和歌山の紀ノ川河口でキスの投げ釣りを楽しんだ。今回はピンギスを避けるため丸セイゴ7号の大バリ仕掛けを試してみた。

まずまずの効果が得られたので、その模様をお届けする。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)

投げキス釣りで18cm頭に25匹 大バリで良型狙い撃ち【和歌...の画像はこちら >>

夏のキス釣りポイント

紀北は完全にキスシーズンに入っている。すでに水温が上昇してキスの活性は上がっているが、初夏から初秋にかけて、和歌浦や田ノ浦などのチョイ投げ場では、ミニチャリコが多くなる。

この時期には、川の河口を狙うのが有効である。高水温期になってくると、キスの良型は真水の入る河口周辺に集まるようになる。これは、水温が外洋の砂浜などに比べ低めに保たれるのと、川の流れと潮流が絡み合って適度な潮の動きがあり、溶存酸素量が高めに保たれるためであると思われる。夏場の砂浜海岸でも、波口にキスが着きやすいのと同じ理由である。

また、産卵のための干潟や砂泥底の浅瀬が大河川の河口部に多いことも原因として考えられる。

和歌山市から田辺市にかけては、紀ノ川河口、有田川河口、日高川河口芳養川河口周辺などが有望だ。最近は、そんな釣り場への釣行が多い。

ハリサイズ

釣れるキスのサイズで考えるとシーズン初期には比較的良型が出やすいが、夏場にかけて小さくなることが多い。キス釣りの競技会の場合は、基本型を問わず多点掛けを狙って小さめのハリで効率よく釣る必要がある。

しかし、プライベートの釣行なら、できるだけピンギスは避けたい。この時期になるとキスの活性自体は非常に上がっているので、比較的大きめのハリでも掛かる。

また、河口部にはキス以外の大型魚もいる。これらの大型外道はそうそう頻繁に魚信がでるわけではないが、幸運にもハリ掛かりさせることができ、リーリングで足元まで寄せてきたなら、確実に取り込みたいものである。

そして何より置きザオで道具が多く、蚊に悩まされる夜釣りは避けて、お気楽な昼間の引き釣りで良型をキャッチしたいという超わがままな筆者のキス釣行で、ハリのサイズを大きくするというチャレンジを試してみた。

大バリ仕掛け

普通、この時期の砂浜や堤防での引き釣りなら、キスバリの5~6号がよく使われる。キスバリはふところが小さめで、キスが吸い込みやすいように考えられていて、多点バリの仕掛けでは最もポピュラーなものだ。キスバリのままで号数を8~9号と大きくする方法もあるが、今回はキスの吸い込みと、大型魚がきても確実にフッキングさせる狙いで、丸セイゴの7号を使った。

ハリスは1号、モトスはフロロの2.5号とし、エダスの間隔は30cmの15本連続仕掛けを自作し、スナズリのかわりに硬めのフロロの単糸3号を50cmとり、そこに4本バリにカットした連続仕掛けを結んで使用する。仕掛けの全長は約1.5mである。ハリスには極小のビーズを入れた。

紀ノ川河口で投げ釣り

6月27日、日暮れ方にかけての上げ潮を狙って午後3時前に紀ノ川河口(右岸)の河口大橋下流側の護岸に入る。多くのアングラーが帰った後なのか釣り場は空いていた。

サオはスカイキャスターの30号、かなりレトロだがリールはチタノスエアロ GT8000に道糸PEラインの0.6号+チカライトPE、オモリはL型固定木オモリの28号、仕掛けはすでに述べた丸セイゴ7号の4本バリ、エサはイシゴカイである。

最初は2~3色の近場を探る。13cmほどのキスが姿を見せる。

大バリでも、しっかり口の奥の方に掛かっていた。思いのほか吸い込みも悪くない。むしろ、細軸のハリよりもしっかり刺さっている感じであった。

投げキス釣りで18cm頭に25匹 大バリで良型狙い撃ち【和歌山・紀ノ川】
釣り場の様子(提供:TSURINEWSライター牧野博)

