釣りに必要不可欠な道具、釣りザオ(ロッド)、リール、イト(ライン)、ハリやオモリといった仕掛けまでの道具一式を釣り用語で『タックル』と称します。今回は『投げ釣りカレイ用タックル』として、投げ釣りでカレイを狙うための基本的なタックルついて、どのようなものが必要になるのかを徹底的に解説していきたいと思います。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

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投げ釣りカレイ用タックル概要

これから釣りを始められる方は新しく購入することになりますが、既に釣りをしていて、ロッド、リール、ラインをお持ちの方もおられるかと思います。もしかすると今お手持ちのもので用が足りるかもしれません。

そして、これから始められる方には投げ釣り以外の釣りにも対応できるように、汎用性の高いタックルをセレクトしてみたいと思います。

格安タックルは極力避ける

釣具店やホームセンターでパック売りされている投げ釣りセット。エサさえあればそのまま釣りをすることができる便利なセットですが、注意して頂きたい点がいくつかあります。

ライン劣化の可能性

まず一つ目は、ラインです。付属されているラインが経年劣化して強度が著しく低下している可能性があります。セット売りされているタックルには高確率でナイロン素材のラインが巻かれているのですが、このナイロン素材のラインは劣化の進行が早く、仕掛けを結んだ際やキャストした際、また魚が掛かった際に突然切れてしまう恐れがあります。もし大物が掛かってもラインが切れてしまうとショックであり、非常にもったいない思いをしてしまいます。

リールによるライントラブル

そして二つ目は、リールです。こちらはラインを放出しては巻き取るを繰り返す、タックルの中でも非常に重要な役割を担っています。近年のセット売り商品のものは10数年前に比べ品質は向上してきてはいるものの、やはり不安要素は拭えません。使用しているうちに突然ライントラブルに見舞われてしまう可能性が高く、ラインの劣化を早めてしまったり、ラインが劣化していなくても快適に釣りを楽しむことができなくなる可能性があります。

以上、二点が格安セットタックル商品で注意しなければならない点であり、セット販売の商品を避けたい理由であります。ロッドに関しましては、使用後に水道水で塩分をしっかりと洗い流していれば、特に大きな問題は起こらず何年も使用可能です。

基本のタックル

では、投げ釣りの基本タックルを紹介しましょう。

ロッド

ロッドの長さは2.5~3m、オモリ負荷15~20号前後のものが扱いやすく、オススメです。本格的な投げ釣りでは長さ4m以上、オモリ負荷30号程度のものが使用される場合が多いです。しかし、手軽に楽しむという観点からするとオーバースペックであると感じます。

シーバスロッドを流用することも可能です。8~10ftのミディアム~ミディアムヘビーのものであれば流用することが可能です。ロッドの材質には大まかにグラス素材、カーボン素材の混合となっており、カーボン含有率が高いほど、高価になる傾向が見受けられます。カーボン素材は軽量で感度がよくなるというメリットがありますが、繊維に傷が入ると折れやすくなるというデメリットがあります。

一方でグラス素材は重く感度も悪いというデメリットがありますが、粘りがあり多少の小傷では折れにくいというメリットがあります。

カレイの投げ釣りは仕掛けをキャストしたら基本的にロッドを置き、アタリを待つ釣りです。ルアーフィッシングのように常にロッドを持ちながらの釣りではなく、置きザオにすることで比較的傷をつけてしまいがちであり、カーボン含有率の高さは特に重視すべき点ではありません。よって、長さと硬さに重点を置き、先にリールとラインを選んでから、残りの予算内でロッドを選ぶ事をオススメします。

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ロッド(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

リール

リールには複数の構造があり、様々な釣りに適合であったり、不適合であったりします。カレイの投げ釣りに使用するのは、スピニングリールというリールを選択します。大手釣り具メーカーから発売されているものを購入することをオススメします。

一般的に番手と呼ばれ、リールのラインが巻かれる部分(スプール)に表記されている1000~8000という数字が番手になります。カレイの投げ釣りで使用するリールの番手は、2500~3500番を目安に、ナイロンラインの3~5号を100m以上巻けるキャパシティのものを選択します。

