ゴールデンウイークは終わったが、まだまだ朝晩の気温差が大きい時期が続く。だが海の中の季節は確実に進行しており、ゆっくり夏に向かっている。

身近な堤防もにわかに活気づいてきた。今回はそんな安近短、初夏の堤防釣りを紹介したい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

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堤防へ出かけよう

海の海水温は陸の気温より1カ月遅れと言われている。つまりゴールデンウイークごろの海水温は、陸でいえば3月下旬~4月上旬の気温と同じだ。つまりまだまだ肌寒く、Tシャツ&短パンで出かけようものなら寒さで震え上がってしまう。

【2022年・初夏】堤防釣り入門 サビキ・ちょい投げ・ブラクリ徹底解説
休日にはぜひ家族で釣行したい(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

人間はやれ大型連休だと騒いでいるが、魚たちの活性はまだまだ上がりきっていない。特に今年の冬は雪が多く、中部、北陸エリアの海はかなり冷え込んでしまった。まだまだ水温が低くて……という言葉はあちこちで聞かれたものだ。

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GWを境に堤防には釣り人が急増(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

だが5月も中旬を過ぎれば、水温も徐々に上がってきて、お魚たちもようやく本格的に動き始める。手軽に楽しめる堤防でも、十分な釣果を得られるようになる。

対象魚

まず最も手軽な釣りのターゲットである回遊魚たち。アジやサバ、イワシ、サッパなどがそうだ。回遊次第なので当たり外れはあるものの、情報さえしっかり押さえて釣行すれば、高確率で楽しめる対象魚だ。

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サビキの主役はなんといってもアジ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

夏の魚の代表格であるキスもシーズンイン。

本格的な投げザオで遠投して狙う本格的な投げ釣りが王道なのかもしれないが、手持ちのタックルでチョイ投げでも十分楽しめる。ゲストでも多彩な魚が顔を出してくれるので、何が釣れるか分からない楽しみもある。

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チョイ投げのメインターゲットはキス(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

カサゴやハタなどの根魚もターゲット。各堤防にあるテトラや堤防際の敷石などをじっくり狙えば、おいしい土産を手にできるかも。ハタ類なら三重県の紀東方面では、オオモンハタやアカハタなど、日本海側ではキジハタが増えてくる。

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三重県・紀東エリアではオオモンハタが増えてくる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サビキ釣りのタックル・仕掛け

サビキ釣りに必要な釣り道具を紹介しよう。

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サビキで鈴なり(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サオ

3m前後の磯ザオや堤防用の振り出しザオ。まきエサを入れたオモリ付きのアミカゴは結構な重さになるので、少し胴のしっかりしたものを使おう。磯ザオの号数でいえば2~3号ぐらい。量販店の店頭に並んでいるサビキ釣りセットなどでもいい。

リール

個別でリールも買うなら小型~中型スピニングリール。ミチイトにはナイロンライン3~4号を巻いておく。イト付きの安価なものでも良く、イトを巻く手間が省ける。

仕掛け

仕掛けは市販のサビキ仕掛け。購入時に最も留意すべき点はハリのサイズだ。これから日本海の各堤防で釣れだす豆アジを狙うのであれば、ハリは3号以下。

紀東方面で20cmクラスの良型を狙うのであれば、5号以上を選択しよう。

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ギミックの素材とハリの大きさが大事(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

たかがサビキと侮るなかれ。仕掛けによって天と地ほどの差が出ることもあるのだ。ギミックの素材はピンクスキンやハゲ皮などいろいろあるが、できれば2~3種類は持っておきたい。

エサ

サビキ釣りのエサは、最も定番となっているアミエビ。だがそのにおいが苦手という人も多い。服についたら洗濯でもしない限り、においが取れないことも。

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アミ姫シリーズ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

だが最近ではアミ姫シリーズなど、フルーティなにおいのするチューブ式のアミエビが発売されている。

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手が汚れにくい(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

チューブ式なので手が汚れにくいし、手についても嫌なにおいは一切しない。常温で保存できるので、道具入れの中に常備しておいてもいいだろう。

サビキ釣りの釣り方

サビキ釣りでアジやサバを狙う場合、仕掛けの次に大事なのがタナだ。底が見えているような浅場であれば魚のいる深さに仕掛けを合わせてやればいいが、水深のあるポイントでは狙うタナが重要になる。

アジ狙いであれば、まず基本は底を狙う。いったん仕掛けを底まで落としてイトフケを取り、大きくサオを2~3回あおってカゴからまきエサを放出してやる。

そのまきエサの煙幕の中にサビキ仕掛けを滑り込ませるイメージだ。

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回遊次第でまとまった数が釣れる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サバやイワシなどは、中層より上にいることが多い。透明度の高いエリアであれば、上から泳ぎ回るイワシやサバが見えることも。

チョイ投げのタックル

チョイ投げの道具は次の通り。

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チョイ投げではキスが絶好機に入る(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サオ