遠投でほぼ空振りなし

潮位が下がっているせいか、ニアポイントを探るがキスは少ないようだ。遠目に狙いをかえる。強めにキャストすると、空気抵抗が大きいためか小バリの仕掛けに比べるとミチイトの色で半色程度(10~15mほど)飛距離は少なめになったが、それでも6色目のゾーンを十分に狙うことができる。

5色以上のポイントでキスの魚信が多かった。型は13~18cmとまちまちであるが、投入のたびに魚信が得られる。さすがに3点4点では来なかったが、それでもほぼ空振りなしで、時に2点で、しっかり魚信を伝えてくる。取り込んだ時に足元にキスがポロリという場面もあったが、これは口の周りに浅くハリ掛かりしたためである。しかし15cm以上のものでは、かなりしっかり口の奥の方までハリを飲み込んでいた。20cmオーバーはなかなかこないが、17~18cmがかなり交じった。

投げキス釣りで18cm頭に25匹 大バリで良型狙い撃ち【和歌山・紀ノ川】
大バリでもしっかりハリ掛かり(提供:TSURINEWSライター牧野博)

ゲストにキビレが登場

釣り始めて約2時間、5色半ほど投げた少し後に、船が接近、サオ先を水面近くまでおろしてイトふけを取り、なんとかやりすごしている時にミチイトが大きく引かれた。船が遠ざかったのでサオを立て、ミチイトを緩めず張らずの状態で様子を見ると、大きくサオ先が引き込まれた。

一度しっかりとイトを張ってリーリングに入る。

かなり重いが、案外すんなり寄ってくる。ミチイトのテンションを緩めないように注意しながら足元まで寄せると、キビレだった。ハリスは1号だが、タモはないので、とにかく浮かせてサオ先を水面近くまで下げてゆっくり取り込んだ。実測するとジャスト30cmだったが、きれいな魚体でよく太っていた。

早速ハリ掛かりの状況を見ると、ハリ掛かりしている場所は下あごの口の周り、その硬い部分にハリのふところまでしっかり刺さっていた。丸セイゴのハリは非常に有効だったといえる。

最終釣果と大バリの所感

その後も同じポイントで投点をかえながらキスを追加し、午後7時過ぎに終了。当日の釣果は、キス13~18cmを25匹、30cmのキビレ1匹だった。午後3時スタートという超のんびり釣行だったが、上げ潮のタイミングをうまくとらえることができたのもよかったのだと思う。

投げキス釣りで18cm頭に25匹 大バリで良型狙い撃ち【和歌山・紀ノ川】
当日の釣果(提供:TSURINEWSライター牧野博)

私は、キスの引き釣りの時にも比較的大きめのハリをよく使っている。例えば、ほぼピンギスがこない、釣れれば15cm以上と予想されるような場合には、ふところが小さめのハゼバリの6~8号なども有効である。

結構喉元まで飲ませて釣ることもできるし、チヌやカスゴなどがきても安心である。今回のように細ハリスでタモなしでも、しっかりハリ掛かりしていれば結構取り込める。

ただ、難しいのはエソやマゴチなどがきた場合だ。最初から小型魚をエサにして飲ませ釣りをしている場合はその限りではないが、キスの引き釣りをしていてこれらの魚が来る場合、たいていハリ掛かりしたキスに食いついているので、エソやマゴチ自身の口にはハリ掛かりしていない。それだけにうまくとり込めたときは妙味がある。今回釣ったキビレは、ハリがかりしたキスに食いついたのではなく、単独でイシゴカイのエサに食いついたものである。

これからの高水温期にはキスの活性が上がるのはもちろん、大型外道に出会えるチャンスも拡がる。そんな季節、少し大きめのハリで引き釣りをすると、昼間ののんびり釣行でもピンギスを避けて比較的型ぞろいのキスを揃えることも可能であるし、多彩な外道と遊ぶこともできる。

<牧野博/TSURINEWSライター>

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