7月下旬、福井県敦賀湾に続き、今回は福井県茱崎漁港に停泊している「HOZAN」に乗り込み、越前沖のイカメタルを楽しんできた。前回同様、釣果は今一つであったが、スッテのカラーや重さなど、試行錯誤して釣果に結び付けてきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター笠野忠義)
福井の茱崎漁港から出船
今回、釣友のお誘いがあり、福井県の茱崎漁港に停泊しているHOZANに乗り込んだ。茱崎漁港周辺には磯場が点在しており、磯釣りやエギングが盛んで、春アオリの釣果の実績が高いポイントである。しかし、港内は釣り禁止となっているので注意が必要である。
漁港の隣には海水浴場があり、そのそばには日帰り温泉がある。また、南には越前水仙の里や、越前海岸のドライブスポット、北にはバイカー御用達の素敵な喫茶店などの立ち寄りスポットがある。漁港までのアクセスは南の敦賀方面から来ると、越前海岸を通ってくることになる。夏場はとても気持ちがいいドライブが楽しめるだろう。

HOZANでイカメタル釣行
当日は微風で、波も穏やか。福井市内の釣具店からの情報では、やはり釣果はぱっとしないとの情報だった。前の週は、ベイトの反応があまりない状況だったとのこと。船長の話も、釣果は敦賀同様に今一つ。また日中にイルカが出現するという状況のようだ。不安材料がある中、HOZANに乗り込んだ。

オバマリグで開始
船長の指示でスッテ20号からのスタート。今回は初めから「オバマリグ」で臨んでみた。明るいうちはボトム中心に探るのでドロッパーはいらないだろうという考えからスッテ単体にしているが、前回同様、早くアタリを出して状況をつかみたいことからオバマリグを入れてみた。この辺は、自分のこだわりというか……。ボトム中心を探りながらの釣りでもオバマリグを入れるのは何ら問題ない。ロッドは前回も使用した2台を持ち込んで、どちらにもオバマリグをセットした。
タックル
ロッド:エメラルダスMX イカメタル K56ULB-S
リール:スパルタンMX IC150HL
ライン:エメラルダスデュラセンサー×8 0.6号
ロッド:エメラルダスAIRAGS イカメタル N65LB
リール:キャタリナ IC 100SHL
ライン:エメラルダスデュラセンサー×8 0.6号
スッテのカラー選択術
多分、エギング同様に「スッテのカラーは?」という人も多いだろう。イカメタルはエギングほどカラーにこだわることはないかと思う。昨今は、各メーカーから様々なカラーが出ているが、そこは自分の信頼がおけそうなカラーを選んでいただければよいと思う。
ざっくり言ってしまうと「派手なカラー」「地味なカラー」になる。スッテに関しては、エギングのエギのように上布・下布があるわけではない。ぱっと見て派手に見えるか、地味に見えるか、しかない。
私の場合は、日が高いうちは、派手なカラーから入って、状況を見てその後を判断。違う派手めのカラーをいれるか、今度は地味めのカラーを入れてみるか。自分から状況を変えて、どれがアタリなのか正解を出したいという思いでスタートしている。

