梅雨グレは、寒グレシーズンに続いて大型グレが狙える時期である。いい日に当たれば、良型のグレが入れ食いになることも。

しかし、それはそのときの潮の状況、仕掛け、ポイントなどをうまく見極めた者だけが釣ることのできる梅雨グレならではの釣りになる。ジメジメとした季節を吹き飛ばすような梅雨グレの魅力と攻略法を解説したい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

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今シーズンの予測

今年は寒グレ時期に各地で大型グレの釣果が上がり、良い寒グレシーズンだった。寒グレシーズンに釣果が上がると、続く梅雨グレシーズンも釣果が期待できる。5月から各地で半夜釣りが始まり、地域によっては早くも大型グレの釣果情報が入ってきている。

最近は寒グレよりも梅雨グレの方が良い釣果が得られることもあり、今シーズンも期待できそうだ。

梅雨グレシーズンの魅力とは

梅雨グレとは、春先に産卵を終えたグレが体力回復のために、活発にエサを追い始める季節である。グレは口太、尾長ともに狙うことができ、口太グレは寒グレシーズン同様に50cmを超えるサイズが釣れることもある。尾長グレは良型の回遊もあり、タイミングが合えば良型が連発することもある。

【2022年】磯での『梅雨グレ』フカセ釣り入門 タックル・エサ・釣り方
尾長グレのパワーは強烈(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

もちろん、お土産に喜ばれる旬のイサキやマダイなどの食べておいしい魚も釣れる。

体力の回復したグレの強い引きや大型グレの数釣りなど、魅力あふれるシーズンが梅雨グレなのだ。

タックルとライン

梅雨グレ狙いのタックルを紹介しよう。

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タックル図(作図:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

サオ

大型の口太グレや尾長グレを狙う場合、1.5号を標準にワンランク上の1.7号も用意したい。数釣りが狙いの場合は1.25号でも問題ない。

リール

スピニングリールの2500~3000番のレバーブレーキタイプ、ミチイトはナイロンライン1.5~2.5号、ハリスはフロロカーボンラインの1.5~3号までと幅広く持ち、口太がメインなら1.5~2.5号、尾長狙いなら2.5~3号を用意したい。

ウキ

軽い浮力から重いものまで用意し、そのときの状況で判断したい。例えば波風もない状況なら軽い浮力のウキでゆっくり攻めていきたいし、風や波がある状況で仕掛けがなじまないときは、重い浮力のウキで対応してほしい。

ハリ

口太が主体なら細軸タイプの5~7号、尾長や大型のマダイなどが狙えるポイントでは、太軸の6~8号のハリを用意したい。

特に尾長グレにハリをのまれてよくバラしてしまう人には、各メーカーから出ている尾長グレ専用のハリがお勧めだ。尾長専用設計になっているハリは口元にしっかり掛かるので、バラシが確実に少なくなる。ぜひお勧めしたい。

まきエサについて

梅雨グレのシーズンになると、各エリアで半夜釣りや通し釣りが始まる。釣りをする時間によってまきエサの量を決めていこう。

最初にまきエサの種類だが、配合エサを混ぜた生のオキアミか、ボイルオキアミにするかこれもよく意見が分かれるが、それぞれにいいところがある。配合を混ぜた生オキアミはまきエサワークでグレとエサ取りを分離し、本命を釣り上げるゲーム性が高い釣りができる。磯際はもちろん、遠投ができるので広範囲に渡ってポイントを探ることができる。

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まきエサに混ぜる配合エサ(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

そして、ボイルオキアミはエサ取りを寄せ過ぎず大物を狙うのにいい。最近では、配合を混ぜた生のオキアミとボイルオキアミを両方持って行き、磯際での大物狙いにはボイルオキアミを、潮に乗せて遠投して狙う際は配合を混ぜた生のオキアミを使っている人も見かける。

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セパレート式が便利(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

各メーカーから出ているセパレートバッカンで、1つのバッカンを半分に仕切って、配合エサとボイルオキアミとに分けて使用すると便利だ。

まきエサワーク

寒グレシーズンとは違い、グレの活性はもちろんエサ取りも動きだすのがこの梅雨グレシーズンだ。まきエサワークがおろそかになると、エサ取りにやられて本命を釣り上げることができずに終わってしまうこともある。

まきエサの目的は魚を寄せることはもちろん、エサ取りとグレを分離して本命を釣り上げるものだが、ただまくだけはエサ取りがたくさん集まり、さしエサをグレまで届けることができない。そこでエサ取りをかわして、本命の良型のグレを釣り上げるためのテクニックがまきエサワークだ。

