京都府宮津から出船する遊漁船情報にて、今年は潮が合えば「幻の魚アラ!」が好釣果との情報をキャッチ。早速にタックルを準備し釣行してきたので、その模様をリポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター山本良次)
幻の魚「アラ」
アラの旬は秋から冬で、見た目は「スズキ目ハタ科」である通りにスズキとクエを足した感じの風貌です。生息域は水深70~80mから約400mに潜んでおり、群れで生活しない習性と絶対数自体が少なくなかなか市場には出回らないことから、「幻の魚」と呼ばれているようです。また海の底深くの泥地や岩礁帯付近に単独で定着していて、簡単にはお目にかかれない希少な魚とされています。
ただ私の経験上では30cmほどの幼い個体が釣れる時には、ダブルで上がってくることも多くあるので、幼い個体は群れて行動している可能性もありますね。

エサの確保に四苦八苦
この時期のアラ釣りは冷凍のイカを使います。またイカの中でも「ヒイカ」と呼ばれるケンサキイカの小さな物を使います。今回は少しでもいい新鮮な「ヒイカ」をと、釣行日の一週間前にはスーパーや魚屋さんを下見しました。すると想像通りにどこの店にも10匹/298円程度で沢山販売されていたので安心していました。
しかし釣行前日に同じ店に購入しに行ってみると……天候の悪化で不漁だったのかどこにも全く売っていません。焦って何軒も回ってなんとか最後の魚屋さんで少し小ぶりですが数パック発見しました!コレでなんとかなりそうです。当日には船長がウルメイワシの冷凍を準備していてくれましたが、やはりヒイカが一番です。新鮮な冷蔵品をと欲をかいて前日まで我慢せずに、早めに購入し冷凍しておくべきでした。

潮流は沖に出ないと解らない
当日は中潮で天気は晴天、風も波も適度の最高の状態でした。しかし日本海は潮流の変化が激しく潮の流れや速さは実際に沖に出てみないと解らないため、また水深も150~220mほどの中深海の釣りですので、釣りになるのか?(オマツリ騒ぎにならないか)がとても心配でした。そのために使用するオモリも基本は80~100号ですが、120号も準備して挑みました。
新幸丸を利用
お世話になったのは京都府宮津市の伊根湾のすぐ近くの養老港から出船する新幸丸です。船長が常に船を清掃して綺麗にしているので、いつお邪魔しても船内には清潔感があります。また釣行中も船長が適度に声掛けして、色々と情報を教えてくれます。それに適度にほっといてくれますので私は凄く好きな遊漁船です。船体も長さ24mで横幅も5m、遊漁船としては大型ですので、少々の波のうねりがあっても船酔いしません。

当日のポイント
今回のポイントは港から出船してから1時間ほど沖に走らせた経ヶ岬沖の浦島という地元では有名なフィッシングポイントです。気にしていた潮流も穏やかで100号でもラインが潮の動きで少し斜めになる程度のいい潮流環境でした。水深は私の電動リールの計測値では、浅い所で199mから一番深い所では214mのポイントでした。
当日のアラ釣り仕掛け
アラは少し岩礁も点在する泥地帯のベタ底付近に生息することから、胴つき仕掛けで底から約3m付近を丁寧に狙います。仕掛けは一般的には胴つきの3~4本バリ(市販のムツバリ18号仕掛け)を使用します。ハリスは10号くらいがベストです。ただ3本目のハリより上のハリのエサに食いついた魚は、未だかつて1匹も居ません。ただ遠くからでもターゲットにアピールするための集魚効果的な要素もあるような気がするので、必ずエサを付けて漂わせてはいます。
基本的には一番下バリで釣れることがほとんどですので、エサ(ヒイカ)の状態が一番いい物を一番下バリに付けます。またゲストでは同じ環境下で生息するソウハチカレイやタヌキメバルの大きな物も掛かりますので、一番下バリには孫バリを付けておくこともお勧めします。

船中ヒットも筆者にアタリなし
当日は船首側(ミヨシ側)に陣取りましたが、朝一はいい潮の流れは船尾側(トモ側)に行き、トモに陣取っている方々に連続してアタリが出始めました。それも上がってくる個体は60~70cmの大型ばかりで、幻と言われるにしては連続して簡単に3~4匹は上がりました。
そうなると私の焦りはマックスになりましたが……時間だけが過ぎて行きます。2時間程は経過したくらいに私の陣取るミヨシ側にもアタリが出始めました。隣の方が先に40cmクラスを上げました。
筆者にも2kg級アラ登場
私も期待を込めてベタ底を丁寧に探ると、ついに私のサオにもアタリが!焦らずにサオが引き込まれるまで待ってからしっかりとアワセを入れました。フッキング成功です!ここからは慎重に水深200mをバレないようにゆっくりと巻き上げます。
しかし残念、40cmオーバーのソウハチカレイが上がってきました。これはこれでおいしい魚のですが……やはり残念!なにせ今日の本命は「幻の魚アラ」です。しかしいい潮がきているので、まだ諦めずにスグに大きめのヒイカを下バリに付け直して仕掛けを投げ入れます。
その10分後くらいだったでしょうか……、一気にサオが入り込むアタリがやってきました。一呼吸おいて一気にサオをシャクリ上げてアワセを入れると、マダイの三段引きのような下にたたくような大きなアタリが!スグに電動で一気に巻き上げて、魚が岩礁帯へ潜り込むのを防ぎます。5mほど巻き上げさえすれば、あとは電動スピードを緩めてバレないように慎重に巻き上げ、とうとう本命のアラの海面浮上です!
ホッとしたと言うか……嬉しさのあまりにタモの準備ができておらず、隣人にお願いし慎重にタモ入れしてもらい、ついに「幻の魚アラ」をゲットです!大きさは約60cm弱(約2kg)の中型ですが、嬉しさのあまりに次の仕掛け投入を忘れて生態観察と写真撮影に集中してしまいました。

最終釣果
しかしその後には落ち着いて釣果を重ねて、結果は「アラ」の30cm~60cmを3本とゲストでは30~40cmのソウハチカレイを2匹とタヌキメバルにオキメバルでした。今回の釣行は私としては納得の釣果となりました。また船中(7人)ではアラは17匹と年間通しても滅多にないような大爆釣でした。因みにサオ頭はアラを8匹も釣ってました。

反省点と今後の展望
今後に向けての反省点ですが、少し大きめ(胴長10cm)のヒイカの確保と、一番下バリのチューンナップですね。ハリスが短いと冷凍イカですので動きがぎこちなくなるので、少し長めがいいかもしれません。また一番下バリには確実にフッキングさせるために孫バリを付けることをお勧めします。
この他に重要なことといえば、日本海では波のうねりが常に発生するので必ずサオは手で持ちで、底取りを正確に行うことも釣果アップには大切だと思いました。アラは冬の間は深場へ移動するために釣ることはできません。釣れる季節は春先から晩秋にかけてです。この期間は浅場(70~200m)に移動してくることから、少し先の寒くなるシーズンまではまだまだ釣れそうですね。
<山本良次/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について新幸丸
出船場所:養老漁港
The post 日本海で幻の魚『アラ』釣り堪能 船中トップは8尾と今期の好調を実感 first appeared on TSURINEWS.