2~3mの浅場から1000mを超える深海、10cm前後の小物から100kgを超える大物まで。様々なポイントで多岐にわたる魚種を狙うことができる船釣り。

そんな船釣りの「注意すべきコト」について整理してみます。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

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船釣りの魅力

海ならどこでも魚が釣れるわけではありません。魚はいい根周りの上に居着いついています。そんなポイントの真上に、その道のプロにエスコートしてもらえるのが船釣りの最大の魅力。

ターゲットは近所のスーパーなどで見かけるものから、百貨店にてウン十万で売られているような高級魚、お店ではまずお目にかかれないような激レアな魚と様々。もちろん陸からでも魅力的な魚は狙えますが、同じ魚種を船で釣るとしたら、より良型、そして数釣りが見込めます。

船釣りデビュー時に注意すべき10のコト 陸っぱり経験者は見落としがち?
高級魚の代表格・キンメも数釣りが可能(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

多くの釣り船宿では竿やリールといった道具のレンタル品が充実し、仕掛けの販売、エサや氷も乗船料に組み込まれていることがほとんど。クーラーボックス1つでOKの船宿も多くあります。

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お昼ご飯付きの船宿も(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

もちろん予約すれば釣り座は確保され、予定が立てやすい点も安心材料。せっかく釣りにきたのに場所がない、なんてことはありません。以上のことから、船釣りは意外と受け身でOK。陸っぱりよりも実は初心者向けだったりします。

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フグも船宿にて下処理してくれます(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

注意すべき10のコト

陸っぱりでの釣りと比べてしまうと、正に至れり尽くせりの船釣りなのですが、注意すべきコトも多々。簡単にまとめてみます。

1、現金払い

当たり前ですが、釣り船に乗るには乗船料がかかります。そしてその支払い方法は、ほぼ100%現金払い。ごく一部の釣り船でカード決済が可能と聞いたことはありますが、私はかれこれ20年近く、70を超える船宿にお世話になってきましたが、カード決済は未だ経験がなく、これから先も出逢う雰囲気が全くありません。釣り船に乗る際は必ず現金を用意しましょう。

2、船酔いのリスク

これが理由で船釣りを敬遠している釣り人は多いはず。以前、船酔いを理由に磯釣りにのめりこんだ方は、沖磯へ渡してもらうたった10分程度の乗船も苦痛とのことでした。船での一時は、気持ちのいい非日常を味わうことができる反面、こういったリスクとも隣り合わせです。

3、乗合船と仕立て船

大半の釣り船は乗合船と呼ばれる、その名の通り乗合で楽しむ釣り船。もちろん一人でも乗船OKですし、さほど予約が埋まっていなければ大勢で乗っても構いません。

対して仕立て船と呼ばれる、釣り船一隻貸し切りタイプも存在します。普段乗合で出してくれる釣り船も、スケジュールによっては仕立ての日もあったり、そもそも仕立て専門の釣り船も存在したりします。

ベテランの幹事さんがいれば話は別なのですが、初心者がいきなり仕立てる、はちょっと敷居が高いかもしれないので、初めのうちはまず乗合船に乗ってみることをおすすめします。

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乗合船と仕立て船(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

4、必ず釣れるとは限らない

釣りは自然相手のレジャー。その道のプロが魚探を使ってポイントまで案内してくれても、釣れないことももちろんあります。操舵室から船長のぼやきや、海上無線で他の船長のぼやきが聞こえてきたら要注意。

5、自前で揃えると道具が高額

陸っぱりの釣りも、突き詰めていけばそれこそ道具に掛けるお金は無限にかかってしまいますが、船釣りはその遥か先を行きます。

代表的な例は電動リール。特にキンメやメヌケ、アブラボウズといった深海の高級魚を狙うタックルに関しては、リールだけで20万以上、タックルを全て揃えるとなると、余裕で30万以上かかってしまうほど。乗船料金もそれに合わせて高額となり、その船の駐車場にはドイツ製の高級車がズラリと並んでいたりします。

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全部合わせれば新車1台買えますね(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

