ほどけてしまったヘラ竿の「握り糸」を修繕したので、今回はその模様をお届けします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター青沼伸晃)
へら竿の「握り糸」を巻き直す
子供の頃に父親から買ってもらったへら竿があります。ヘラブナの体長が30cm以上あれば「大物」と言われていた頃に売られていたグラスロッドなので柔らかく、20cm前後のマブナとのやり取りでも楽しいです。

私は大人なので、通りすがりの子供から「変な竿」とか、大きな亀が掛かり四苦八苦している時に対岸のへら師から「あいつ、何を釣りにきたんだ」と言われても穏やかな心で聞き流しますが、手を滑らせて大物を逃すような事があっては残念なので、握り糸を巻き直します。
必要な材料

握り糸
釣具屋さんで売っています。以前に使った残りがあったので使います。補修が必要な竿が2本あったので、1本はホームセンターで買った麻紐を使ってみました。
紙
糸を巻く下地になります。今回は新聞紙を使いました。柔らかくて丈夫なものであれば良いと思います。
木工ボンド
下地の紙を貼ります。形が気に入らない時などは、水に付けておくとはがれてくれます。普通に工作で使う糊やマスキングテープでも良いです。
木工用のシーラー塗料
軽く水をはじく程度に防水をして、型崩れを防ぎます。
その他
ハサミ:紙や糸を切ります。
ナイフ&紙やすり100番:下地の成形用です。
針金:握り糸の末端処理に使います。
刷毛・タオル: 防水と糸の固定のため、塗料を塗ります。
手順1:洗う
竿尻の栓を外し、持ち手の汚れを落とします。今回はグラスロッドなので気を使わないで、お湯でじゃぶじゃぶ洗らいます。
手順2:下地作り

台形に切った紙を、巻いて木工ボンド等で貼り付けます。

隙間が出来ないようにしっかりと密着させます。下地が歪んでいると仕上がりも歪むので丁寧に巻きます。

乾燥後、ナイフや紙やすりで好みの形に整えたら(手抜きをして省いたら仕上がりが歪みました)下地は完成です。
手順3:糸巻き

持ち手の半分くらいの所から巻き始めまで糸を竿に添わせて置き、その上から隙間が出来ないようにしっかりと巻いていきます。

半分位巻き終わったら針金をUの字に折ったものを添わせ、その上に糸を巻いていきます。

竿尻迄来たら釣り糸のUの字の所へ握り糸を通し、巻いた糸の下をくぐらせ、強く引き締めてから余った糸を切ります。
手順4:防水

木工用のシーラーとクリアを刷毛で塗り、しみこませて軽く防水します。乾燥したら固く絞ったタオルでこすり、表面の塗装を落とします。
2液性ウレタン等の空気に触れなくても固まる塗料であれば、下地の中までしっかりと固められますが、家が狭く隣の部屋で家族が寝ているので、匂いや刺激の少ない水性塗料を使いました。
完成

写真の右の竿は、元々巻いてあった握り糸のままです。左と真ん中が今回補修した竿で、いささか残念な仕上がりとなりました。水に一晩漬けておけば簡単にほどけるので、下地を丁寧に作り直し、糸を細いものに変えようと思います。
握りの材質は色々とありますが、和風の竿には糸が似合うと思います。1本の竿を2通りの長さに使うための袴も作れます。

作業自体は紙と糸を巻くだけで簡単ですから、放っておかずに直しておけば、釣り場で恥ずかしい思いをせずに済んだかもしれません。
自宅生活をちょっと楽しく:ヘラウキを自作 道具紹介&ボディ作成編 - TSURINEWS
<青沼伸晃/TSURINEWSライター>
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