季節は真冬。この時期はどんな魚も容易ではないが、春になると動き出す魚種がいる。

ショアのライトソルトターゲットでは、春アジの回遊が見逃せない。産卵のために接岸してくる春アジは、カタにはまるとデカい上に連発する。春アジを釣るための3つの極意を紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)

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冬のショアアジングは厳しい

1月2月くらいでショアの冬アジは反応がなくなる。水温12℃くらいがギリギリだ。これ以下になると、よほど密度の濃い群れの居着きにたまたまあたらない限り冬は釣れない。

事実上1月でアジはストップフィッシングと思ったほうがいいだろう。そのあとは何を釣るか…まあメバルくらい。そうこうしていると4月になってじわじわ海水温が上がり、春アジが回遊してくる。春アジはかなりムラがあるのだが、回遊のポイントになりやすい特性・条件があり、そこを押さえると1ヶ月くらいは産卵前と産卵後のパターンで釣れる。

『アジング』ステップアップ解説 春アジの回遊を見つける3つの極意
アジングで釣りあげたアジ(提供:TSURINEWSライター井上海生)

春アジ発見の3ポイント

4月ごろ、春アジが接岸してくる理由は、産卵だ。産卵のために沿岸に回遊してくる。そして産卵前には平常時よりガツガツと食う。いわゆる産卵前の荒食いといわれるパターンがこれで、卵もちの春アジはデカくてよく引く。

しかし食い気があるからといって、必ずしも狙いやすいわけではない。見つけてしまえば打つだけなのだが、見つけるのがそもそも難しい。

そこで、次に挙げる3つのポイントをおさえて、春アジを見つけたい。

「海水温」

春のアジがショアに寄ってくるかどうかは海水温による。14℃くらいが回遊の期待が持てる水温の目安となる。一般に南の海のほうが温かいので、たとえば大阪湾奥と和歌山南紀を比べると、圧倒的に南紀の方が釣れやすいだろう。しかし、海水温が上がりにくい海でも、春アジの回遊ルートとなる場所は必ずある。

「浅場」

産卵場所について言うと、アジはシャローに卵を産むことが多い。よって、そもそも沿岸一帯というものが春アジの回遊ルートになりやすいのだが、その中でもまた浅くて地形変化のある場所に入りやすい。

堤防の壁というのもひとつのカギで、シーバスなどの外敵がいない場所ならば(外敵がいたとしてもそいつらのスイッチが入っていなければ)、足元に着いたりする。定番の常夜灯下や、浅場の足元をまず釣り、そこから少し範囲を探って広げていくと釣れやすい。

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常夜灯下の壁パターンが多いのも特徴(提供:TSURINEWSライター井上海生)

「居着きがいる場所」

アジが年中着いている場所がある。常夜灯下や、外敵の少ない港のよどみ部分など。小さい豆アジが通して釣れる場所、居着きの群れがじっといる場所は、やはり春アジの回遊ルートとなることが多い。

筆者も年中とは言わないまでも、シーズンを通してアジの気配があるところで、やはり春アジをものにしている。

居着きがいる=アジにとって何か居心地のいい条件が揃っているということで、回遊してくる子持ちのアジも入りやすいのだ。


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藻場とサーフがおすすめ

筆者は大阪南港がメインフィールドのアジングアングラーなので、私の言うことはアーバン春アジの探し方かもしれない。もう少し自然の豊かな海にいくと、春アジの探し方もかわってくる。

よく言われるのは、藻場とサーフだ。この両方が絡み合っているとかなりいい。藻場というのはアジがそもそも入ってきやすく、藻に卵を産むという。サーフは夜目が利く魚がほとんどいない上、多毛類などのベイトが豊富なので、アジにとっては相当居心地よく、安心感高く産卵できる場所のはずだ。

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藻場とサーフが狙い目(提供:TSURINEWSライター井上海生)

春アジは最初が命

ムラのある春アジの回遊だが、海水温を気にしながら気配のある場所にこまめに通っていけば、突然バタバタと釣れるタイミングがあるものだ。しかし春アジの産卵前のパターンは長く続かない。産卵「前」が荒食いの時期で、産卵「後」になるとぱたっと食ってこなくなる。筆者の体感では、その移行期間は約2週間である。産卵前に釣りきってしまおう。


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<井上海生/TSURINEWSライター>

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