人気のご当地おでん『金沢おでん』を代表する具材といえばなんといっても『カニ面』ですね。老舗の金沢おでんの店に通う常連さんたちは「今日カニ面ある?」という言葉が挨拶がわりだとか。

今回は、そんな金沢の食通をも虜にする『カニ面』のご家庭での作り方をご紹介いたします。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

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カニ面にするのは香箱ガニ

カニ面にするカニの種類は香箱(こうばこ)ガニと相場が決まっています。香箱ガニとはズワイガニのメスのことでセイコガニやセコガニとも言われます。

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香箱ガニ(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

香箱ガニは漁期が短く流通量が少ないのですが、筆者の住んでいる地域でも鮮魚店やスーパーなどでたまに見かけることがあり、見かければ購入してカニ面にし、おでんを炊くのがデフォルトになっています。

香箱ガニの醍醐味

香箱ガニは雄のズワイガニと大きさを比べると幼ガニかと勘違いするくらい小さく、脚やハサミも細くて小さいため、可食部が少ないと思われ、知らない人ならまず購入しないと思います。

実際、カニの「身」を食べたいなら大きな雄のズワイガニを購入すべきです。でも、香箱ガニには身の少なさを補ってあまりある魅力があります。

それは卵です。極上の香箱ガニは内子(ウチコ)と外子(ソトコ)という2種類の卵を大量に抱えています。内子は甲羅の中にあり外子はふんどしの下にあります。外子が多い個体は外観からも分かることがあります。

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外子(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

いずれにしても、香箱ガニを食す醍醐味は内子と外子の二種類の卵を味わうことなのです。これが香箱カニを買い求める理由なのです。この内子と外子におでんの煮汁が浸み込むとひと際極上の味になるのです。

カニ面の作り方

前置きが長くなってしまいましたが、いよいよカニ面の作り方を解説いたします。カンタンに概要を説明いたしますと、香箱ガニを茹でて、解体して身をほぐし、ほぐした身を甲羅につめこむという流れです。

それでは各工程を詳しく説明してまいります。

茹でる

香箱ガニはタワシと流水でサッと洗ってきれいにします。

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茹でる前の活香箱ガニ(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

適当な大きさの鍋に水と3%の塩を入れて沸騰させます。沸騰したら香箱ガニの甲羅を下にして弱火で10分ほど茹でます。甲羅はカニみそが流出しないように下にします。火加減もグツグツ煮立たせるとカニミソが流出するので弱火にします。

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弱火で茹でる(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

10分茹でたら、香箱ガニを取り出し、ザル付きバットなどにおいて自然に冷まします。

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茹で上がった香箱ガニ(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

解体する

脚やハサミは包丁を使わずに手でもぎ取ります。包丁で切るとナンコツが身の中に残ってしまいます。

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手でもぎ取るとナンコツも取れる(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

キッチンバサミなどを使って身をすべて取り出します。

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足はキッチンバサミなどで切って身を取り出す(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

足の身もきれいに取り出しましょう。

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足から取り出したカニの身(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

外子を崩さないように気をつけながら、ふんどしを手ではがします。

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甲羅と胴体とふんどしに解体(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

続いて、胴体を甲羅から手ではがします。

胴体側にカニミソや内子がついている場合は甲羅側に戻します。

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胴体部はタテとヨコに切り分け4分割(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

胴体についているビラビラのエラを手で取り除き、胴体をタテとヨコに切り分け4分割します。

甲羅にまとめいれる

身を箸などでほじり甲羅にまとめいれます。

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胴体の身をほじくり甲羅にまとめいれる(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

脚から取り出した身も甲羅にまとめ入れます。

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甲羅に胴体と脚の身を詰める(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

外子のついたふんどしを甲羅にかぶせてふたをします。

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ふんどしで甲羅にふたをする(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

干しかんぴょうやタコ糸などで甲羅とふんどしをしばります。

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干しかんぴょうやタコ糸でしっかり縛ったら完成(提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)

カニ面はこれで完成です。このカニ面をおでんと一緒に炊くとカニ面に出汁が浸みこんでいい塩梅になるのです。

食べるときは結んだかんぴょうをほどいていただきます。いかがですか。ぜひ絶品のカニ面のおでんをご自宅でお試しください。


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<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>

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