「居着きのシーバスは臭い」と釣り人からは敬遠されがちなスズキですが、普通にスーパーで売られているのをご存じですか?今回はおいしいスズキの見分け方を、奈良県中央卸売市場の丸中水産株式会社勤務の著者が紹介します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

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スズキの種類と呼び名

これからの時期、旬を迎えるのがスズキ。スズキにはヒラスズキ、養殖が主なタイリクスズキの3種類がいるが、本物のスズキは、ヒラスズキと区別するためにマルスズキとかと呼ばれて、釣り人的にシーバスと呼ばれる魚です。

ちなみに、シーバスは鮮魚店ではあまり通じません。それよりセイゴ、ハネと出生魚の呼び名のほうが関西では通じます。中京ではマダカ、関東でフッコと出生魚でも呼び方が違うのも面白いです。

プロが教える【スズキの目利き】 切り身は透明感をチェックしよう
大阪湾産スズキ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

居着きのスズキも食べられる

以前、本サイトで沿岸部や汽水域のスズキは匂いがきつく食べられないという記事が載っていましたが、居着きのスズキでも今は殆ど食べられます。

確かに20年くらい前の大阪南港のスズキは水質悪く臭いものも多かったです。エラの匂いを嗅ぐとケミカル臭い魚もいました。が、口臭で判断はしません。持ち帰り方にもよりますが、きちんとしめて、血抜き、内臓まで釣り場で処理をすれば、ほとんど食べられます。

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しっかり処理するのがミソ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

千葉・三番瀬で獲れる旬のスズキはプライドフィッシュにもなっているし、宍道湖のスズキは七珍に入り有名です。大阪でもスズキの水揚げは上位で、活躍しております。

漁獲方法は定置網、底曳、刺し網等で年中獲れており。特にサワラ流し網でもスズキの混獲は多いようです。

また、浸透圧調整で汽水域など河口のスズキは、川魚の匂いになっているものもいます。

自分は皮が匂うと思えば干物でも鍋でもムニエルでも、皮を引いて調理します。内緒ですが、これからの時期はお鍋もうまい。フライもタラよりおいしいです。

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スズキは手近の海で狙える大物(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

ヒラスズキ

スズキとヒラスズキの区別は、魚体の色で分けると書いてあることもありますが、最近の温暖化でヒラスズキの分布も広がっていて色だけでは判断しにくいです。やはり体高と下あごに鱗があるかどうかで判断してほしい。鱗があればヒラスズキ。値段、食味的にはヒラスズキのほうが高いです。

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ヒラスズキ(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

タイリクスズキ

3年で70cmまで成長するのがタイリクスズキ。養殖魚として台湾から輸入されたものが逃げ出して主に関西に多いです。味も値段もスズキとかわらないです。有明海ではスズキとタイリクスズキが交配しているという話もあります。ハネクラス(~50cm位)でも黒点があるのだが、スズキでもセイゴクラスには黒点があるものもいて、同定しにくいです。

スズキの目利き

鮮度の見分け方は1匹で売られていれば、まず指ではじきます。鮮度がいいとミミズ腫れみたいになります。

胸鰭の付け根を叩くようにしても鮮度が良ければ胸鰭が立ちあがります。

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小顔がいい?(提供:TSURINEWSライター有吉紀朗)

エラの真紅さは氷水でくすんでいることもあります。肥っているか痩せているかは見てわかりますが、小顔がいいのは人間も同じです。

しかし1匹ものを置いているスーパーはほとんどなく切り身が主だと思います。刺し身用のサクや切り身でパックされているものは身の色の透明性がカギです。時間が経つほど白くなってきます。


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<有吉紀朗/TSURINEWSライター>

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