虫エサ界のニューフェイス・赤イソメの使用感をキスの投げ釣りで試してみた。イシゴカイと比較したその使い勝手をリポートする。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)

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キスによく効く赤イソメ

近年、虫エサの世界でもニューフェースがいろいろ登場している。イチヨセやチロリ、アオコガネなどはもうすっかりおなじみのエサになっていて、釣果でも実績が上がっているのはアングラーにもよく知られているが、イシゴカイやアオイソメに比較して高価である。

ところが最近、赤イソメという虫エサが登場し、けっこうポピュラーになってきているようでカレイや良型キス、海上釣り堀のエサとしても使うアングラーが増えていると聞いた。私は主に投げではキスと落ちハゼ、ミャク釣りではハゼをのんびり釣行でターゲットにしているが、この赤イソメには非常に興味を持ち、試しに釣具店で300円分購入してみた。

イシゴカイとの比較写真を見ていただくとわかると思うが、イシゴカイと比べても赤みが強く、サイズは大きい。青イソメを品種改良したもののようであるが、動きはチロリよりずっと活発で、アオイソメに近い感じである。キスやハゼなどの小針に刺した場合、どのような結果が出るのか、非常に興味深いところである。

また、投げに詳しい釣具店スタッフの方に伺うと、キスにもよく効くエサですよというアドバイスをいただいた。とりあえず、実釣でしばらくイシゴカイと比較してみることにした。

キス釣りでの比較

日中のキス釣りで、4本バリの仕掛けに交互にイシゴカイと赤イソメを付けて投げ、どちらのエサを付けたハリにくるかを8月13日に調べてみた(日高川河口にて)。

竿:並継4.2m、リールZ45、道糸PEライン0.6号+力糸PE、仕掛けはL型固定木オモリ29号に3号単糸(フロロ)を50cm直結、自動ハリス止めを介して赤ハゼ8号またはサヨリバリ4号の4本バリの仕掛けをつなぐ。

この仕掛けにオモリから近い順にイシゴカイと赤イソメを交互に刺し、キャスト。ゆっくりサビキながら、実釣を行った。時間帯は、日中と夕まず目の各2時間である。

なお、この釣り場は、底に砂利や障害物、沈み根なども結構あり、正直多点バリでの引き釣りには適していない。しかしキスの釣果は比較的安定していて、キビレやハゼ、チャリコなどのゲストも多い場所である(特にチヌやキビレの魚影は濃い)。したがって、エサの嗜好性やゲストの反応性を見るには、好適と考えられたのがポイントとして選んだ理由である。

『赤イソメ』は投げキス釣りに最適? イシゴカイと釣り比べてみた
キス釣りで検証(提供:TSURINEWSライター牧野博)

日中のテスト(12:30~14:30)

干潮前後の時間帯で、厳しい時合であるが、潮の動いているところを狙って投げ、4~3色を中心に、単発であるがキスが来た。この後、2時間ほど車内で休憩した。

夕マヅメのテスト(16:30~18:30)

上げ潮が強い時間帯で、当日は大潮だったこともあり、29号のオモリでも上流に向かってゆっくり流されるほどだったが、5~4色ゾーンで、キスの魚信が得られた。

テストの結果

実釣テストの結果は、次のようになった。

『赤イソメ』は投げキス釣りに最適? イシゴカイと釣り比べてみた
実釣テストの結果(作図:TSURINEWSライター牧野博)

あまりキスの数が出ていない上、朝マヅメを釣っていないので、多点バリでの数釣りにおける有効なデータにはならないかもしれない。その点はお許しいただきたいが、このデータを見る限り、赤イソメはキスに適した虫エサということができる。

日中のテストAでは、数でわずかだがイシゴカイが上回った。赤イソメはハリに刺した場合、短めに切るのでイシゴカイ程動かない(それでもチロリに比べると動きはいい)ことが一つの原因かもしれない。しかし数字には表れていないが、赤イソメにくるキスの方が一回り型が良かった。また、チャリコは全て赤イソメにきていることから、動きだけでなく匂いでアピールしている可能性もある。

キスを含め良型魚がくる可能性は高いといえそうである。

夕マヅメのテストBでは、イシゴカイと赤イソメでのキスの数が逆転した。潮が動き始めたこともあるが、匂いや色が効いているのではないかと思う。特に、終盤で2点掛けできたのは、2つとも赤イソメを付けていたハリをくわえていた。

実釣で気付いた点

また、今回赤イソメを実釣で試して、他にも気が付いたことがあったのでまとめてみた。

エサ自体はアオイソメ同様に動きがいい。したがってやや大きめのハリを使う場合で、一匹づけや房掛けで使うと、かなりアピール度は高いといえる。カレイに好適という情報は説得力があると思う。

ただ、エサ自体がイシゴカイに比べると大きいので、数釣りの小バリ使用だと、動きのよさと食い込みやすさでは、イシゴカイの方が上回ると思う。日中のテストAの結果はそのことを示していると考えられる。逆に、夕マヅメや夜釣りで比較的大きなハリでキスを狙う場合は、その動きのよさと匂いや色が効果を発揮するのではないか。

さらに、同じ価格でも、チロリやマムシに比べ量があるので、お得だ。

また、チャリコの嗜好性が結構高かったので、キスやカレイだけでなく、ほかの様々な投げの対象魚にも幅広く使えそうな感触が得られた。

『赤イソメ』は投げキス釣りに最適? イシゴカイと釣り比べてみた
当日の釣果(提供:TSURINEWSライター牧野博)

今回の実釣テストで、赤イソメはイシゴカイの代わりに使えそうな虫エサであることがわかった。引き続き、イシゴカイとの比較テストを続けてゆく。その状況をパート2、パート3で報告する予定である。

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<牧野博/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
日高川河口
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