寒グレシーズンに入り、各地の磯がにぎわっている。今シーズン、私が使う仕掛け、釣り方、狙うポイントなどを説明したいと思う。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 清水督也)
寒グレ最盛期へ突入
近年水温の上昇で恩恵を受けたこともあれば、逆に厳しい状況になってしまった釣り人も多くいるだろう。恩恵を受けたことは、水温の上昇でグレが釣れるポイントが釣りやすいポイントで、良型が釣れる傾向にあるような気がする。

厳しい状況ではエサ取りが多く、ウスバハギやヒブダイなど、今までは南国の魚のイメージの魚が釣れてしまうようになったこと。特にウスバハギはオモリや潮受けをかじり、ウキを多くロストさせられた。しかし個人的には三重県の秋磯の釣果が良く、今年の寒グレは期待しているところだ。
ウキの浮力調整が最重要
まず仕掛けの説明をしよう。私が一番磯釣りで重要だと思うところは、ウキに対しての浮力調整だ。意外に思われるかもしれないが、オモリの微調整は絶対に欠かせない。ウキを浮かせて釣るにしても、沈めて探る釣りをするにしても、余浮力は極力ない方がいい。

釣りをしているときも常にウキの入るスピードは注意している。特に大型グレの場合、警戒心が高く不自然なさしエサには食いつきにくい。逆に小型が釣れてしまい、チャンスを逃してしまう。
抜群にいい潮が来たときには、ウキが勝手にさしエサを先行させながら沈んでいく。こんないい潮が来ても、釣れないときがある。
サオを持ち上げて、ある程度は沈むスピードを調整できるが、それよりも浮力調整用オモリを軽いものに変更して対応した方が結果につながる。すぐに取り外しができて、ハリスに傷がつかないゴム張り式のガン玉は絶対に必要だ。
3種類をローテーション
ウキの浮力選択は、釣り場の様子やその日の状況を見て決めたいところだ。ウキの浮力もたくさんあるが、私は大まかに釣研の01、2B、1号の3種類をドングリタイプと、下膨れの逆円すいタイプを各1個ポケットに用意してある。
寒グレには限らずに一年を通して、その3種類で対応している。選び方は単純だ。ナギなら01、荒れていたら2B、激荒れなら1号。さらにグレのタナが浅ければ01、中層から底なら2B、底なら1号。無風ならドングリタイプを使い、風が強ければ逆円すいタイプを使用する。例外もあるが大体そんな感じだ。

一番大事なのは、状況が変わったらウキを替えるということだ。風が強いのに投げにくいウキを使っていては、釣りのストレスになる。
よく耳にする話だが、オモリを打つとグレが違和感で食わないと言うが、無理して仕掛けを入れていく方がよっぽど違和感を与えてしまう。状況判断して、ストレスがないように選んでいきたい。寒グレシーズンなので大型を狙うなら、やはり深いタナを中心に釣るので、私は2Bの出番が多い。
ハリは5号をメインに
次はハリだ。号数選択だが、私は口太狙いなので基本的に5号をメインに使う。5号で釣れているなら変更はしないが、問題はさしエサが取られてアタリが出ないときだ。そんなときは、まずハリのカラーが取れていないかチェックする。

カラーが取れている場合はフグ系のエサ取りが多いので、気にしないでそのままの号数で継続している。カラーが取れていない場合は本命のグレの可能性があるので、すぐに1ランク下げる。
もしくは軽量タイプのハリに替える。魚を掛けるには、ハリの号数を下げるのが一番手っ取り早い。号数を下げて釣れた魚が、ネンブツダイなどのハリに傷をつけないエサ取りだったら、また5号に戻すのを忘れずに。
操作性の良いサオを用意
やり取りをするうえで大事なのが、やはりサオだ。「悪条件でも一日ストレスなく持っていられる」、「狙ったポイントに確実に仕掛けを投入でき操作に優れている」、「魚を暴れさせず良型グレも難なく取り込める」が条件。
結論からいうと、グレ競技スペシャル4があれば間違いない。特にお気に入りは1.25号の5m。このサオを使いだしてからは、今まで獲れなかった良型グレが獲れるようになった。

