夏になると釣りの好ターゲットになるメッキアジ。しかし、実はメッキアジという種類のアジは存在しないことをご存じでしたか?

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

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メッキアジとは?

メッキアジというサカナをご存じですか?夏から秋にかけて釣りの好ターゲットになるサカナで釣り人の中ではそこそこの知名度があります。

しかし、メッキアジという名のサカナは実は正式には存在しておらず、一部のアジ類の総称・呼称となっています。

このメッキアジというのは、ロウニンアジやギンガメアジなどの大型になるアジ類複数種の幼魚時代の総称なのです。いずれもスズキ目アジ科ギンガメアジ属の魚で、太平洋やインド洋、亜熱帯域の海に生息しています。

日本での生息域

日本では九州以南の暖かい海に成魚のロウニンアジやギンガメアジは生息しています。

これらの大型のアジは大海原を泳ぐサカナだと思われがちですが、ギンガメアジはほとんど淡水のような河川でもその生息を確認されています。

また、メッキアジについても、汽水域で釣りのターゲットになっていることが殆どで、ギンガメアジ属のサカナは淡水に強いようです。

生息域について、南から流れる黒潮の影響で関東地方の海でも夏から秋にかけてはこのメッキは確認することはできますが、一年を通して生息しているのは九州以南だけです。この話についてはもう少し後で触れていきましょう。

メッキアジは複数種の総称・呼称

メッキアジが複数種の総称であると言いましたが、実はメッキアジはかなり種類が多いです。日本で確認されているギンガメアジ属のサカナがこれらにすべてに当たり、「ロウニンアジ」「ギンガメアジ」「ミナミギンガメアジ」「オニヒラアジ」「イトウオニヒラアジ」「カスミアジ」「カッポレ」、以上の7種すべてがメッキアジやメッキと呼ばれているのです。

幼魚のメッキアジはかなり似ているので見分けはつきにくいですが、釣り人の中にはしっかり見分けられる人もいるようです。

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ロウニンアジ(出典:PhotoAC)

他の呼び名も

メッキアジというのが正式名称ではなく総称・呼称と説明しましたが、他によく呼ばれる地方名として、エバ、ヒラエバという呼び方もあります。

これは四国や山陽地方で使われている呼び名です。

他にもゼンメ、ガツン、クチミチャーという呼ばれ方もあるようです。

死滅回遊魚

一年を通して生息しているのは暖かい海だけであると前述しましたが、メッキアジは黒潮に乗って関東地方までやって来ます。

しかし、メッキアジにとって関東地方の海水温は低く、夏の水温の高い時期を終えると、冬を乗り越えることが出来ません。こういったサカナは「死滅回遊魚」と呼ばれています。

しかし、最近では夏を終えると死んでしまうと考えられていましたが、関東付近に流れ着いた場合でも、工場排水により温かくなっている海域では生き残ることがあるとわかっています。

だからといって1m近くになることは確認されていないので、本来の寿命よりは長く生きられないようです。最近では物悲しい呼び名は使われなくなり「季節来遊魚」と呼ばれているようです。

メッキアジは結構おいしい

ちなみにメッキアジは釣りの好ターゲットではありますが、リリース前提のルアーフィッシングの対象になることが多く、釣り上げられても食されることが少ない様です。

体型が薄いため、身があまりとれないことや、汽水域で釣れることが多いことも、進んで食べる人が少ない理由になっている様です。

しかし、このメッキアジ、実は味はまったく悪くなく、むしろアジという名前が付く通り非常に美味しいサカナです。ちなみに、筆者のおススメはアジフライで、体高のある身は開くとマアジよりも大きく見え、非常にボリューム満点です。

釣れた際は、騙されたと思って是非一度ご賞味ください。

リリースは優しく

関東地方では夏を超えられないと言われていますが、暖かい海では問題なく冬を越えられ、成魚になれば1m近くにもなり、釣り人のあこがれのサカナに変身します。

関東地方などでは難しいですが、リリースする際は大きくなることに期待を込めて優しくリリースしてあげて下さいね。

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<近藤 俊/サカナ研究所>

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