エギング的な考えも
オバマリグのドロッパーにエギを使用の時は、エギング要素を入れても面白い。日の高いうちはケイムラやマーブル、金テープなど。夜焚きの時はグローや、ナイトエギングで実績のあるカラーを入れてみてはいかがだろうか。
「迷わない」が大事
カラーについては「この時はこれだ!」という明確なものがない。たまたまその時にそのカラーが効いただけかもしれない。「イカの気持ちに……」とよく聞くが、イカに直接聞いてみないとわからないし、イカはしゃべらない。「どれにしようか?」と迷っているうちに時合いが逃げていくかもしれない。
こう言ってしまうと、元も子もないかもしれないが、カラーに関しては「迷わない」こと。リグを回収したときに「今度どれにしようかな?」と考えずに、誘っている最中に「今、このカラーを使っているから、今度はこれを入れてみよう」と組み立てることが釣果を伸ばす一つかもしれない。
カラー交換もアタリなし
タックルケースを開け、まず目についたオレンジ系のスッテと、スッテとは逆に地味目のエギを投入した。自分の思うタナを一通り誘い、反応がなければどんどんカラーを交換してみた。
サミングは必須
リグを落とすときは、必ず「サミング」を忘れず行うこと。余分なラインを出さずに、リールのライントラブルを避けよう。軽くキャストしてカーブフォールで誘おうという時も同じ。サミングしていないと、当然のことながらリグが着水したときに余分なラインが出てしまう。そのまま巻き取ってしまえばライントラブルは避けられないだろう。
誘った後は「止める」
誘いを入れた後は、「しっかり止める」こと。リグを安定させてしっかり止めて待つことでイカに対して違和感を与えないためだ。止める時間は自分でいいと思うまで止めておくといい。自分は最低でも10秒ほど待つと決めているが、きびきびした動きでアタリを出したいときは5秒ほどで誘いを開始することもあれば、10秒以上待って様子を見ることもある。
ロングステイという言葉があるくらいだ。長かれ短かれ、誘った後は「しっかり止める」こと。流れが無ければティップはそのままの角度でキープされるであろうし、流れがあればリグが斜めに入り、ふわふわすることもあるだろう。
2時間経過で待望のヒット
釣り開始から2時間。ライトがついて小一時間過ぎた辺りから、ようやく反応が出てきた。水深約50mで19m~22m辺りで反応が出て、ようやくヒットした。流れが緩くなってきて、スッテを20号から15号に落としてしばらくしてからのヒットであった。その後もぽつぽつと3杯ほどかけたが、そこからまたピタッとアタリが遠のき、厳しい時間が過ぎた。

魚の群れ出現
アタリが遠のき一服したあたりだろうか、辺り一面カタクチイワシの群れだらけになった。確かに、ラインにコツコツアタる感触が伝わってくる。しかし、カタクチイワシがいるということは、いずれ魚が入ってくる可能性がある……と思っている矢先に、小型青物の群れが入ってきて、一段と釣りづらい状況に。

カラーと重さを変更
スッテやラインに魚が当たってきて集中が途切れてきた。ここでリグを派手めにしていたのを地味めに、スッテの号数も12・15号から20号まで上げた。カラーは、派手だと魚に発見されやすいという観点からのチョイスである。リグの号数だが、魚の層を早くに突破したいという観点からのチョイスだ。

本命はエギ
「スッテの号数を上げすぎると釣れなくなるのでは」と思う方もいるであろう。しかし、これまでHITさせてきたのはいずれも「エギ」にアタったものばかり。そのことから、エギ(浮きスッテ)に乗せるイメージで、スッテは「捨ておもりがわり」のイメージで釣りを組み立てた。スッテで釣れたらラッキーぐらいの気持ちだ。
スッテの号数を上げれば、スッテのサイズもおのずと大きくなってしまうが、そんなときのタングステンのスッテだ。高価であるため、無理にオススメはしないが、揃えている号数のスッテの中に1本入れておいてもいいだろう。
狙い的中でアタリ到来
リグを変更後、すぐに答えが出た。ラインに魚が触れてくるのは仕方がないとして、今までアタリがあった20mライン辺りに狙いを絞り、その下辺りから誘いを開始。19m~14m辺りで明確なグンと重さが乗るアタリが!ワンピッチショートジャークで誘い上げてきてステイ。その後、たたきを入れてステイ……で上のエギにしっかり乗ってきてくれた。ここまで長い時間がかかったため、うれしい1杯となった。

