長くクネクネ系の釣り物の代表格。江戸前の釣り物としても古くから有名。

釣っては楽しく、食べてもおいしいアナゴ釣りと、その独特のアタリを紹介したいと思います。

(アイキャッチ画像提供:photoAC)

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東京湾の船アナゴ釣り

東京湾の船アナゴ釣りは、近年ではお得なシロギスとのリレー釣りもありお勧めです。早ければ4月中旬以降から出船する船宿もあり、午後はシロギス釣り、夕方からアナゴ釣りを堪能できることも魅力的。筆者は、近年リレー釣りは必ずチャレンジします。

ただアナゴはその年の好不漁の波もあり、アナゴ釣り自体が盛夏の旬を迎えることなく、釣期を終了してしまうこともあるため、30~40年前のように秋のメソッコ、エンピツサイズと呼ばれる小型を釣ることはなくなりました。本稿では近年の春から梅雨にかけての東京湾におけるアナゴ釣りを想定して述べたいと思います。

東京湾の船アナゴ釣り解説 シーズン・釣り方・アタり方とアワせ方
アナゴ釣りは夜釣りで狙う(提供:TSURINEWSライター永井英雄)

船アナゴ釣りシーズン

東京湾でのアナゴ釣りシーズンは、前述のとおり春から盛夏にかけてで、冬にも釣れるそうです。ですが、近年の東京湾の船宿では、春から盛夏を狙うのが一般的になっています。

この時期に釣れる脂の少ないアナゴは「梅雨アナゴ」と呼ばれ、江戸前アナゴとして有名な淡泊な白身で寿司ネタ、天ぷら、白焼きなどの食材として、好まれています。

アナゴの生態

アナゴ類の多くは沿岸から内湾の水深 100m以浅に見られ、昼間は岩などの物陰に隠れたり、砂や泥の中にもぐって身をひそめたりしているそうですが、夜になると活動を始め、エサを求めて海底付近をはうように泳ぎ回るようです。つまり夜行性なので、夜釣りの対象魚なわけです。

エサとなるのは環虫類のイソメ類、エビ・カニなどの甲殻類、イカ・タコなどの頭足類、小魚類など多種多様な生物を捕食しているようで、なかなかのグルメさんです。

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アナゴはグルメ?(提供:photoAC)

船アナゴの釣り方

それでは、具体的な釣り方を紹介していきましょう。

小突き釣り

昭和の時代から東京湾での伝統的な釣り方。アナゴ用といっても過言ではない釣鐘型のオモリで、オモリの大きさ分ぐらいの幅で底を小突きながらの釣り方。

投げ小突き

シロギスやカレイ釣り同様、最近では船下だけの範囲に限定せず、少しでも投げて広く探る釣り方もあります。投げてオモリが着底した後、竿を45°前後立てつつ、小突き(船下での小突きとちがい、数回程度)ながら引いてくる繰り返し。

ただし、東京湾では潮の速い木更津沖の釣り場が主体で、投げる場合、他の釣り人とのオマツリには注意する必要があります。オマツリが頻発する場合は、控えるべきでしょう。

船アナゴ釣りのエサ

グルメなアナゴながら、船宿で用意されるエサは、汎用的な青イソメ。昭和のころには、サバやサンマの小さめの切り身を出すところもありましたが、今では青イソメだけでしょう。個人的に用意する人はいると思います。サカナの切り身の場合、やはり匂いで寄せる目的があると思われます。

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エサは青イソメが一般的(提供:photoAC)

エサの付け方

船アナゴ釣りの代表的なイソメ類のハリへの付け方を紹介します。

縫いさし

青イソメ1本をハリに縫うように付け、長いものはたらしが4~5cmでカット。余った分は、さらにチョン掛けで足す。切り口からの体液がアナゴの集魚効果ありといわれています。

房掛け

青イソメ数本を二分、三分し、ハリにチョン掛け。長くたらしすぎると、かじられるだけでハリ掛かりしにくくサヨナラされることが多いので、房掛けの場合も、たらしは4~5cmがベターと思われます。特に食い渋りのとき有効と思われます。

