北から南まで東北地方はサクラマスジギングのパラダイスが点在しています。今回は、それぞれのエリアの遊漁船とエリア毎のサクラマスジギングの特色を併せてご紹介します。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター堀籠賢志)
青森県沿岸のサクラマスジギング
まずは青森県沿岸エリアの特徴と遊漁船を紹介します。
青森県沿岸の特徴
青森県のサクラマスジギングエリアは下北半島周辺、八戸周辺が有望です。下風呂、大畑沖、尻屋崎沖、小田野沢、尻労沖、白糠沖、八戸沖辺りがサクラマスジギングのエリアとなります。
特に尻屋崎沖は航程1時間~2時間。水深も40~150m程度までと変化に富んでいます。海底の地形は穏やかなカケアガリ、または広範囲なホール状や台地上のハンプを狙います。
ベイトフィッシュも多彩で、深海系のキュウリエソ、イワシサバ系、太平洋沿岸部ではメロウドなども多い傾向があります。サクラマスの魚影、ストック量は極めて多くて数を釣ることも可能です。大きな群れが入れば、船中釣果が3ケタとなることもシーズンに数回あります。
青森のサクラマスジギングのヒットジグとしては、絶大な人気のピーボーイバーチカル135gが特に有名です。もちろん、地元青森の鉄ジグも根強い人気があります。

青森県沿岸の遊漁船
以下、青森県のエリア毎の遊漁船を紹介します。
下北半島周辺・野牛漁港
朝日丸
正盛丸
喜久丸
大盛丸
喜宝丸
勇栄丸
下北半島周辺・白糠漁港
錦帆丸
八戸・鮫漁港
三平丸
桜丸
注意事項
青森エリアは厳寒期の2月からサクラマスジギングがスタートします。2月は圧雪など雪道での移動となると思って間違いありません。3月になれば、暖かい日も出てきますが、朝晩の道路凍結はありますので、移動には十分な注意が必要です。
サクラマスのサイズは1kgの小型から4kgを越す大型まで幅があります。
野牛漁港所属の遊漁船は本業のイカ釣り漁が始まるまでが営業期間ですので、注意が必要です。
下北半島周辺エリアは根魚も特大サイズが潜んでいます。例えサクラマスジギングが不調となっても、ロックフィッシュ系の魚はいつでも大型が期待できます。

岩手県沿岸のサクラマスジギング
続いて岩手県沿岸のエリアの特徴と遊漁船を紹介します。
岩手県沿岸エリアの特徴
岩手県のサクラマス釣りは県の条例で3月1日となっていますので、オフショアサクラマスジギングもスタートは3月1日からとなります。ここ数年は解禁日からサクラマスの釣果が出ています。
岩手県沿岸のサクラマスジギングの特徴は比較的、沿岸部での釣りが多く、切り立った海岸線を眺めながらの釣りはとても気持ちのいいものです。水深も60m程度で釣りやすいエリアが多いです。
ベイトフィッシュはメロウド、イワシサバ系、ツノナシオキアミやヨコエビなどの虫系も多いです。
サクラマスのサイズは青森県のエリアと比較しても大型が多いですが、船中釣果はよく釣れても20匹程度、釣れない日だと船中数匹の日もあります。稀に船中50匹という日も今年はありましたが、連日続くことはなく、あくまでもスポット的な釣れ方でしょう。
釣行日を決めるには、釣況も大きな目安となりますが、人気船は平日でも満船ということが多いので、事前予約するしかありません。シーズン中の土日はまず埋まっていると思っておいて間違いないと思いますので、早めの予約がお勧めです。
今年はキングサーモンの釣果で賑わったのも特筆すべき点です。私が確認しているだけでも、10本以上のキングサーモンがサクラマスジギングの外道として釣り上げられています。正体不明の魚に多くのアングラーがなす術なく、ラインブレークされていますので、タックルはしっかりとしたものを使用することをお勧めします。

キングサーモンジギングについては別の機会に執筆出来ればと思います。
岩手県沿岸のサクラマスジギングでの人気ジグはスパイV、C1、鉄ジグ、スパイキー、ウィークベイトなど各種あります。
岩手県沿岸の遊漁船
以下に岩手県沿岸各地のサクラマスジギング遊漁船を紹介します。
岩手県宮古市
ゆたか丸
平進丸
清龍丸
海遊丸
釜石市
健勝丸
大船渡市吉浜湾根白漁港
喜福丸
大船渡市越喜来湾崎浜漁港
広進丸
千祥丸:090-7338-9769
荒神丸:090-7065‐3004
喜多丸
大船渡市越喜来湾鬼沢漁港
大船丸
大船渡市越喜来湾小石浜漁港
やまきゅう龍神丸
億幡丸
漁富丸
聖徳丸:090-1491-6274
大船渡市越喜来湾砂子浜漁港
勝丸
大船渡市大船渡湾
幸徳丸
公栄丸
晃進丸
大漁丸
注意事項
岩手県沿岸のサクラマスジギングエリアは釣りやすい反面、厳しい釣果となることも少なくありません。しかし、掛かれば良型ということもあり人気は高いです。
3月から6月いっぱいとシーズンは長いですが、年により変化がありますので、最新の釣況をチェックしての釣行計画を立てることが大事です。
岩手県沿岸北部の宮古湾海域の俗に夏鱒と呼ばれる大型サクラマスはなかなか手強いターゲットですが、サーモンと見紛うばかりの立派な体躯のサクラマスが狙え、6kgクラスも釣られています。
宮城県沿岸のサクラマスジギング
最後に宮城県沿岸のエリアの特徴と遊漁船を紹介します。
宮城県沿岸エリアの特徴
宮城県の仙台湾に流れ込む母なる河・北上川は、シーバスはもとより、サクラマスも多く育んでいます。
北上川は河川改修で流程をかえられ、石巻市の追波湾方面に流れ込むのが、新北上川(追波川)、石巻湾に注ぐのが旧北上川と呼ばれます。どちらの河川にもサクラマスは遡上しますので、サクラマスの絶対数は宮城県も決して少なくはありませんが、遊漁船として専門に狙っている船は多くはありません。
今後、オフショアサクラマスジギングの遊漁船としてエリアが確立されることを期待しています。過去にサクラマスジギングを確立していた遊漁船があり、実績もありましたが、現在は廃業しています。
宮城県沿岸の遊漁船
以下、宮城県のサクラマスジギング遊漁船を紹介します。
宮城県気仙沼市
つり丸
状態のいい小型はリリースを
オフショアサクラマスジギングでは、ここ数年の傾向として、1kg前後の小型サクラマスがヒットすることも多くなりました。
サクラマスはファールフッキングが多くて、ハリ傷も大きくなりがち、鱗も剥がれやすく、リリースすることは簡単ではないと思います。しかし、小型のサクラマスで状態がいいままキャッチできた時は、持続可能な釣り場環境を維持するためにリリースすることを考慮してもいいかもしれません。サクラマスの生命力を持ってすれば、きっと生き延びて、サクラマスの遺伝子を伝えてくれるはずと思いたいのです。
たくさん釣り上げることも、サクラマスジギングを理解する上で有用ですが、この美しい素敵な釣りの対象魚を未来に渡って残していくこと、私たちの子や孫たちもサクラマスジギングを楽しんでいけるよう配慮していくことも私たち、現役のアングラーの務めなのではないかと思います。
サクラマスジギングのスタートはまずは遊漁船の選択からとなります。釣況を見極め、有意義な釣行を楽しんでください。
<堀籠賢志/TSURINEWSライター>
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