高級魚でよく知られるヒラメ。釣り人からは船で狙うターゲットのイメージも強いですが、陸っぱりからも気軽に釣ることができます。

このページでは陸っぱりからヒラメをエサとルアー双方で狙う際の、基礎とコツを紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部)

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ヒラメの生態

ヒラメは全国的に分布しており、その平らな形状から察することが出来るように海底が主な生息域です。水深的には浅いサーフから水深200mの海底にも生息が確認されています。

陸っぱりヒラメ釣り徹底解説 【時期・釣り方・仕掛け・場所選び方】
ヒラメ(提供:TSURINEWS関西編集部 松村)

陸っぱりヒラメ釣りの時期について

浅いサーフから深場まで幅広く生息しているヒラメですが、季節ごとに釣れる場所の傾向が変わってきます。また活性の高さも季節によって変わるため、四季折々での傾向をまとめてみました。

春はハイシーズンのひとつ

春は海水が温かく魚の活性が高くなると思われがちですが、半分正解で半分誤りです。春とはいえ温かい日と寒い日が訪れます。初春のヒラメは、冬並みの活性の低さなので渋い釣りになることでしょう。「三寒四温」の時期を越えると水温も高くなり、活性は上がります。

ヒラメの活性が上がるのは水温15~25°Cとされていて、適水温に入り産卵を控えて積極的に捕食に入る5月ごろから初夏はヒラメ釣りのハイシーズンとなります。

夏はポイント選びがカギ

水温が高くなる夏のヒラメは、生活領域を深場に移動していることが多くなります。よって水温が比較的下がる夜から朝マヅメが狙い目となります。

冷たい水が流れ込む河口やサーフであれば沖への遠投で、暑い日でもヒラメを狙うことが出来ます。

秋もヒラメ狙いの好期

猛暑を避けるために深場にいたヒラメは水温が低下するとともに浅瀬に接岸してきます。これに伴い、秋もヒラメ釣りのハイシーズンとなります。

特に台風などが来て大きく気圧が下がると、魚の活性が活発になり絶好のチャンスとなります。

冬は水温を意識

冬のヒラメは水温が低い浅場よりも、水温の安定する深場へ再び移動する傾向にあります。

一般的な冬は11月後半から2月ぐらいを指しますが、海の水温は体感より1カ月以上差があり意外と温かいものです。時期で判断するよりも、水温で活性を判断する方が釣果に結び付きやすくなります。

ヒラメの釣れる時間帯

圧倒的にヒラメが釣れるのは朝マヅメ。夜明けと共にベイトが活発に動きだし、ヒラメの活性も上がり捕食を開始します。ある程度日が昇ると活動は一旦落ち着きます。

日中や夕マヅメの釣りは、潮通しのいい場所を選定し、潮が動く時間帯を狙うことで釣果を得られる可能性が上がります。

ヒラメを狙いやすいポイント

ヒラメを釣るのに一番大事なのは釣り場の選定です。いくら活性の高い時合いでも狙うポイントを外していたら釣れにくいものです。釣り場別に狙うべきポイントをご紹介いたします。

サーフ

陸っぱりからヒラメを狙う場所の代名詞はサーフ。サーフで狙うポイントは砂浜に砂利が急に混じったりしている場所。

沖の地形に起伏などある可能性が高く、その地形変化によりベイトが居着きヒラメが捕食しにくる可能性が高いポイントとなります。川の流れ込みなどがある個所も地形変化に富み、釣果が期待できます。

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サーフはヒラメの定番スポット(提供:週刊つりニュース西部版 河野剛志)

堤防

漁港などの堤防で狙うポイントは船道です。

船が往来するために海底が深くなっておりますので、沖からヒラメが回遊しやすくなっています。外洋に面した堤防も水深があり、ヒラメが居着きやすいポイントです。夜限定ですが、常夜灯のまわりは光にベイトが集まりヒラメもそれにつられてやってくる激アツスポットです。

水深の深い場所や海底に漁礁などがある場所も多く、船釣りに匹敵する釣果が期待できるポイントとなります。一日を通して大型が狙えるスポットです。足場も安定していて初心者でも釣りやすいのもメリットです。

ヒラメはベイトに付いて回遊する

ヒラメは回遊します。とはいえ、マグロのように止まることなく泳ぎ続けるという意味ではなく「捕食回遊」行動を行います。

日の出時刻はベイトを浅瀬に追い込み捕食して、水温が熱くなる日中はベイトの移動と共に深場へ移動します。そして日が暮れると再度ベイトの動きに合わせ、浅場に戻り捕食を開始する傾向があります。

