5月の大型連休が終わり、奥日光に山菜採りのシーズンがやってきました。山菜採り初心者の友人を手ほどきしながらの一日をレポートします。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

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奥日光で山菜採り

今回向かった先は奥日光の鬼怒川上流部。鬼怒川温泉郷を抜け、川治ダムを過ぎた辺りから新緑が一段と奇麗になり、コシアブラの木もちらほら。このあたりの渓流釣りは4月の第1日曜日に解禁になっていることから、釣り人の姿もまたちらほら。思わず車をとめて渓流釣り師に話しかけてみると「イワナ1匹釣れたヨ」とのことで、ちょっと釣りにも気持ちを奪われそうになりつつもさらに奥へとドライブしていきます。

無論、釣りと山菜採りの二刀流で楽しむことも可能なのですが、今回の同行者は山での山菜採り初心者であったためじっくり山菜採り専門にて。色々な山菜が採れるであろう、やや奥の黒部ダムより先のポイントに行ってみました。

釣り「プラスα」を楽しもう 山菜の見分け方と採取の注意点【奥日光】
渓流釣りアングラーの姿も(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

因みに今回が奥日光での山菜採り初めての同行者、私と同様に子育てがひと段落つきつつあり、ここ数年で釣りや干潟遊びをおぼえ始めたばかり。今回はひとつ山遊びを挟み「お互いアウトドア遊びのレベルアップを図っていこう」という魂胆。アラフィフ2人、まだまだ成長していこうと思っています。

採れる山菜について

年により多少前後するのですが、奥日光の山菜採りベストシーズンは5月。GW明けあたりから採れはじめ、紫色の藤の花が咲きはじめると終盤に近づきます。

採れる山菜についてですが、このあたりでもっとも見つけやすいものは天ぷらが最高においしいコシアブラ。県道沿い、林道沿いでも多く見かけます。葉が成長していて「ちょっと時期が遅かったかな」って思っても、少し標高が高い所に移動さえすれば新芽がついている木を簡単に見つけられます。

何かのついで(大抵は釣り?)にて「軽~く山菜採りを楽しむ」場合は特にうってつけかもしれません。

その他、ウドやコゴミ、ワラビ。少し山に入ればタラの芽やハリギリ、沢を登れば葉ワサビ、ちょっと時期は後ろにずれますが、チシマザサ(ネマガリダケ)のタケノコも見つけることが可能です。

服装や必要な道具について

服装はどんなに暑い日でも、虫刺され対策で長袖、長ズボン、帽子、軍手を着用しましょう。汗拭き兼用で首タオルも効果的。また、コゴミ等湿地に多く自生している山菜を採るために長靴を履くのもよいですし、釣り人であれば渓流釣り用のウェーダー着用でも決して大げさではありません。

道具については、山菜を入れるものは通気性のいいカゴがいいのですが、なければ袋(大きめのコンビニ袋でも可)でもOK。また、根本ぎりぎりを切って採るウド対策で鋸鎌があると便利。なければ、カッターナイフなどでも代用が可能です。

その他スマホが圏外になるような所もあるので、飲み物や食料はもちろん、滅多に遭遇しませんが…お守り代わりにクマよけの鈴もあると安心かもしれません。

釣り「プラスα」を楽しもう 山菜の見分け方と採取の注意点【奥日光】
鋸鎌はウドを取るのに便利(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

まずはコシアブラ狙い

県道沿いにちらほらコシアブラの木をみつけ、まずは山菜採り初心者の友人に特徴を説明します。なんとなく特徴を覚えてもらったところで更に奥へ進み、食べごろの新芽がついた木がちらほら出始めたところで車を停車。山菜採りがスタートしました。

ちょっとずつ移動しながら2人で順調に採り進めていき、1時間ほどでコンビニ大袋いっぱいに。

途中、レアな山菜であるハリギリも追加し、十分なお土産を確保したところで第一ラウンドは終了。ウドやタラの芽を求め、もうちょっと標高の高いポイントへと移動です。

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手軽に採れるコシアブラ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

第二ラウンドはウド&タラの芽狙い

車にて林道を更に奥へと進み、今度はウドとタラの芽の実績があるポイントにやってきました。いつもは特にポイント定めず、新しい発見を期待しつつ適当に山へ入るのですが、今回は安全面を考慮し過去に実績あるポイントへ。

4年ぶりのポイントということで今年も生えているかどうか心配していたのですが、すぐにポツポツとウドを発見しホッと一息。山ほど採れるような状況ではないものの、友人に説明しながら、そして飽きない程度に山菜を追加していきます。

釣り「プラスα」を楽しもう 山菜の見分け方と採取の注意点【奥日光】
ウドを発見(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

途中視線を上にやり、相かわらず好調なコシアブラの新芽を見つけたり、陽当たりのいい所でワラビの群生を見つけたり、湿地でコゴミの群生を見つけたり、食べごろサイズのタラの芽を見つけて2人でガッツポーズしたり。

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ワラビをゲット(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