その他

サバやサンマの切り身は、幅1cm、長さ数cmに切ったものをチョン掛け。

船アナゴ釣りの魅力

続いて、船アナゴ釣りの魅力を紹介します。

釣り味

長い魚体をくねらせることから30cm弱の小物でも引き味は強く感じます。時折、その魚体的な特徴から、巻き上げる途中、巻き上げ方向に向けて泳ぐこともあるため、重量感を感じなくなりバレたかと錯覚する場合もありますが、魚体を見るまで一定の速さで巻き上げることが望ましいとされます。40cmを超えるものですと、なかなかの引き味と重量感があり、結構な大物かと感じます。

なお、アナゴは、アゴが硬いサカナとされ、アナゴ用のハリ(ウナギバリなど)は細く硬質な感じのハリで、刺さりやすくなっています。アナゴ釣りで「アワセを強く」と重視されるのは、そのためでしょう。

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仕掛け類(提供:TSURINEWSライター永井英雄)

食味

寿司ネタ、天ぷら、アナゴ丼、白焼きなど、各々の好みで好きなもので味わえる楽しみがあります。アナゴ釣りでは、長い魚体のため、さばきにくいこともあるため、ほとんどの船宿で船上及び帰船後船宿側でさばいてくれます。

身と中骨と合わせてビニール袋に入れて持ち帰りでき、家ではその晩食べない場合には、下処理として身を熱湯で湯がいてヌメリを落としてから、冷凍庫で保存すると、後日でもおいしくいただけます。

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食味も最高(提供:photoAC)

季節性

東京湾では、4月中旬以降から出船となることが多いですが、夜釣りでもあるため、気温が暖かくなってからがベターでしょう。以前は、よく蒸し暑い晩によく釣れるといわれたものですが、近年の連れ具合からすると、懐疑的な点もあります。

ちょうどGW頃になるとだいぶ暖かくなり、釣りをしていると八景島あたりでイベントの花火が上がったりして釣り以外での楽しみもあります。何といっても東京湾の夜景は工場遊覧船が商売になるほどきれいですから、アナゴ釣り+遊覧と考えるのもいいかもしれません。

アナゴのアタリ

一般的なサカナのアタリと同様なものに加え、長モノの特徴的なアタリも紹介。

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和竿で楽しむのも一興(提供:TSURINEWSライター永井英雄)

代表的なアタリ1

前述でアナゴがエサ(青イソメ)をかじると触れましたが、他のサカナに見られるエサを吸い込むというよりかじる、噛むといったイメージを持ちます(前編で述べたイメージをふくらませる点)。そのため、アタリがコンコン、ガツガツ、食い気が足りないときはモソモソ。反面、食い気ありのときは、一般的なサカナのアタリのようなブルブル、クンクンクンと連続的な竿先をたたくようなアタリがきます。

代表的なアタリ2

前項で触れた食い気が足りないモソモソが多い日もあります。小突いていながら、いつアタったのかわからず、カレイのように居食いをしているような、あるいはカワハギのようについばむような捕食をしているのか、そういう場面が出てきます。

食いが渋いと思うとき、小突いてアタリを出す~少し食わせる間(時間)を取ることも必要と思われ、俗に「聞く」といった場面となります。その際、アナゴがエサを追っかけてくることが案外多いので、「聞いて」からサオ先に重量感があれば、大アワセ(口が硬いことを忘れずに)。

レアなアタリのパターン

長モノであるアナゴの特徴的なアタリの一つとして、フワフワ、フワフワフワ……とオモリを浮かすようなアタリが出ることを覚えておくとよいでしょう。こういう場合は、サカナの活性が高いのか、かじりながらアナゴが上に向かって食い上げていくように捕食しているイメージがあります。

サバ釣りの際、中層でサバが食ったときと若干感覚が似ていますが、アナゴは底でアタっているので、初心者には明確なアタリと認識できず、見逃すか、アワセのタイミングを逃し空振りとなることがあり、ベテランとの釣果差が顕著になるのは、こうしたアタリで確実にアナゴを掛けていくかにあると思われます。フワフワフワ……を感じたら、聞きアワセ~さらに大アワセと、とにかく疑わしきは「アワせよ」とすべきでしょう。

アタリの取り方

すでに各項でも触れてきたように、小突いて~間を取り~聞き合わせを基本動作と考え、投げ小突きでもその応用。

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釣りの流れ(作図:TSURINEWSライター永井英雄)


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<永井英雄/TSURINEWSライター>

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