マダイやシマアジ、ブリなどさまざまな高級魚を手軽に狙える海の釣り堀。魚が放流されているため堤防などに比べて釣りやすいのは確かですが、釣果アップにはちょっとしたコツが必要になります。

この記事では基本的なタックル・仕掛けに加えて、魚種別・仕掛け別の釣り方のコツなど、ノウハウを紹介します。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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海上釣り堀で狙える5魚種

海の釣り堀ではさまざまな魚が放流されています。この項目では代表的な5魚種の特徴を紹介します。

マダイ

各地で養殖が盛んで、海上釣り堀のメインターゲットです。基本的に雑食性で、ダンゴやオキアミ、生きエビ、小魚、ササミなど何でも食べます。タナは底付近が基本となるでしょう。

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放流数が最も多いのが魚の王様マダイ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

シマアジ

天然物は釣ろうと思うとなかなかハードルが高い魚ですが、海の釣り堀では狙いやすく代表的なターゲットと言えるでしょう。食味も一級品で、脂の乗ったアジ科独特の味わいは最高です。中層付近を回遊していることが多く、マダイ狙いのタナとは別の場合もあるので注意しましょう。また、落ちてくるエサへの反応がいいため狙うならミャク釣りがオススメとなります。

エサはダンゴ、オキアミ、シラサエビ、魚の切り身、虫エサなど幅広く反応します。警戒心が強いので、仕掛けはできるだけ細いハリスを使いましょう。

海上釣り堀攻略 【仕掛け・エサ・釣り方をターゲット魚種ごとに解説】
高級魚のシマアジをゲットできるのも釣り堀ならでは(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


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青物

ブリ、ヒラマサ、カンパチの御三家が定番。時期によって変動はありますが、ブリ族は総じて通年放流されていることが多いです。

オキアミやダンゴでも釣れますが、生きた小魚や切り身エサに好反応を見せます。タナは中層から底付近が基本となります。


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石鯛

イシダイ、イシガキダイなど磯釣りで人気のターゲットも施設によっては放流されています。虫エサ、ボケ(スナモグリ)、カニ、シラサエビなどを付けてミャク釣りで狙うと良いです。生け簀の角に近いところに数匹の群れで回遊していることが多く、ポイントに当たれば数釣りも狙えます。

タナは中層付近や思いのほか浅いところにもいるので目視できる場合もあります。早アワセは禁物でしっかりエサをくわえこませてから、カンヌキに掛かるように強くアワせるのがコツです。


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根魚

最近ではマハタやクエ、ソイなどの根魚を放流している所も多いです。特にマハタ、クエの高級根魚は放流されている数が少ない場合が多く、釣れればラッキーぐらいの感覚でいましょう。底の方で定位している魚なので、いかに底付近を丁寧に探れるかが鍵になります。

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釣れたら嬉しい高級魚のクエ(提供:正徳丸)

また、隠れ場所になる生け簀の角が定番のポイントです。エサは生きエサ、冷凍イワシ、キビナゴ、シラサエビなどにヒットすることが多いですが、活性次第では意外とどんなエサでも食べてきます。

その他の魚種

その他ではヒラメやアジ、イサキ、グレなども定番です。季節によってサーモンやカレイなどを放流する施設もあります。また定置網から直接天然魚を入れる釣り堀では、コショウダイやコロダイなどあまりなじみのない魚が入っている所もあり、釣り堀によって狙える魚が変わってきます。

海上釣り堀用のタックル

狙う魚の大小に合わせて細分化されたタックルを持参するのがベストですが、ルールとの兼ね合いや荷物が多くなるデメリットもあるので、ここではこれから始める人に向けて1セットだけ紹介します。

ロッド(竿)

ロッドは9ft(約2.7m)前後のシーバスロッドが汎用性が高いです。

硬さはあまり軟らか過ぎると青物が掛かったときに時間がかかりすぎ、硬過ぎるとラインにかかる負担が大きくなるため、ミディアムクラスがオススメです。

リール

リールはシマノで3000番、ダイワで2500番前後。ドラグ性能のいいものを使いたいところです。

ライン

ミチイトはナイロンラインかフロロカーボンラインの4号。PEラインなら2号ぐらいが適当な太さとなります。

底取り器

そしてもう1つ必ず用意したいのが底取り器。ゴム製の円盤で中心にハリを掛けるアイがある海上釣り堀独自のアイテムです。これは底付近を攻める釣り堀では、必須となります。