6、遅刻やドタキャンは厳禁

仕立て船は別として、乗合船は基本的に船宿で決めた釣り物を狙い、船宿で決めた時刻に出船します。一人でも気軽に乗れる半面、大勢の釣り人が利用するので遅刻は厳禁。

また、大勢の釣り人でその船の油代などの航行費用をシェアしているので、直前のキャンセルにて、その補充ができないと船宿にとって死活問題となってしまいます。やむを得ない事情の場合は、判明した時点ですぐに船宿にキャンセルの連絡を入れることを最低限のマナーと心がけてください。

7、自由に帰れない

釣り船の出船時刻と納竿時刻は決まっています。そのため一度船に乗って沖に出てしまえば、個人の希望で早く帰る事はできません。小さな子供を連れていくと、特にこの点が心配の種になったりします。

8、基本縦の釣り

釣り船は基本、水深のある沖のポイントに連れていってもらい釣りをします。というワケで、「仕掛けを投げる」という概念はほとんどありません。シロギスやハゼなどの、ごく一部の浅場での釣り物でも、アンダースローでの「ちょい投げ」程度。リールも太鼓型の両軸リールが主流となります。

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キーパーに固定しての「縦の釣り」が基本(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

9、必ず船のルールが存在する

船長は船の最高責任者。知識と経験を駆使し、常に安全第一を考え操舵しています。釣り船の船長ということで、もちろん釣らせることにも集中していますが、お客さんに快適に釣りを楽しんでもらうために、オマツリ対策にも気を配っています。

オモリの指定やミチイトの指定、ハリ数の指定など、陸っぱりになれていると「細かすぎるのでは」って思いがちですが、必ず守るようにしましょう。

10、下処理と料理の技術?

釣れすぎてしまってクーラー満タン、なんてことはよくある話。そして、あまり釣れなかった時でも、船長や仲乗りさんが仕事の合間に釣った魚をもらえちゃったり、常連さんから「少しもっていかないか」なんて有難いお声をかけてもらえることもあります(私も以前、大洗のマダコ船でボウズくらった時、船長が釣ったタコ2杯を頂いてしまいました)。

そんな貴重な魚は余すことなく、そしておいしく消費したいところ。

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私は料理の研究にも力をいれていました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

陸釣りを経験していても、アジやイサキを20も30も、時には3ケタなんて数を釣行当日、遅くとも翌日に全て下処理&料理するとなると、恐らくそれは「未知との遭遇」ではないでしょうか。多くの数を捌くとなると、おいしく作る以上に「早く」とか「効率よく」といった技術も必要となってきます。

とりあえず、たくさん釣れちゃった時は覚悟を決めましょう。

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釣り人としてお刺し身は外せないですね~(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

船釣り入門オススメターゲット

最後に船釣り入門にオススメのターゲットを紹介します。

アジ(LT半日船)

陸っぱり経験者にかかわらず、船釣り入門のオススメターゲットは何といってもアジ。特にライトタックル半日船がベストと言えるでしょう。乗船料金が安く、ポイントまで近く、湾内ということで比較的揺れも少ないということで、船酔いにも優しいです。

また、東京湾のLTアジは刺し身可能サイズの数釣りが見込め、下処理の練習台にもぴったり!

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東京湾は30cm級が狙えます(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

テンヤタチウオ

ルアーマン(ウーマン)が船釣りをやってみたいと思うなら、テンヤタチウオが狙い目かもしれません。近年道具の進化が最も進んでいる釣り物の一つで、ゲーム性が高い点が最大の魅力。

そしてこのタチウオ、アジやイサキに相反して「超」が付くほど下処理と料理が簡単な魚。まず第一にウロコがありません。そして第二に気になるような小骨もほぼありません。「普段キャッチ&リリースがメインで、魚なんて捌いたことない」なんていう方でも、安心して持ち帰る事ができるターゲットです。

船釣りデビュー時に注意すべき10のコト 陸っぱり経験者は見落としがち?
タチウオは塩焼きがおすすめ!(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

タチウオはお刺し身ももちろん美味しいのですが、塩焼きも同じ位おすすめ。大きければ大きいほど、肉厚があって脂の乗りもいいです。写真はぶつ切りにして、内臓取って、塩をまぶして焼いただけ。1匹にかかる下処理時間は1分程度。あとはグリルが勝手に調理してくれます。


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<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

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