こちらもリールのスプール部に『3号-150m、4号-100m』といったように表記されております。大手メーカーの商品であれば、トラブルを最小限に抑えた機能を搭載したリールを低価格で購入できます。あくまで目安としてですが、最低でも3000円以上の商品を強くオススメします。初めての方にはもちろん、現在セット商品付属のリールをそのままご使用されている方も、ぜひ買い替えを検討してみて頂きたいです。

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リールの表記(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

ライン

まずはラインの素材を選択します。ナイロン素材のラインは初めての方、ベテランの方問わず、とにかく扱いが容易であり、トラブルを起こしにくいラインです。カレイの投げ釣りに使用するラインは、新品のナイロン素材のものがオススメです。

続いて号数を選択します。ラインの太さは号数、またはポンド(lb→引っ張り強度)で表してあります。

数字が大きくなればなるほど、太くなります。細い号数は飛距離が伸び、感度がよくなり、沈みが早くなります。一転して太い号数は、その逆となります。

ただし、太い号数になるほど、引っ張り強度自体が高くなり、岸壁や海中の障害物に擦れてしまった際の強度も細いラインより高くなります。細いラインの飛距離や感度と、太いラインの強度のバランスを考慮して、号数を選択します。

漁港や堤防からカレイを狙う際に選択すべきラインの号数は、3~5号がオススメです。少しでも遠くに仕掛けを投げ入れたい場合は3号、大物を確実に釣り上げたい場合は5号という選択方法をオススメします。

ラインのカラーについては、お好みでOKです。迷った場合はイエローやオレンジといった視認性のいいラインをオススメします。

今やナイロンラインは100均でも販売される時代になりました。しかし、昔からライン製造をしているメーカーから発売されているラインは、品質の誤差が少なく、安定した強度を保っていますので、突然切れてしまうリスクや絡んでしまうトラブルも減らすことができます。目安として100~150m巻きで1000円前後で売られている商品がオススメです。

投げ釣り専用ラインでなくて構いません。号数とlbがしっかり表記されているものの中から選ぶようにしていただければ、安心して使用できます。

仕掛けとエサ

カレイの投げ釣りタックル、最後に必要なものはエサと仕掛け類です。

エサ

まずはエサですが、アオイソメ一択で間違いありません。どうしても生きたエサが生理的に無理だという方には、各社から人工エサが販売されております。そちらを使用して釣ることも可能ではありますが、2022年の現在時点で販売されている人工エサでは、生エサ同様の釣果は期待できません。

エサは一つのハリに対してアオイソメを一匹丸々取り付ける形が基本的にオススメです。うねうねとした動きと体液の匂いでカレイにアピールしてくれます。

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ハリにアオイソメをセット(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

オモリ

続いてオモリですが、こちらは号数によって重さがかわってきます。ライン同様、数字が大きければ重くなっていきます。今回紹介しているタックルではロッドのオモリ負荷によって10~20号の中から選択すれば問題ありません。

基本的に15号を使用し、漁港内の流れが緩やかな場所であれば10号、漁港の外向きや船の通り道で仕掛けが流されてしまうと感じた場合は20号を選択します。

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オモリ(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

仕掛け

仕掛けは、オモリを取り付けるだけにあらかじめ作られて販売されているカレイ釣り用の仕掛けがオススメです。たくさんの種類が販売されておりますが、カレイ投げ釣り用と表記されている2本バリのものが最適です。

アピール度を高めた装飾が施されているものからシンプルなものがあり、値段はピンキリですが、お好みのもので大丈夫です。ただしハリのサイズだけは注意していただきたいです。

カレイに適したハリのサイズの目安は、12~16号です。

市販されている仕掛けには胴つき式、遊動式の二種類あります。胴つき式仕掛けは2本バリの上下にスナップサルカンというパーツが結び付けられており、上側のパーツにはロッド先端から出したライン(道糸)を結び付け、下側のパーツにはオモリを取り付けるように作られております。こちらは根掛かりが比較的少ない傾向があります。

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胴つき仕掛け(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

遊動式仕掛けは2本バリの上側にスナップサルカンが結び付けられており、そちらにラインを結び、針と針の間に取り付けてあるスナップサルカンにオモリを取り付ける形に作られております。こちらは魚の食い込みがよくなる傾向があります。釣り場によって使い分けたいところですが、初めての釣り場や底質がわからない場合、まずは胴つき式の仕掛けを選択することをオススメします。

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遊動仕掛け(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