釣り場でのベイトの有無や、ベイトの動きを予測することが釣果につながるでしょう。

陸っぱりの泳がせ釣りタックル

陸っぱりでの泳がせ釣りでは、大型の魚もヒットする可能性があります。その点も検討し次のようなタックルが好ましいです。

ロッド:磯竿の3~5号や遠投投げ竿4~5mなど
リール:3000番~5000番
ライン 道糸:ナイロンライン5号~8号、PEライン2~3号
ハリス:フロロカーボンライン5~10号

最適な泳がせ仕掛けの種類4選

ヒラメの泳がせ釣りは、活きエサを針に付けて泳がせることで、ヒラメを誘う釣り方です。初心者でもセットしやすい定番の仕掛けを紹介します。ヒラメはわりと底から浮いてきて捕食をしますが、基本は1m以内を小魚が泳ぐように仕掛けを作るといいです。

胴付きぶっ込み

仕掛けの一番下にオモリがくる仕掛けを胴付きといいます。胴付きでその間に三叉サルカンで分岐して針をセットし、活きエサを付けて投げ込む仕掛けとなります。また、下記仕掛け図のような半遊動式にするのもエサが弱りにくく、捕食時に違和感を与えにくいためオススメです。

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泳がせ胴付き仕掛け図例(作図:TSURINEWS関西編集部 松村)

他の仕掛けと比べてのメリットは、堤防の捨石周りなど障害物の多いポイントを狙う際に、根掛かりしても捨糸のおかげでオモリのみ外れ、仕掛けを回収できることです。

エレベーター式

こちらも胴付き仕掛けですが、その間にある針が固定されておらず遊動式となります。

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泳がせエレベーター仕掛け図例(作図:TSURINEWS関西編集部 松村)

活きエサが上下移動することで広い範囲を探ることができ、エサの小魚が弱りにくいメリットがあります。タナは小魚任せになるため底付近をピンポイントでは狙えず、ヒラメの活性が低く捕食時に底から浮いてこない場合は釣果が得られにくいこともあります。そのため、青物も併せて狙うときなどに使うといいでしょう。

投げ釣り

通常の投げ釣り同様に重りを付け、その先に針をセットして活きエサを掛けて投げ込む方法です。食い込みをよくするため遊動式の仕掛けを使うのがオススメです。遠投が出来て誘いを掛けやすいので、死にエサを使う場合も有効になります。

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泳がせ投げ釣り仕掛け図例(作図:TSURINEWS関西編集部 松村)

サビキ

五目釣りの代名詞であるサビキでエサを掛けた後、そのまま放置してヒラメを喰わせる仕掛けです。仕掛けは通常のサビキよりも太いものを使います。

サビキに小魚が付かないと釣りにならないので、釣り場にベイトが多く回遊している時などに効果的です。

泳がせるエサは?

現地調達が容易な「アジ」「サバ」「イワシ」などが良く使用されます。現地調達の利点は、現地で実際にベイトとなっているのでヒラメが警戒せず釣れやすいことにあります。アジやイワシなどは釣具屋さんで活きエサを入手しやすい魚でもあります。

活きエサの掛け方

泳がせ釣りですので魚、が弱ったら釣果は下がります。

なるべく魚を弱らせないために親針を刺す場所は、魚の目の前方に空いている鼻の穴に掛ける「鼻掛け」と「上顎」の2か所いずれかにて選定するのがよいです。孫針は背や尻ビレ付近に打ちます。12cmに満たないような豆アジなどの小魚を使う場合は弱りが早いので孫針を使わず、親針のみにするのもいいでしょう。

死にエサでもチャンスはある?