最終釣果
多少風が出てきて、波立ってきた。当然、波があるということは流れも出てくるし、あまり軽いとリグの安定にも欠けるので、スッテの重さはそのまま。最後までこのまま釣り切り、結果6杯となった。
最後に19mラインでグン!と大きなアタリが出たが、残念ながら大型のエソであった。スッテの重さも、船長が「〇〇号で」とあったら、それ以上は下げない。上げるのは構わない。指示のあった号数で通したくなるが、状況をよく読んで見合ったスッテをセレクトするのが釣果を伸ばすコツかと思う。この駆け引きも今後の釣果に生かされることだろう。

状況への対応が奏功
敦賀釣行の時は、2枚潮の対応と状況把握に苦戦しながら、良型のマイカをヒットさせてきた。また、水深もあることからどう対応していけばいいか迷っていた。今回の越前沖は、1度来た事があったためか、なんとなくではあるがポイントの情報は理解していた。結局は魚が沸いてタナを絞りにくい状況ではあったが、スッテのカラーや重さをかえて結果が出せ、また敦賀釣行時の経験も盛り込んで、やり切った感がある釣行であった。
また、「エギに乗せるつもりで……」という発想も自分でも評価したい部分である。スッテに乗らないのであれば浮きスッテに乗せればいい……。ターゲットの情報と現在の海況に合わせた駆け引きは大事だと実感した。
掛調子タックル
タックルも、高切れのトラブルがあり掛調子1本で臨んだが、オバマリグ使用時でもかなり使える。普通に扱えばキビキビした動きになるのは前回にも解説したが、ゆっくりした動きを出すときはゆっくり誘えば何ら問題はない。誘いのバリエーションを1段目と2段目と変えてみるのも面白いかもしれない。
掛けた時も、穂先のほうまで張りがあるので小さい動きで素早く掛けられる。イカパンチが多い状況で生かされるのではなかろうか。ただ、ひとつ欠点を言うとすれば……「一日通して使うには、張りがあるので疲れる」。さすがに体力がいった。

便利釣行アイテム
最後に、イカメタル釣行に出かけるときにあると便利なアイテムを紹介したいと思う。
タックルボックス
ロッドスタンドがついたタックルボックスがオススメ。数本束ねてロッドベルトで固定してもいいが、車から船まで移動することを考えるとロッドスタンドがついているものが断然楽である。私はバッカンタイプのものを使用しているが、ドカットといわれるタックルボックスがカスタムできたりするので人気がある。

タイヤ付きのクーラーボックス
タックルボックス同様、移動を考慮してタイヤ付きを推したい。中に氷を入れるとなるとまあまあの重量になる。船上がりの時も、水栓を開けてクーラーボックスを転がせばクーラー内の氷のメンテナンスにもなる。
大きさは、できれば30L~40Lほどが扱いやすいだろうか。私は35Lのものを使用している。以前、40Lのタイヤのないクーラーボックスを使用していたが、やはり取り回しが悪いのと、氷を入れるとさすがに重いので買い替えた経緯がある。

スノコトレー
トロ箱ともいう。最近はいろいろ改良され、ステンレス製のものが出回っている。熱伝導がいいので、トレーにイカを入れてもすぐに冷えるし、水切りのことも考慮されており、イカに直接水が当たらないような構造になっている。私が使用しているのは、「イカ様トレー M」。樹脂トレーにステンレスの板をひくタイプのものだ。トレーもブルーで写真撮影の時に一段と映える写真が撮れるのではないだろうか。このサイズだと35Lのクーラーボックスにジャストフィット。500mlペットボトルも3本ほど収納可能だ。

とても便利なトレーだが、欠点が一つ。氷の当たっているトレーはよく冷えるのだが、2段・3段と積むと、冷えそうではあるが、そこまでの冷気が弱い。使用前に氷を満たせば冷えるのだが、イカを入れる際に真水を当てることになる。なので、ゲル状の保冷剤をポンと入れて冷やしておくのがオススメだ。
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<笠野忠義/TSURINEWSライター>
▼この釣り船についてHOZAN
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