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エサ取りをかわそう(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

まきエサワークで一番よく使われる方法が、まきエサを足元と沖へ打ち分け足元にエサ取りを集め、沖で良型グレを狙う方法だ。

これは磯際にエサ取りがたくさんいてさしエサが残らない場合や、コッパグレばかり釣れてサイズが上がらない場合、また沖に良さそうな流れや潮目、潮だまりがあるというような場合に有効な戦法だ。

もちろん足元と沖に限定するわけではない。全体的に水深が浅く、沖でもエサ取りがわいてしまう状況なら、応用を利かせてまきエサを左右で打ち分けてもいい。

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梅雨時期はイサキなどうれしいゲストもヒットする(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

次に時間差で攻略する方法。良型グレはエサ取りよりも少し深いタナでエサを取っていることがある。まきエサを打ってしばらくしてからさしエサを投入し、まきエサを打ったポイントから少し離れた場所にさしエサを落として、時間差でまきエサとさしエサを合わせて釣る方法などがある。

釣り方

この時期は、磯際でも沖でも良型が狙える時期だ。状況的には、梅雨らしい曇りの日や、足元からサラシが出ているポイントがお勧めだ。

朝一番などのマヅメ時はまだエサ取りの活性も低かったりするため、エサ取りがいなければ磯際をしっかり狙ってみよう。

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サラシができる磯際は必ず狙いたい(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

磯際には思わぬ大物が潜んでいることがある。もし、磯際で大物を掛けたならば、イトは出さずにサオで限界までこらえよう。磯際でのやり取りは一瞬の判断が明暗を分ける。

私も磯際でなすすべもなく、一瞬で切られた経験を何度もしたことがある。磯際では、しっかりとした太仕掛けで強気のやり取りができる状態で挑みたい。そして、磯際でのエサ取りが多いようなら沖へとポイントをシフトしよう。

この際はただ漠然と沖を狙うのではなく、潮の流れの変化を狙い、沖の潮筋やヨレを狙っていこう。

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豪快なやり取りを楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

寒の時期に比べて、グレが食うタナも上がっているので、浅いタナを狙っていこう。タナ2~3ヒロほどのタナを狙っていくと、ウキがいきなり消し込んだり、ラインがバチバチ走るといったことが起き、興奮のやり取りを味わうことができるだろう。

そして、夕マヅメはまた磯際を狙いたい。浅いタナで本命の良型のグレが食ってくる。

サラシの中を浅いタナで狙うと、突然の大物がヒットすることがある。尾長グレも磯際まで来てさしエサと食うことがあるので、最後の最後まで気を抜かずに攻めていこう。

大型グレを狙おう

冒頭でも書いたが梅雨グレの魅力は、尾長グレ、口太グレともに40cmを超えるサイズが狙えるシーズンということにある。

40cmを超えるグレとのスリリングなやり取りや、その獲物を手にしたときの興奮や感動は何ものにも代えがたく、それこそ梅雨のジメジメとした季節、気分を吹き飛ばしてくれるだろう。

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40cmオーバーの尾長グレ(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

大型のグレを狙うならば、チャンスを確実にモノにしよう。チャンスをモノにすると言うことは、掛けた大型グレをバラさないことにある。そのためには太いハリスで挑むことが必要となる。

太ハリスだと、細ハリスに比べて食いが悪いイメージがあるが、グレの時合いに入ればさほど関係ないと私は思う。細いハリスで大型を取り込む技術も、太いハリスで大型を食わせる技術どちらも大切だが、後者の方が大型グレを釣り上げるチャンスは高いと思う。

暑さ&雨対策は万全に

梅雨グレシーズンは、その名の通り梅雨の季節の釣りだ。晴れの日と雨の日では気温も大きく変化し、日中は真夏日のような暑さになるときもあれば、湿気が多いジメジメとした不快な釣りになることもある。暑さへの対応はもちろん、雨への対応も心がけてほしい。

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条件が良ければ数釣りも楽しめる(提供:週刊つりニュース中部版 黒瀬義人)

そして磯釣りは、日常では味わうことのできない風景や感動ができる素晴らしい釣りだと思う。

その釣り場を未来永劫に残していくためにも、釣り人のマナーが重要となってくる。1人1人がマナーを守って磯釣りを楽しんでほしいと思う。

<週刊つりニュース中部版 黒瀬義人/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2022年6月10日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 【2022年】磯での『梅雨グレ』フカセ釣り入門 タックル・エサ・釣り方 first appeared on TSURINEWS.
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