冬は釣り物が少なくなり、オフシーズンとなる人もいるだろう。だが冬でも楽しむことができる釣りもある。

その1つがエリアトラウトフィッシング、管理釣り場でのルアー釣りだ。ここではエリアトラウトの基本的な部分と、この季節のオススメの釣り方を解説したい。

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エリアトラウトを始めよう

冬の間は夏場に比べると天候や水温などの面で釣り物が少なくなり、オフシーズンとなる人もいるだろう。だが冬は何も釣れない時期かというとそうではなく、冬でも楽しむことができる釣りもある。その1つがエリアトラウトフィッシング、管理釣り場でのルアー釣りだ。

主にポンド(池)タイプの釣り場が多く、そこにマス類(主にニジマス)を放してあるため、自然の釣り場に比べるとはるかに多い魚が目の前を泳いでいる。

目の前にたくさんいる魚をあの手この手で攻略していくのがエリアトラウトの醍醐味で、うまく釣り方がハマると10匹、20匹の釣果は当たり前の楽しい釣りだ。

【2022年】エリアトラウト入門 タックル・基本・冬の釣り方を解説
親子で楽しむのも最高(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

今回はエリアトラウトの基本的な部分と、この季節のオススメの釣り方を解説したい。

タックル&ギア

基本的なタックルについて紹介しよう。

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タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

ロッド

使用ロッドは6ft前後のエリアトラウト専用ロッド。ロッドの硬さはメーカー各社で表記がさまざまで味付けも違うため、目安として1~3gのルアーが投げられる表記のロッドであればいいだろう。

リール

リールは1000~2000番程度の小型スピニングリール。できればドラグ性能がいいものを選びたい。

ライン

ラインはタックルバランスの中でもかなり重要で、できるだけ細いものを選びたい。というのも、エリアトラウトは軽いルアーを投げることが多いため、細いラインでなければ飛距離を出すことができない。

足元の近距離で釣れる釣り場や大物が多い釣り場はこの限りではないが、20~30cmのトラウトがアベレージサイズの釣り場であれば、ナイロンライン、フロロカーボンラインで上限2.5lbぐらいだ。

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厳寒期でも楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

私の場合はフロロカーボンラインの1.5lb、PEライン0.2号、エステルライン0.3号をメインにしている。この細さのラインでも、適切なドラグ設定とラインの傷チェックさえしっかりしていれば、1日50匹釣ったとしてもラインブレイクはほとんど起こさない。

替えフック

持っていた方がいいもので、意外とみんな持っていないけど非常に重要なものが替えフックだ。エリアトラウト用ルアーのフックは他のジャンルのルアーに比べて、かなり細軸のフックが付いている。繊細なアタリが多いため、この細さゆえの鋭いハリ先がエリアトラウトには必要なのだが、反面耐久性は低いと言わざるを得ない。

体感的に5~10匹ほど釣ると、ハリ先がダメになることが多い。ダメになったフックは全く刺さらず、冗談抜きにフックが付いていないルアーを投げているのと大差なくなってしまう。無駄な時間を過ごさないためにも、ハリ先のチェックと交換は必ず行いたい。

スナップ

そして忘れてはいけないのがスナップだ。現在市販されているほとんどのエリアトラウト用ルアーは、スナップの使用が前提で作られていることと、ルアーをどんどん交換していく釣りなので必ずスナップを使用してほしい。

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アルビノはエリアならではのターゲット(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

サイズはできるだけ小さなものが良く、具体的にはSSサイズ、00番程度がいいだろう。

ラインを直結したり、ミスマッチな大きなスナップだと、ルアーの動きが悪くなったり最悪泳がなくなってしまう。

ギア

この他に必要な道具は、魚をすくうラバーランディングネットと素早いリリースを可能にするリリーサー、トラブル防止のための偏光グラスと帽子は定番のギアだ。

寒い日にあるといいのが、手の体温低下を防止するグローブ(手袋)。手がかじかんでしまうと、ルアー交換や釣りの動作そのものがうまくできなくなってしまう。安物でもあるのとないのとでは全く違うので、素手での釣りにこだわるのでなければ用意した方がいいだろう。

基本の3要素

まずエリアトラウトで必ず押さえておきたい3つの要素を紹介する。それはレンジ、アクション、スピードだ。

レンジ

レンジとはタナのことで、トラウトたちは水中のどこにでもいるわけではなく、特定の水深に偏って泳いでいることが多い。それは釣り場や日によって変わり、一日の中でも時間や天候で変化する。そのため、どこに魚がいるのかを絶えず探るのが鉄則だ。

