夏の相模湾の風物詩、コマセ釣りで狙うキハダマグロ。ここ数年は秋口からモンスタークラスのキハダが現れているが、今年もついに姿を見せ始めたので早速狙いに行ってみた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター古谷健太)

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準備編

まずは準備編として、当日のタックルと自作仕掛けを紹介する。

当日のタックル

サオ:マッドバイパースティング185
リール:ビーストマスター9000
ミチイト:PEライン10号 600m
ハリス:プレミアム万鮪26号 8m
ハリ:ジャイアンとキハダ 15号

コマセマグロ釣りで52.8kg『瀬の海モンスター』 未体験の激闘を制す
当日のタックル(提供:TSURINEWSライター古谷健太)

当日の自作仕掛け

仕掛けは自作したものを使用した。ハリとハリスの結束は坂本結びを採用し、ケイムラパイプでチモトの補強をしている。ミチイトには2mの太めのナイロンリーダーをPRノットで結束し、遊動天秤を通じてハリスと接続している。

モンスタークラスのキハダマグロはセッティングの弱いところがあると、そこから切られたり壊されたりするので、念入りにチェックしておこう。

コマセマグロ釣りで52.8kg『瀬の海モンスター』 未体験の激闘を制す
接続部は全て補強(提供:TSURINEWSライター古谷健太)

一俊丸からコマセキハダマグロ

9月28日(火)、茅ヶ崎漁港の一俊丸さんにお世話になった。台風が週末に接近するタイミングですでに強めの風が吹いていた。波も高いとまでは言わないが、周期の長めの波が立っていた。

ちなみに、釣り座は抽選で選ぶことになるが、くじ運の悪い私は一番最後に席を選ぶこととなり、右舷ど真ん中に釣り座を構えることになった。

マグロのタナでカツオヒット

6時出船でポイントまでは30分ほど、いわゆる「瀬の海」と呼ばれる海域に到着した。すでにいくつかの船が集まっており、群れを追いかけ回すのではなく、流し釣りの体制に入っている。私が乗船した船も同じく流し釣りに入る。

どうやらキハダの反応はかなり出ているようであった。

コマセマグロ釣りで52.8kg『瀬の海モンスター』 未体験の激闘を制す
流し釣りの船団(提供:TSURINEWSライター古谷健太)

しかし、キハダのタナでもカツオが掛かってきてしまい、船中はオマツリが多発してしまった。キハダのヒットはなかなか遠かった。

置き竿にキハダヒット!

しばらくそんな状況が続いていたら、置きザオにしていた私のサオ先がいきなり海面に突き刺さった。キハダのヒットである。早速ファーストランを開始するキハダ、置きザオにしていたためアワセも入れられていなかったが、とりあえず止まるのを待つ。

しかし、このヒットでは他の方とオマツリしてしまい、160mのファーストランが終わった際にハリが外れてしまったようで、すでにキハダはどこかに行ってしまっていた。

まさかの2発目のヒット到来

キハダマグロはワンチャンスの釣りである。1回アタリがあればありがたいくらいの釣りなので、最初のチャンスを逃した時点でこの日の負けは覚悟していた。

それからまたアタリのない時間が長く続いたが、ちょうど正午くらいの時間帯に、船長から「激熱の反応」とのアナウンスがある。俄然やる気モードになる船中、私もちょうどコマセをまき終わっていたタイミングだったので、シャクリ上げていたサオをできるだけゆっくりと誘い下げるイメージでタナに戻していった。

すると、ちょうどタナにサオが戻ったくらいのタイミングでサオに強烈な違和感があり、そのまま海中に持っていかれそうになった。キハダのアタリだ、と頭が理解するよりも早く3、4回の鬼アワセを入れ口元へのハリ掛かりを狙う。

無事にアワセは決まったようで、キハダのファーストランが始まり、リールのカウンターは一気に200mまで達した。

ファーストランでオマツリ発生

ここからやり取りスタートであるが、今回もどうやらオマツリしているようで、しかも外れないという言葉が耳に入った。

つまりマグロを弱らせるリングもサメ除けも投入出来ないということだ。

サオを持つ手に伝わる重量感からこの時にすでに「これは自分には上げらないかもしれない」と弱気になっていた。

ファーストランを凌いだあと、ドラグを締めて巻き上げようとするが、いくら締めてもマグロ自体の自重でイトが出て行ってしまい、サオでリフトすることができない状況であった。そうこうしているとマグロも抵抗し、また走ろうとするためドラグを緩めざるを得ず、一進一退の攻防が続く。

イトを手で手繰る作戦へ

私はサオでのやり取りを諦め、サオをキーパーに固定し、電動リールの巻き上げは入れっぱなしにして、イトを手で手繰る作戦に出た。これでなんとか100mを切るところまで巻き上げることができたが、その後再びマグロの疾走が始まった。

気になるサメの存在

船長曰く「サメが3匹待ち伏せしている。マグロがサメを見たのだろう。」とのこと。サメ被害を無くすことを考えるとマグロには逃げ切って欲しいところだが、リールのカウンターは230mに達し、振り出しに戻るどころか最初の時よりひどい状況になってしまった。

なりふり構わぬファイト

再び、お世辞にもきれいなファイトではないが、サオをキーパーに固定して手で手繰る方法を取る。巻き上げ自体は早くないし、マグロが抵抗した際には手で止めるような形になるため、時間も体力もかかるが少しずつマグロとの距離を詰めていく。

ただ、サメが待ち構えているという船長の言葉がずっと頭にあり、「頑張ってもサメにかじられるのか」と悲しい気持ちでもあった。段々とマグロの抵抗も収まり、残り80mを切った辺りからは割とすんなり上がってきてくれた。

52.8kgマグロ浮上

海面に見せたその姿は、今まで自分の目で生で見たどのキハダマグロよりも大きかった。そして、運よくサメにひと齧りもされずに、無傷で上がってきた。2本のギャフがマグロに刺さり、船になんとか取り込まれ、勝負あり。

コマセマグロ釣りで52.8kg『瀬の海モンスター』 未体験の激闘を制す
キャッチしたキハダと(提供:TSURINEWSライター古谷健太)

長い勝負になってしまい、同乗した皆様には大変なご迷惑をかけてしまったが、温かい声をかけて頂けてありがたかった。

私も思わず同乗の皆様に「ありがとうございました」と大声で叫んでいた。上がってきたマグロは52.8kgの相模湾におけるモンスターと呼んで差し支えないサイズであった。

コマセマグロ釣りで52.8kg『瀬の海モンスター』 未体験の激闘を制す
検量の結果は52.8kg(提供:TSURINEWSライター古谷健太)

総括と反省

無事、「瀬の海モンスター」と呼ばれるサイズのキハダを釣り上げることに成功した。船長や同乗の皆様には大変なご迷惑をおかけしてしまったが、温かく見守って頂き、的確なアドバイスも頂けてありがたかった。

ただ、長時間のファイトとなってしまったことや、結局ほとんどサオでのやり取りもできず、自分としては実に反省の多い釣りとなった。今度再びモンスターと戦う日が来た時には今回の経験をしっかり生かして臨みたいと思う。

<古谷健太/TSURINEWSライター>

▼この釣り船について
一俊丸
出船場所:茅ヶ崎漁港

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