ウキ釣り

仕掛けはどういう釣り方をするのか、どの魚を狙うのかで変わります。今回は最もポピュラーなウキ釣りとミャク釣りの仕掛けを、釣り方とともに紹介します。

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海上釣り堀の仕掛け図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

ウキ釣りの仕掛け

メインターゲットのマダイやシマアジを狙う場合は、オモリ負荷1~2号の棒ウキにクッションゴム付きのオモリを介し、ハリス2号を1mほど。ハリは伊勢尼の9~10号程度を使います。青物狙いの場合は、ウキは投げサビキ用のオモリ負荷10号前後、ハリスは5~6号、ハリは伊勢尼12号前後に変更しましょう。

ウキ釣りの釣り方

ウキ釣りのキモはタナです。底取り器をハリに掛けて沈め、タナ取りをします。ウキが沈んだ分が底からの距離となり、ウキが沈まない場合はウキ下が深すぎるのでウキ止めの位置を調整しましょう。マダイ狙いではウキが完全に沈んで、水面下50cm~1mぐらいになるようにセットします。青物狙いの場合は少しタナが上の場合もあるので状況を見て調整しましょう。

朝一はマダイも青物も活性が上がるチャンスタイム。素早くタナ取りを行い、エサを付けて投入しましょう。タナがきっちり合っていれば、高確率でアタリが出るはずです。十分にウキが沈みきったところで大きくアワせます。どの魚を掛けたときでもいえますが、魚が突っ込んだときはサオを45度の角度で保ち、無理に巻かないことがコツです。

マダイといえど無理に引っ張ればハリスが切れることも十分考えられます。

青物狙いの泳がせ釣り

青物には冷凍イワシ、カツオの切り身などのエサを使いますが、生きエサも非常に効果的です。生きエサを使うときは、ハリスの真ん中にオモリを1つ打ち、小魚の動きを制限して青物に食べやすくさせておくといいでしょう。例えばオモリ負荷10号のウキを使っている場合ハリス上のサルカンには5号のオモリ、ハリスの真ん中、もしくはハリ上30cmの位置に3号のガン玉を打ちます。これだけで食いが変わることが多いので、一度試してみて下さい。

青物とのやり取り

アワセはマダイやシマアジ同様、ウキが十分沈んで見えなくなってから。しっかり大きくアワせて青物の口にハリを掛けます。1つのイケスに他のお客さんと乗り合わせている場合、仕掛けを上げてもらってオマツリを防ぐため、青物が掛かった旨を知らせましょう。

海上釣り堀攻略 【仕掛け・エサ・釣り方をターゲット魚種ごとに解説】
市販の仕掛けも充実している(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

やり取りは決して無理をせず、青物が走ってラインが出ても止めないことが重要です。ただ、ユルユルのドラグではいつまでたっても上がってこないので、手でラインを引っ張ってジリジリ出るぐらいに締めておけばファイトタイムを短縮できます。

ミャク釣り

活性が下がって食いが悪くなったときや魚によっては、ハリとイトだけのミャク釣り仕掛けが有効な場合があります。フリーフォールやトゥイッチを駆使して魚の本能を刺激し、リアクションバイトを狙いましょう。

フリーフォールのコツ

基本的に多くの魚が、落ちてくるものに興味を示します。そこでミチイトにテンションを掛けず、エサとハリの重みだけでエサを落とすフリーフォールが有効です。ただし、いつまでも落としていくと底のネットに引っ掛かってしまうので注意しましょう。そこで底取り器を使い、底まで落としたら、イトにマジックで印を付けておき、印の位置までイトが出たら回収すると良いです。

アタリはイトの動きで取り、クロダイの落とし込みと同じで、イトが止まったり横に走ったりすればアタリです。また、いきなりサオ先までひったくるようなアタリが出ることがあります。この釣り方はマダイやシマアジ、イシダイやハタ類などに効果的です。

リアクションバイトのコツ

青物に関していえば、リアクションでエサを食べさせるのが効果的です。青物狙いではラインは太くし、ハリも大きいほうが良いでしょう。

エサはカツオの切り身や小イカなどを使い、いったん印の位置まで落としたらルアーでいうトゥイッチングを行います。チョンチョンと誘い上げたら少しステイ。そのままスーッと落としてもいいですし、さらに誘い上げてもいいでしょう。