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アタリが多いレンジを探し出そう(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

沈むルアーの場合なら何秒で底まで落ちるかをカウントし、まず水深を三等分して上、中間、底と分け、アタリが多い場所をさらに細かく探るのがセオリーだ。

ちなみに水色がクリアな釣り場であれば水中の魚影が見えるので、ここでアレコレ悩む必要がなくラクチン。なので、初めてエリアトラウトに挑戦する人は、水色がクリアな釣り場をオススメする。

アクション

アクションはというと、ルアーにはそれぞれに違う泳ぎが設定されている。その中でどの動きが魚の好みに合うかを探ることが重要だ。

そのため、用意するルアーの種類は多いほど有利になる。

スピード

スピードはそのままリールを巻くスピードのことで、魚が口を使いやすい速度があるため、それに合わせる必要がある。エリアトラウトは基本的には他のジャンルのルアー釣りよりもゆっくり巻くことが多い。

私の中での基準だが、具体的にはハンドル1回転を1秒かけて巻くのが「気持ち速めの普通」ぐらいのスピードだ。1回転に4~5秒かけるほど遅い巻き取りも時には必要になる。


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冬期の釣り方

エリアトラウトの基本であり王道の釣り方は、スプーンかクランクベイトを「投げて巻く釣り」だ。先に書いた3要素を状況に応じて合わせていくというのがオールシーズン通用する釣り方で、この時期もそれは変わらない。

ところで、今年の冬はどうやら寒いらしい。寒波などで急に冷え込み水温が下がることも多いだろう。そんなとき魚は積極的にルアーを追わなかったり、ボトムべったりになることが多い。

すると通常の「投げて巻く釣り」では苦戦することがしばしば起きる。そこでそんなときに威力を発揮する釣り方があるので、2つ紹介しよう。

マジックジャーク

まずはマジックジャークと呼ばれるミノーイングの釣りだ。これは浮力の強いハイフロートタイプの潜るミノーを使い、主に「デジ巻き」と呼ばれるアクションで動かす釣りだ。

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マジックジャーク用のミノー(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

「デジ巻き」の動かし方は、リールのハンドルを素早く巻いてミノーを潜らせ、ストップし浮上させる。

これをリズミカルに繰り返す。するとミノーは縦方向のジグザグの動きをするのだが、これが時に強烈に魚の食い気を刺激し、入れ食いになることも少なくない。

リールの巻き取りはハンドル1回転、1/2回転、1/3回転など。あまり長い距離を動かさない方がいいだろう。止めて浮かせる時間は状況に合わせるが、あまり浮かせすぎると魚の反応するレンジを外れてしまうので、うまく浮き潜りの幅を調整してレンジキープするのがコツだ。

使うミノーは何でもいいわけではなく、マジックジャークに対応したものを用意したい。代表的なミノーはダブルクラッチF1とザッガーF1だ。

ボトムの釣り

もう1つの釣りは底べったりに魚が多いときに効果的な、ボトムを中心に攻める釣りだ。使うルアーはバイブレーション、メタルバイブ、ダート系シンキングルアーがメインとなる。

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ボトム用のプラグ(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

動かし方は底まで沈めたルアーをロッドで持ち上げてボトムに落とし直すリフト&フォールと、先ほどマジックジャークでも説明したハンドル回転でルアーを動かす「デジ巻き」が効果的だ。この釣りもハマると圧倒的釣果をたたき出すため、低水温期の手駒として持っておくべきだろう。

やり込み要素が楽しい

エリアトラウトはほぼ全天候OKで足場も良く、何よりも魚がすでに「用意」されている。初挑戦の人でも魚の引きを味わえる確率は高いだろう。

そしてやり込めばやり込むほど、釣果として答えが返ってくるゲーム性の高さと、自分の腕が上がっていくのが実感として分かる、とても魅力的な釣りだ。東海地方にもエリアトラウトが楽しめる釣り場はいくつもあるので、ぜひ足を運んでみてほしい。

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北方川釣り体験場は人気のフィールド(提供:週刊つりニュース中部版 松尾尚恭)

また、愛知県一宮市の管理釣り場北方川釣り体験場では、私が釣り具の出張販売を行っている。現地の状況には詳しいので、釣り方などの相談は出張販売ブースか、私の勤務する一宮市の釣具店カリプソに立ち寄ってほしい。


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<週刊つりニュース中部版 松尾尚恭/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
北方川釣り体験場
この記事は『週刊つりニュース中部版』2022年2月18日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【2022年】エリアトラウト入門 タックル・基本・冬の釣り方を解説 first appeared on TSURINEWS.
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