タックル以外に必要なもの

以上、タックルを説明してきましたが、それ以外にも用意しておきたいアイテムがあります。

ゴミ袋

近年は釣りの流行により、釣り場に人が溢れている光景も目の当たりにします。そこで最も気になるのは、ゴミの投棄です。漁港等の港湾施設は元々、釣りをするために作られた場所ではありません。我々釣り人は、釣りというレジャーを黙認させて頂いてるのです。ラインや仕掛け、イソメの容器や飲食、喫煙後のフィルターは必ずゴミとして持ち帰る。ゴミ袋を必ず持参し、岸壁や海へ投棄せず、必ず自宅に持ち帰る。

これが釣りをする上での最低限のマナーだと思っております。守らなければ釣りどころか立ち入りすらも禁止にされてしまいます。

特に青森エリアではここ十数年で多数の釣り場が立入禁止、封鎖措置とされてきました。とても深刻な問題となっております。海が身近で豊富な青森県、しかし釣りができる場所は限られてしまっている現状は、とても悲しい限りです。現在釣りができる場所をこれ以上失わない為にも、一人一人の心掛けが必要不可欠です。マナー違反と見受けられる釣り人を真似するのではなく、周りが注意できるような環境、意識に変えていかなければなりません。

よって、最初にゴミ袋を必要なものとさせていただきました。自分で出したゴミは必ず持ち帰る。一人一人が実践していけば、必ず浸透していくと信じております。どうか、ご協力を、心からお願い申し上げます。

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ゴミ袋と救命胴衣(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

救命胴衣

ライフベスト、ライフジャケットとも呼ばれるものです。着るもの、腰に巻くもの、たくさん種類がありますが、何でもいいです。落ちるわけがないと思われる場所でも、突風や足を滑らせて落水する可能性はゼロではありません。落水時、着用していることで水面に浮かび、周囲の釣り人、または沖に流されても救助隊にて救助されることが容易になります。

着用しない状態で落水しますと、衣類の重さとパニック状態に陥り、救助が困難になり、最悪の場合、死亡事故に繋がります。落水死亡事故の半数以上が救命胴衣の未着用者であるという事実、実例があります。落水防止のためにできることはたくさんありますが、落水してしまっては意味がありません。

十年以上前の出来事ですが、筆者が釣りをしている時に同じ堤防の離れた場所で釣りをしていた方が救命胴衣未着用のまま落水して海中へと沈んでしまい、死亡したのを目の当たりにしました。その際にはレスキュー隊、救急車、警察、親族といった多くの人達が駆け付け、とても無念な気持ちになった記憶が今でも残っております。自己責任とはいえ、たくさんの人達の迷惑になってしまうと痛感しましたので、簡易的なものでも良いので、救命胴衣は必要なものです。

ハサミ

刺繍で使うようなハサミでも、ラインカッター機能付きのプライヤーやラインクリッパーでも構いません。結び目で余った部分や、障害物に擦れてザラザラしてしまった部分をカットする為に必要になります。

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ラインカッター各種(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

クーラーボックス

リリース前提であれば必要ないものですが、カレイならば基本的にキープするものと思います。小さくてリリースサイズであっても、ハリを飲み込んでいて、大量に出血が見られる場合はリリースしても死んでしまいますので、そのような場合もキープして美味しく頂きましょう。

春?秋にかけては保冷剤や氷を入れ、キンキンに冷やし、鮮度よく持ち帰ることで一層美味しく食べることができます。冬の青森であれば雪を保冷剤として使うこともできます。

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クーラーボックス(提供:TSURINEWSライター杉浦剛)

予備の仕掛け一式

主に、オモリ一つと仕掛け一つではもし根掛がり(海底に引っ掛かること)した場合や、キャストした際にラインがプチっと切れて、仕掛け一式を失ってしまうことが少なからずあります。強制的に終了、または釣り用品店へ行って買い直しとなってしまいます。事前にオモリを複数個、仕掛けも複数個と、予備は常に持っていくようにしましょう。

サビキ釣りにも流用可能

今回は投げカレイ釣り入門のタックルを紹介させて頂きました。比較的ライトなタックルを紹介させて頂きましたので、初めての方や既に釣りを始められている方にも挑戦しやすい釣りであると思います。そして他の釣り、例えばサビキ釣りなどにも流用可能な、年間を通して使えるロッド、リール、ラインとして紹介しておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。


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<杉浦剛/TSURINEWSライター>

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