根の向こうで掛けたグレも暴れることなく取り込めたときは、本当にサオのポテンシャルを感じた。魚を掛けて根に当たったときの対処法は、そのままをキープしておくことが一番有効だ。無理に引っ張ったりイトを出したりすると、そこでラインが根に擦れる。
根にラインが当たるだけなら切れないが、擦れると簡単に切れてしまう。だから根に当たったと感じたらそのままをキープして、少しでも魚が離れたときにじっくりとリールを巻くようにしたい。そうすれば比較的細いハリスでも、良型グレを釣ることができる。
さしエサを先行させる
釣り方だが、簡単に説明しよう。寒グレシーズンの良型を狙うときに一番注意したいところは、さしエサを確実に先行させるということだ。簡単に思えるかもしれないが、実はかなり難しい。
いい潮が着いたときには簡単だが、潮が緩いときやタナが深いときなどは細心の注意が必要だ。仕掛けがナジんだと感じても、もう一度仕掛けを引っ張り直してさしエサが潮に引っ張られるように操作することが肝心だ。そうすることで確実にウキにアタリを出すようにしたい。
コマセは広くまく
寒グレシーズンのコマセの作り方だが、私の場合は広くまきやすいコマセを作るようにしている。固めて遠投仕様にはしない。なぜかというと遠投仕様にした場合、広く切ってまくことが困難になるからだ。ほぐしても非常にまきにくい。

逆に遠投仕様にすることは、磯の上でも配合を追加して練り込めば作れるので、いつも釣り始めは水を多めにしている。おすすめの集魚剤は、グレパワー沖撃ちスペシャルだ。拡散もでき遠投もしやすいので今のお気に入りだ。

良型狙いのポイント
狙うポイントだが冒頭部分でも触れたが、ここ数年釣りやすいポイントで良型グレが釣れる傾向にある。今までは磯際べったりしか食わなかったり、シモリの周辺でしか食わなかったグレが潮のヨレや潮目でも大型が釣れるようになってきた。

まずは釣りやすくエサがたまるようなポイントから攻めてみて、それからグレが居着くようなポイントを狙うように心がけることがおすすめだ。
沖磯はもちろんだが、荒れたときの湾内磯でも水温が安定していて、寒グレシーズンでは良型グレが期待できる。諦めずに挑戦したいところだ。
小型を釣ることが大型への近道
今回の原稿のサブテーマは「40cmオーバーのグレを釣るには」とのことだが、私の中でのグレ釣りは、小型が釣れなければ大型も釣れないという考え方で常に釣りをしている。
まずは一番浅いタナのグレを釣って、そのサイズが大きいのか小さいのか判断して、その日の釣りを組み立てていく。大体浅いタナで釣れる魚は小型が多い。それを確実に釣って判断した上で深いタナを狙ったり、コマセの位置をずらしたり、タイミングを変えたりして釣りを変化させる。
気をつけてもらいたいのは、一級磯などではいきなり浅いタナで40cmオーバーもあり得る話だ。だから寒グレだからといっていきなり深いタナを狙うのではなく、小型でもいいからまず浅いタナでグレを釣ることが、40cmオーバーのグレを釣る近道といえると思う。
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古和浦の磯がおすすめ
最後に今年おすすめするポイントだが、古和浦の磯を紹介しよう。近年古和浦の磯では渡船店の縮小で、磯割の釣り場が増えた。昔のような混み具合もなく、比較的のんびりとサオを出すことができる。
東磯と西磯に分かれていて、寒グレシーズンでは良型グレも多く釣り上げられている。

今シーズンどうなるか分からないが、ぜひとも40cmオーバーのグレを狙って釣行してほしい。
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<週刊つりニュース中部版 清水督也/TSURINEWS編>
▼この釣り場について古和浦
この記事は『週刊つりニュース中部版』2022年1月14日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【2022中部】寒グレ狙いフカセ釣り攻略 キホン~良型の狙い方まで解説 first appeared on TSURINEWS.