キスを狙う場合は、ブルルンッという独特のアタリを楽しむため、感度のいいタックルがいい。エギングロッドや長めのバスロッドに、伸びがないPEラインの組み合わせがベストだ。

イト&仕掛け

ミチイトのPEラインの太さは0.8号ぐらい。普段エギングに傾倒している人なら、そのままのタックルを流用できる。これに15cmほどの片テンビン、オモリは6~12号までをそろえておこう。

仕掛けはサオが短いので、全長が短めのもの。こちらも市販品で十分だが、船やボート用のキス仕掛けを買うといい。狭い船上で取り回しがいいように、全長が短めに作られているものが多い。他にハゼ用のブッコミ仕掛けでもOKだ。

ハリの号数は7~8号ぐらい。最近ではテンビン、オモリ、仕掛けがセットになったものも売られている。

根魚を狙うときは、堤防際やテトラの穴を狙うのか、あるいは少し投げて沖のシモリ周りや敷石周りを狙うのかで、サオが変わってくる。

エサ

キスのエサはイシゴカイかアオイソメ。1パイ買えば半日は十分に遊べる。またゴカイ類が苦手という人には、パワーイソメやミニイソメなどのバイオワームがお勧め。エサ取りに強いので、本物以上の結果を出すことも珍しくない。

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ムシエサが苦手な人はバイオワームがおすすめ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

チョイ投げの釣り方

チョイ投げで狙うキスだが、まずエサの垂らしを短くすること。あまり垂らしすぎると、キスに食い逃げされてしまうことが多い。

エサを刺してキャストしたら、まずいったん仕掛けを底に沈めてオモリが底に着いたらすぐに2~3回リールを巻いて仕掛けを底で一直線にしてやる。これでテンビンに仕掛けを絡むのを防ぐ。

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チョイ投げでよく交じるメゴチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

その後はゆっくり底を引きずりながら、時々止めてアタリを待つ。アタリがあっても即アワセはNGだ。食い込むまで待ち、時には少し穂先を送り込むぐらいの気持ちを持とう。

しっかり食い込んだと思ったタイミングで、ゆっくりサオを立て一定のスピードで巻き取ろう。手前に敷石がある場合は、仕掛けが引っ掛からないようにサオを少し上げ気味にして巻き取るといい。

根魚狙いのタックル

今回は足で釣果を稼ぐ足元狙いのタックルも紹介したい。

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根魚狙いではブラクリ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

サオ&リール

クロダイ用のイカダザオかテトラザオと呼ばれる先調子の短ザオ。これに小型の両軸リールをセットする。

イト&仕掛け

ミチイトはナイロンラインかフロロカーボンラインの3~4号。仕掛けはいたってシンプルなブラクリと呼ばれるハリとオモリが一体化した、テトラの穴釣りなどでよく使われるものだ。

このブラクリをミチイトの先に結ぶだけでOK。最もセッティングが簡単といえよう。

エサ

根魚用にはオキアミか切り身がお勧めだ。ゴカイ類でもいいが、冷凍できるエサは余ったら再冷凍してまた使えるのがうれしい。

根魚狙いの釣り方

根魚狙いでは、テトラの穴釣りが最も高確率だが、足場が非常に悪くお子さん連れには決してお勧めできない。根魚を狙うのであれば、堤防際をじっくり攻めていく。

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夜の方が圧倒的に有利(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

昼間でも十分釣果は望めるが、夕方から夜にかけてが圧倒的にアタリが多く、釣れるサイズも上がる。

ただし夜の釣りは昼の釣り以上に危険がいっぱい。安全面には十分に配慮したい。

あると便利なアイテム

まず魚をつかむフィッシュグリップ。魚をつかむのが苦手な人は必ず用意しておこう。

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魚を触るのが苦手な人に便利(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

水くみバケツとタオルは手洗い用に必須。タオルは数枚用意しておこう。

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手洗い用の水くみバケツ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

またお子さん連れで出かけるときは、釣った魚を入れて観察できる透明の観察ケースがあると面白い。少し早いが夏休みの自由研究にもぴったりだ。

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夏休みの自由研究にも(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

足場のいい堤防でもライフジャケットは必須。船で使う膨張式は、落水したときに体を強打する可能性があるので、ベストタイプがお勧めだ。

他にはクーラーボックス、休憩時に便利なサオ立てなどもあると便利。

暑さ対策は十分に

これから日中の気温がどんどん上がってくる。冒頭で述べた通り、だからこそ魚の活性も上がってくるのだが、人間側の方はしっかり暑さ対策をしたい。

35度を超えるような猛暑日はまだないだろうが、帽子は必ずかぶりクーラーボックスは大きめのものを用意し、飲料や氷は十分すぎるほど入れておこう。


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<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2022年5月27日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【2022年・初夏】堤防釣り入門 サビキ・ちょい投げ・ブラクリ徹底解説 first appeared on TSURINEWS.
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