アジングでは、サオ先をちょんちょんと動かして誘う。しかしあまり何度も工夫もなく見せると、さすがにアジも見切る。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
「逆ちょんちょん」とは
「逆ちょんちょん」とは筆者が考えた名称で、おそらく他に正式名称もないと思う。フリーフォールの一種に入るのかもしれないが、感覚的に「逆ちょんちょん」だ。
アジングの常等テク、レンジキープ釣法のひとひねりバージョン。通常のシェイクアクションといえば、手首に上に向ける力でちょんちょんするのだが、この逆にいく。つまりテンションを張った状態から、サオ先を下に下げて、すっすっとリグを二段階くらい沈ませるのだ。「逆ちょんちょん」というが、操作している感覚に即していえば、すっすっの方が擬態語として近いと思う。
くわしくは、次の画像のようなものだ。

筆者はこの方法をたまに試していたのだが、正直、これまではっきりとした釣果を得たことはなかった。しかし先日はついに逆ちょんちょんが効いた。
小サバがうじゃうじゃ群れているポイントで、たまにアジのアタリがあるが乗せきれない。サバがレンジキープとシェイクにじゃれついてくるので困っていたところ、ふっとサオ先を沈めてテンションを抜いてやると、アジが乗った。しかも、初夏の産卵アフターアジの良型25cm、そのあとも続いた。
見ている魚にフォールでアタックさせる
アジはフォールに反応がいい魚で、このような変則的なフォールを見せてやるとスレきっていたり、プレッシャーがかかったりした群れも食うことがあるようだ。

またレンジキープ釣法の良くないところとして、「ちょんちょん、レンジ水平引き」という過程を何度もじーっと見せすぎて疑似餌だと見切らせてしまうことがある。カラーローテーションである程度また食わせられるが、最終的には群れがスレきって止まるか、抜けるかすることが多い。
私のイメージだが、厳冬期や酷暑期をのぞいて、常夜灯下等の条件が揃っている場所に潮が絡めば、密度はともあれ必ずそこにアジはいる。問題はそいつらをどのように食わせるかで、工夫のないやり方一本で通して見切られる前に、あるいは最初から逆ちょんちょんは試してもいい方法かもしれない。
アジがリグを後ろから凝視している、そいつを「何か」見定めようとして……そこへ突然のフリーフォール。アタックのきっかけになりそうな図だ。
エステルライン運用が前提
逆ちょんちょんは、ラインテンションの調整が効いてこそ通用する技だ。やはりそうなると水なじみがよく、軽量リグが操作しやすいエステルライン運用が前提となる。
浮力のあるPEラインの場合は、おそらくテンションを抜いても、簡単にはリグが沈まない。つまりフォールにならない。
瞬間的にスラックを出して釣る
タチウオやイカのスラックジャークという方法があるが、逆ちょんちょんもそれに似たところがある。スラックを出して、ジャークする、すなわち水平に跳ねさせるスラックジャーク。
逆ちょんちょんではスラックで沈めて、そのままレンジにハンギングする。さらにもう一段階スラックを出して深くまで沈めるという手もある。
アジを「↑」のちょんちょんで釣るか、「↓」のちょんちょんで釣るか。筆者もまだ実績が足りない釣り方だと思うが、少なくともアジにきっかけを与える釣り方ではあると思う。アジングアングラーのみなさんに各地で試してみてほしい。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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