気づけば2人で約3時間半山を歩き、6種類の山菜を確保。山での山菜採りに関して右も左もわからなかった友人は、ウド以外は一人で見つけられるようになっていました(ウドは難しい!)。

そして程よく足腰に疲れが出始めた所でこの日の山菜採りは終了。アラフィフ2人、後は泥酔を残すのみです。

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食べごろのタラの芽(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

6種の山菜を確保

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採取した6種の山菜(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

左がウド、右がコシアブラ。
中央左上がタラの芽で、中方右上がやや成長したハリギリ。
中央左下コゴミ、中央右下ワラビ。

因みにコシアブラは更にこの写真の約5倍の量(コンビニ大袋満タン)があるのと、他の山菜も食べ盛りの息子3人を抱える友人にそこそこの量を譲ってしまったので、実際はもっと採れています。

山菜の見分け方と採り方を解説

簡単にではありますが、奥日光で採れる山菜の見分け方と採り方を写真を用いて解説します。

コシアブラ

木の幹や枝は白っぽくツルツルしている。比較的細長い葉が5枚ついていて、新芽は触ると脂分が多くベタベタしている。採る際は軍手があった方がいいです。

また探す時の目線は上なので、コシアブラの新芽探しに夢中になっていると湿地に足がハマッたり、他の山菜を見過ごしてしまう事が多々あるので注意!

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コシアブラ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ウド

ウドは一見、これといった特徴があまりなく見つけづらいのですが、茎に白い毛のようなものが生えているのと、根本がやや紫がかっている事で見分けがつきます。またウドは独特の香りがするので、この香りで確認ができます。

丈はあまり大きいものは硬いので食用には不向き。30cm以内のものが軟らかくておいしいです。土の中に隠れている白い茎が特においしいので、根本スレスレを鋸鎌などでカットするといいです。

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ウド(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

タラ(タラの芽)

5m前後の比較的低い木で、小さな棘あり。そのため枝をつかむ際は軍手必須。探す時の目線は平行から上の目線になります。

新芽は5cm前後が食べごろサイズで、採る際は1本の木から3割程度にしておかないと翌年枯れてしまうので注意。

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タラの芽(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ハリギリ

ハリギリは、奥日光ではタラよりもレアな山菜で、木はタラより大きく、10m以上に成長するとのこと。大きな棘がついていて危険なので、軍手着用でも枝はつかまない方がいいです。

新芽はタラより一回り大きく、紫がかっているのですぐに判別が可能。タラ同様、資源保護のために新芽を採る際は1つの木から3割程度にしておきましょう。

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ハリギリ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

コゴミ(クサソテツ)

コゴミはシダの仲間独特の見た目で、1か所から4~6本程度の芽が顔を出しています。丸まっている若葉が食べごろサイズ。

枯れてしまわないよう、1か所(4~6本のまとまり)からは半分程度採るようにしましょう。

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コゴミ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ワラビ

根本が褐色で独特の見た目。初心者でも判別しやすい山菜の1つです。群生していることが多いので、単独で見つけることはほぼありません。根元をプツンと折るようにすると簡単に採れます。

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ワラビ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

山菜採り注意点

大の大人が夢中になってしまう程楽しい山菜採り。もちろん何点かの注意点があるのでまとめておきます。

準備は万端に!

当たり前のことですが、準備は万端にして出かけましょう。服装や道具はもちろん、何かあった時に備え、飲み物や食料も。因みに奥日光方面では鬼怒川温泉郷を過ぎるとコンビニはありません。

2人以上で!

途中、怪我をしてしまうこともあるかもしれません。そしてちょっと山に入っただけでスマホ圏外になってしまいます。よっぽど慣れていない限り、単独での行動は避け、2人以上で行動しましょう。

無理しない!

「崖の下に山菜があり、あとちょっとで手が届く」は諦める勇気を。また、夢中になりすぎて奥へ行きすぎると、それだけ危険生物への遭遇する確率が高くなります。無理せず、安全第一での行動を心がけましょう。

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危険な場所は諦めよう(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

できれば山菜ガイドブックを持参

毒という意味ではキノコ採りに比べてはるかに安全な山菜採りですが、それでも100%安心はできません。毒草を中心に、事前にある程度特徴を覚えておくことはもちろん、念のため紙ベースの山菜ガイドブックを持ち込むことをおすすめします。山の中ではスマホはカメラ機能しか使えないと思った方がいいです。

山菜を使った料理

山菜の王道料理は何といっても天ぷら!アクが強いので、揚げる際は衣を半分程度付け、揚げながらアクを取ってやるとおいしく食べられます。

また、ウドがたくさん採れた際はきんぴらがおすすめ。タッパ等に入れて冷蔵庫で保管すれば1週間くらい楽しめますよ!

山菜料理の王道は何といっても天ぷら!

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絶品の天ぷら(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ウドはきんぴらもオススメ!

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ウドのきんぴら(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

酢味噌和えもおいしいです

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山菜の酢味噌和え(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

今回たくさん採れたコシアブラで炊き込みご飯を作りました。これも絶品!

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コシアブラの炊き込みご飯(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

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