死にエサよりも活きエサのほうが縦横無尽に動きますので釣果は高くなります。しかしながら死にエサでも背掛けや頭の後ろに針を掛け誘うことで、海の流れを受けフワフワと動いたりするので十分釣れる可能性はあります。また活きエサよりも遠投して狙うことができるのでポイント次第では有利な場合もあります。

泳がせの釣り方とアワセ

活きエサを使う際は基本は投げて待つだけの簡単な釣りです。アタリはヒラメが泳がせのエサを見つけて捕らえる際にエサは逃げようと暴れるため、竿先にバタバタと揺れるような反応があることが多いです。これを前アタリと言いますが、この前アタリがあってガツンと本アタリがきます。

ここでアワセたくなりますが堪えてください。ヒラメは口の中でエサを飲み込みやすいようにパクパクと位置を調整します。

この時に合わせると残念ながら掛けが甘くなり逃げられてしまいます。昔から「ヒラメ40」と言われており、アタリから40秒待ってアワセると良いと考えられているように、飲み込むまで待ってからアワセましょう。

ルアーで狙う際のタックル

ヒラメをルアーで狙う場合に、釣果を左右するのは間違いなく遠投性があるかどうか。広いレンジを手際よく探ることが出来ればヒラメに出会う可能性も高くなります。陸っぱりタックルのおすすめは次のようなものがおすすめです。

ロッド:9ft(約2.7m)~11ft(約3m)のルアーロッド
リール:3000~4000番

10ftロッドで3000番を使用すると少しパワー不足を感じる可能性があります。4000番を選ぶと9ft~11ftくらいまでのロッドが対応でき汎用性が高くなります。

ライン:PEライン 0.8号~1.2号(8本編み込み)

道糸はナイロンでも十分可能ですが遠投する時の飛距離はPEラインのほうが圧倒的に飛距離が出ます。よって現在定番なのはPEラインとなります。

ショックリーダー:フロロカーボンライン4~6号(16lb~22lb)

陸っぱりで使うルアーは? 

ヒラメ狙いのルアーフィッシングで代表的なルアー3種を紹介します。

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ヒラメに使用するルアー(提供:TSURINEWSライター・奥田敦人)

ジグヘッド+ワーム

定番の組み合わせとなります。ジグヘッドという重りがついた針にワームをセットした組み合わせです。ジグヘッドの重さ次第で飛距離を稼ぐことも可能となります。ワームのリアルなアクションでアピール力は非常に高く効果的です。

ミノー

細身のロングボディーミノーも定番のルアーです。形状や動きもベイトに似せて作成されているのが特徴です。過去のミノーは飛距離が出ないものが多かったのですが、現在のミノーは遠投機能を搭載しており広いレンジを探れるようになっております。

メタルジグ

金属の塊で出来たルアーです。ルアーの中では圧倒的な飛距離を誇ります。ギラギラとした金属的な光を放つタイプや、リアルな小魚フォルムのルアーもあります。左右非対称形状もあり不規則なアクションも可能なのが特徴です。

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ベイトに合わせたルアーチョイスが有効(提供:週刊つりニュース中部版 APC・藤田和也)

ルアーでの釣り方

ルアーでの釣り方もどのようなルアーを使用するかで釣り方は異なります。オーソドックスな釣り方は次の方法です。

ただ巻き

その名の通りルアーを投げてただ巻くだけです。投げた後何秒沈めるかで狙うレンジを変えることが可能です。余計なアクションを行わないことがリアルな小魚を演出することになります。ミノーやメタルジグでよく使用される方法です。

リフト&フォール

ロッドを大きく上げてルアーを海底より引き上げ、その後ロッドを下げてルアーを沈めるアクションです。小魚が天敵から逃げて浮上する様を演出します。ジグヘッド+ワームやメタルジグでよく使用される方法となります。

狙うレンジ

ヒラメの目は他の魚と異なり上を向いています。ボトムギリギリを狙うよりも、ボトムより50cmから1m上を狙う方が効果的となります。

陸っぱりヒラメ釣りの注意点

ヒラメ釣りに挑戦するにあたり、気を付けるべき点をまとめました。

ライフジャケットの着用

ヒラメ釣りに限りませんが、不注意や体調不良が原因でいつ海に落ちるかわかりません。

どの釣り場でもライフジャケットを着用し、最低限の安全確保は必ず行いましょう。

天候確認

釣行日の天気や風の強さなどは必ず確認しましょう。急な雨は体温を急激に奪います。寒い時期なら命の危険にも繋がりかねません。

海の状況確認

潮の満ち引き時間や釣行当日の波の高さなどは確実に把握を行いましょう。特にサーフでの波が高い日の釣行は危険を伴います。そこに満潮などのタイミングが重なると波に足をすくわれ流される可能性もあります。

自分の身の回りの安全は、自分自身できちんと把握して楽しい釣行にしましょう。


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<TSURINEWS編集部>

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