釣り人に滅多にキープされることのないエソ。国連の機関が昆虫食を推奨していますが、エソなどのキープしない外道食も地球の食料危機を救うかもしれません。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎ゆきお)
エソは「外道の王様」
エソは多くの釣り人から愛されない「外道の王様」である。釣れても滅多に釣り人にキープされることはない。実は、筆者もこれまで一度もキープしたことはない。細身で身が少ないのにやたらと骨が多く、煮ても焼いても食べづらい。かまぼこには好適というものの家庭でトライするにはハードルが高い。結局いつも即リリースしてきた。

当サイトで何度かエソの食べ方が紹介されていることもあり、今回たまたま0.6kg位の良型のエソが釣れたため、ものは試しとキープしてみたので、かまぼこほどは手間のかからないすり身揚げにしてみたい。以前白身魚でご紹介したレシピとほぼ同じだが、さて出来栄えやいかに。
釣り場での下処理
良型のエソが釣れたら決して動揺せず、さも当然のような顔をしてリリースせずにキープします。軽くガッツポーズなどして喜んでみてもよい。これで、周囲の「え?エソ、リリースしないの?キープするの?」という視線を軽くいなしましょう。(笑)

次にエソが元気なうちにナイフと海水で血抜きをします。エソは歯が鋭いのでくれぐれも噛まれて怪我をしないように十分注意しましょう。血抜きしたエソはクーラーボックスにたっぷりの氷に海水をひたひたに注いだ海水氷などでなるべく鮮度のいい状態で持ち帰りましょう。
海水を入れずに氷だけの場合もなるべく大量の氷で魚を覆い低温のまま持ち帰りましょう。クーラーボックスに2Lのペットボトル氷1本だけとかブロックアイス1本だけとかでは保冷力が弱くおすすめできません。
自宅での下処理
エソのウロコを落とし、アタマを落とし、内臓を取り、きれいに血合いを水洗いしたのち3枚に下ろします。身にたくさんついている骨は骨抜きでできるだけ抜き取ります。3枚に下した身はもう一度さっと水洗いしキッチンペーパーなどで水分を吸わせなるべく水っぽさをなくします。

今回初めてエソを捌いてみましたが、ホントにウワサ通りこまかい骨が多かったです。身が痩せているのに細長い骨が二列に並んでアタマから尻尾近くまでたくさんあるのでまさに骨だらけの印象です。
煮ても焼いても骨が気になり食べづらそうです。今回はフードプロセッサですり身にしますのである程度骨が残っても粉砕される可能性もありますが、残った骨が食感を損ねたり、喉にささる不安もあると思い、なるべく取り除きました。
エソの身質は柔らかすぎるくらいやわらかくボソボソで崩れやすいため、小骨を抜くときに骨に身がだいぶくっ付いてきてしまうくらいでした。すり身にする前から既にすり身のような身質でした。
エソのすり身揚げの材料
材料は以下の通りです。
材料(3-4人分)
・エソの身:300g(約600gのエソから300gの身が取れました)
・木綿豆腐:100-150g(なくてもいいかも)
・玉子:1個
・ねぎ:約5cm
・しょうが:1かけ
・にんじん:約5cm
・玉ねぎ::1/4個
調味料
・塩:小さじ1
・しょう油:大さじ1
・砂糖:大さじ2
・ごま油:大さじ1
・みりん:大さじ1
・料理酒:大さじ1
エソのすり身揚げの調理手順
エソの身の皮を引いてぶつ切りにしザル付バットなどに並べ両面に塩を強めに振り20分以上常温に置き浸み出て来た水分をキッチンペーパーや清潔な布巾で拭き取る。
Point:水分が多いと成形しづらくなるのでなるべく水分を少なくします。
木綿豆腐はザルやキッチンペーパーなどで水分をなるべく吸い取る。
Point:豆腐を入れるとやわらかい食感に仕上がります。

粘り気が出てきたら、ボウルに移してみじん切りにしたネギとタマネギとニンジンとすりおろしたショウガをよく混ぜる。
Point:生食NGの材料は一切入ってませんので、この時点で一度味見をして調味料で味を調整します。

揚げ油を160度に熱し、すり身を食べやすい大きさにして投入する。2-3分間揚げたら、すり身の上下を返してさらに2-3分間揚げこんがりと褐色になったら出来上がりです。
Point:すり身揚げの形状は球状でも四角でも小判型でも好きな形でOKです。

今回はセルクルを使ってさつま揚げ風の小判型にしてみました。セルクルは料理やお菓子作り用の円形の筒型で百均でも入手できます。

セルクルで成型する場合はなるべく表面抵抗の少ない滑らかなまな板の上に成型します。あらかじめまな板に食用油を塗っておくと作業がしやすくなります。
エソのすり身揚げ実食
さて実食。エソのすり身揚げのお味やいかに。
うん。驚くほどではないが美味い。というかクセがない。生臭さがなく、いい意味で魚肉を感じない。食感はフワフワである。正体を知らずにこのすり身揚げを食べて、材料がエソだと言い当てる人はまずいないだろうと思う。
筆者は普段はヒラマサやマダイなどでも同じレシピのすり身揚げを作っているが、控えめに言っても、エソのすり身揚げは、ヒラマサやマダイにまったく遜色ないと思います。
今回は材料に豆腐を入れたため、フワフワ食感になった反面、かまぼこのような弾力はあまりなかったので、豆腐を入れずに料理すれば弾力感の強い食感になるかもしれません。いずれにしても今後良型のエソはリリースせずに積極キープですね。
これからは釣果がエソだけだとしても、ボウズとは言わせません。(笑)
<宮崎ゆきお/TSURINEWSライター>
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