夏の相模湾を賑わせるのが、キハダマグロにカツオ。毎年多くの釣り人がこの夏のスプリンターに挑戦する。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター永井航)
一俊丸でライブベイト
今回は茅ヶ崎港から出船する一俊丸さんにお邪魔した。コマセで狙うキハダ、カツオは経験があるが、全員がライブベイトは初めてとなる。
そもそもライブベイトはイワシを中心とした活きエサをマグロ、カツオのナブラに投入する泳がせ釣りの延長のようなものだ。仕掛けはハリスとハリのみの単純な構造で、オモリなどは一切なく、フカセ釣りの要素も含んでいる。一見難しそうにも思うかもしれないが、船の合図でエサを投入できれば問題ないだろう。

レンタルタックルで挑戦
エサの付け方はエラ掛けを基本とし、鼻掛けや口掛けも使われる。ハリやリーダーの結び方ができないと乗船は難しいが、それさえクリアしてしまえば大きな問題はない。タックルもキャスティングタックルなどを流用できる。また船宿によってはレンタルの用意がされている所もある。

今回は釣友含め全員がレンタルタックルでの挑戦となる。ただナブラを見つけ、さらに中乗りが投げるエサに魚が食いつかないと釣りにならないという特性上、一日中クルージングとなり船中釣果なしという可能性もある釣りである。
群れを探してクルージング
仕事の多忙さなどで個人的に2ヶ月振りとなる釣行で、前日から楽しみでなかなか寝付けない状態。久しぶりの魚を是非とも釣りたいところだ。乗船代を払いタックルを受け取り乗船。

6時20分頃に船が茅ヶ崎港を出ると、ナブラを探しながら西の大磯、小田原方面へ走る。相模湾内にカツオの大きな群れが入ったという話を聞いていたので、すぐにサオを出せると思っていたがここから長いクルージング。
やっと群れを見つけた時にはすでに時計は10時。しかしその群れも中乗りが投げるエサに見向きもせず、船の接近に合わせて沈みあっという間に見失ってしまった。
マグロ巨大ナブラと遭遇
やっと見つけた群れに振られてしまい船中は暗いムード。しかし今度はマグロの巨大ナブラが前方に出現。1mはあるであろうマグロ達が跳ね回るナブラに思わず歓声があがる。

あっという間に周囲の船も集まりエサやらルアーやらを投げ込むが間に合わず……。釣れれば大きなチャンスだったが厭戦気分を吹き飛ばす出来事だ。
待望のビッグヒット
その後はたびたびカツオの群れに遭遇し、そしてついに投げエサに食いつく群れが出現。船の真横でボイルを起こすカツオに向かって、ワッと釣り人も仕掛けを投入。
釣友2人にあっという間にヒット!やばいやばいと焦りを感じたところでベールフリーのリールから糸がバラバラと勢いよく放出し待望のヒット。カツオの群れなので少し走らせて、ベールを返すと同時にアワセを入れる。上手くハリ掛かりしたようでサオが絞り込まれる。
レンタルタックルということでどこか慎重になってしまい、ドラグをやや甘めにしていたのはあるが、それを差し引いてもドラグから遠慮なく糸を引き摺り出し船の下に向けて突っ走るカツオ。
たまらず海中にサオ先を突っ込み船底と擦れるのを防ごうとするも、ゴリゴリと嫌な感触が伝わる。まずいなぁと思いながらスプールを手で押さえて強引に魚を止めると、魚が進路を下に変えたようで安心して反撃開始。
良型カツオぶっこ抜き
あとはひたすら魚を寄せるだけだが、オマツリしないように多少強引でも手早く巻き込まないといけない。これはコマセ釣りでも同じだろう。
横方向に走るカツオをいなしながら魚影が見えるのを今か今かと我慢できず海面を覗き込む。船釣りで私が1番好きな瞬間だ。ギラギラと輝く魚影が見え、手元で暴れさせないために空気を吸わせ、ハリ掛かりしてる場所を確認し勝利を確信しながら一気にぶっこ抜き。
サイズもなかなかだが、体高も充分なグッドコンディションのカツオだ!すでにお昼も回ってしまったチャンスの少ない日に獲れた貴重な1匹だ!
釣友にはキメジ
釣友は1人がバラしてしまったが、1人がキメジを釣り上げた。何人かの釣り人が魚の引きを楽しんでいる間に1度離れた群れが再び寄ってきたようで、海面を見ると弾丸のようにカツオが水面直下を走っている。

写真撮影もそこそこに、再び仕掛けを投入するとすぐにヒット。入れ食いだ。先ほどのカツオと比べると小型だが、少しやり取りしたところでバレてしまった。おそらくアワセのタイミングが早く、ハリの掛かり所が良くなかったようだ。
その後もナブラ探しが続くが、釣れ盛るような場面はなく1人か2人だけ釣れたのが一瞬あったのみで帰港となってしまった。
最終釣果
当日はどこの船もなかなか魚を見つけられなかったようで、僚船は船中0、私たちが乗った船も0~2という釣果だった。
貴重なチャンスをいかに釣果に繋げるかという日に、1匹バラすという痛恨のミスをしてしまったが、グッドコンディションのカツオを仕留められて良かったといえるだろう。釣友はキメジが1匹と釣果なしという結果だった。
病みつきになるライブベイト
カツオに関して言えば、釣り物でしっかり氷締めしたものは釣ったその日は臭みがなく絶品だ。売り物とは比べ物にならない食味は、是非とも堪能して欲しいところ。青魚の臭みが苦手な人も食べられるといっても過言ではない。足の早いカツオをその日に食べられるのは釣り人の特権だろう。

またライブベイトの仕掛けはとてもシンプルだ。それゆえに魚の引きは非常にダイレクトで釣りごたえも抜群。他の釣りにはない独特な雰囲気、釣り方は多くの釣り人を魅了できるはずだ。

船は対象となるキハダ、カツオの状況以外にもエサのイワシの入荷にも出船が左右されるため、行けるタイミングで躊躇わずに行くのが良いだろう。
<永井航/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について:一俊丸
The post 初挑戦の『ライブベイト』船でカツオ&キメジ レンタルタックルで手中 first appeared on TSURINEWS.