新しさは皆無、フライシステムのただの流用である。テンカラ釣りに二つの毛バリをつけたら、釣果は倍増するのではないかという、この単純な発想。
次回で、テストしたオイカワ釣りの結果を釣り場紹介兼ねて報告しよう。その後、渓流C&R区間でのヤマメ釣りに試すつもり。釣れるかな。
<小島満也/TSURINEWSライター>
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