海上釣り堀攻略 【仕掛け・エサ・釣り方をターゲット魚種ごとに解説】
小魚や切り身は塩で締める(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

目の前まできたエサの後ろからブリが浮上してパクリ、なんてことも多く興奮度満点の釣りです。さらに誘って食わせた感が満載なので、満足度も高いです。

そのためには激しい動きでエサが外れないように工夫したいところ。切り身エサは事前に塩で締めて固くしておき、縫い刺しにしてハリから外れないようにしておきます。青物だけでなくマダイやシマアジなども、この釣り方で食べることもあります。

他の人がウキ釣りオンリーで釣れない時間帯のなか、フォールと誘いを駆使すれば釣果倍増も十分に望めます。

ダウンショット仕掛け

ダウンショット仕掛けでのミャク釣りもオススメです。オモリがあるため操作性がよく、ハリスがユラユラと動いてアピールするため魚の反応もいいです。また、生きエサを付けた泳がせ釣りも効果的になります。

ただし、ハリスが横に流れる仕掛けの特性上、混雑している釣り場の場合オマツリが増えることがあるので、ハリスの長さには注意しましょう。横の釣り人との間隔が十分に取れない場合は使用しないほうがいいでしょう。

海上釣り堀で使うエサの種類

エサは釣り方や狙いの魚種によって使い分けるといいです。また、マダイ狙いに絞っても活性が高いときはどんなエサでも釣れる場合もありますが、渋い状況では特定のエサしか食べずローテーションが有効となる場合もあります。定番のダンゴにしても種類や色によって食いが偏ることもあるため、少量ずつでいいので、できるだけ多くの種類のエサを準備するといいでしょう。

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エサは種類を用意しておく(提供:週刊つりニュース中部版APC・桑原一幸)

以下でエサごとの特徴を簡単に紹介します。

ダンゴ

海上釣り堀の定番エサ。種類が豊富にあり状況によってアタるエサが違う場合があります。色違いなど3種類ほど持っていくといいです。

オキアミ

海釣りでは定番のエサですが海上釣り堀でも使用できます。幅広い魚種に有効です。

イカ・魚の切り身

青物や根魚などによく効きます。また、エサ持ちが良いため、ミャク釣りをするなら持参するのをオススメします。

小魚

生きエサはフィッシュイーター全般に効果的で、渋い状況では特に効く場面が多いです。死にエサでも魚の切り身同様に青物や根魚には十分な効果があります。

虫エサ

アオイソメなどの虫エサも、よく釣れます。色々な魚種が釣れますがマダイやイシダイが特に好む印象です。ミャク釣りを行う際は持っておくと良いです。

ササミ

あまり普段の海釣りでは聞かないエサですが、海上釣り堀では一般的なエサです。エサ持ちが良くエサ取りに強いのが特徴で、マダイによく効きます。

貝類

貝もアミノ酸が多く魚が好むエサで、釣り堀では赤貝やムール貝、カラス貝など比較的大きめの貝が使われます。特にイシダイやイシガキダイが好みます。

シラサエビ(モエビ)

非常に万能なエサで多くの魚が好みます。生きたエビを使うため活かすための専用の装備が必要になりますが、低活性時に有効な場面が多く、ウキ釣りでもミャク釣りでも使えるので可能なら持参しましょう。

カニ

エサ取りがいる場面に非常に強いエサです。イシダイ、マダイなどに効果があります。

その他

買うと高価ですがボケ(スナモグリ)もオススメです。また変わり種としてはチクワなどが使われることもあります。

実は奥深い海上釣り堀

釣り堀というと、イージーなイメージを持つ人も少なくないと思います。ただ、いくらイケスの中とはいえ、相手も生き物。食いが渋い日もあれば、どんな釣り方でも釣れてしまうこともあります。

食いが渋いときにいかにして釣るかも、釣り堀の魅力の1つといえるでしょう。決して難しくはないので、次回の釣行時に1つの引き出しとして今回紹介したメソッドを試してみて下さい。


【東海2021】海上釣り堀初級解説 陥りやすい罠5パターンと対処法 - TSURINEWS

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

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