秋に最盛期を迎える堤防のサビキ釣りでは、定番のアジやイワシのほか、ときに予期せぬ大物ゲストがヒットすることも。もし想定外の大物がヒットしたらどう対処すればいいのでしょう。

サビキで大物が狙える房総半島の釣り場紹介とあわあせて解説します。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター菊池英則)

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サビキ釣りで大物を狙える?

サビキ仕掛けで大物(サバ、イナダなど)を狙う場合、2号以上の磯竿でコマセカゴのついたウキを遠方に投げ込む方法が一般的ですが、初心者からすると、若干敷居の高い釣りに感じるかもしれません。でもご安心を。コマセ袋をポチャンと沈めてユサユサするフツーなサビキ仕掛けでも、大物が掛かるケースも実は多いのです。

フィッシュイーターも

ご存知の通り、ハリにビニールを巻いたサビキ仕掛けは、アミコマセを模していて、イワシやアジといったプランクトンなどを補食する魚をターゲットにしています。

しかし、筆者の経験では、なんでこんな、普段小魚を食べている猛者がサビキに?といったケースも。ヒラメやシイラ、時にはシーバスまでもが、ピンクのビニールハリに食いついて釣れてしまう現実があるのです。

強めの仕掛けを使用

イワシやアジも釣りながら、予期せぬ大物が掛かるのに備え、サビキのハリは7号程度、幹糸2号、ハリス1.5号以上と、市販のやや太めな仕掛けをオススメします。ハリ7号でイワシが釣れるの?と、不安な方もいるでしょうが、豆アジなどを除いて、小さなカタクチイワシでも、秋の高活性時には、意外と7号程度のハリに掛かるので、お土産は安心なのです。

タックルのポイント

とはいえ、やはり仕掛けにはバランスというものがあります。安価なパックロッドよりは、専用の磯竿の方が堤防の岸より、少し岸壁から遠めを狙えるうえ、大物がかかった場合でも引き寄せて、抜きあげやすいです。

また、リールもできるだけ専門メーカーの5000円前後の物が望ましいでしょう。大物が掛かった場合に自動的にジーッとラインに負荷をかけて切れないように調整する、いわゆるドラグ機能が優れており、細いラインが切れないように初心者でも安心して魚とやりとりできます。

タモも重要

このほか、水面から高さのある堤防では、長めに伸ばせるタモ網(いわゆるランディングネット)があれば、より確実に大物をキャッチできるので、持参したいところです。

千葉県館山夕日桟橋

房総半島最南端の館山湾中央に向かって東側から伸びている「館山夕日桟橋」は、近隣の有名な堤防と並んで、JR館山駅から徒歩15分程度とアクセスしやすく、電車釣行にもうってつけです。かつては、T字型の堤防全体が釣りに開放されていたようですが、現在は先端部以外が釣り可能となっています。

手すりのついた桟橋(堤防)なので、子供連れでも安心してサビキ釣りを楽しめます。ただし南側にしか竿を出せないほか、コマセ使用不可といったルールがあります。

秋のサビキ釣りは想定外の大物ヒット率高し キャッチする対応策とは?
マヅメ時の夕日桟橋の様子(提供:TSURINEWSライター菊池英則)

アジの名所

水深は満潮時でも4m未満と浅いのですが、潮通しが抜群のポイントなので、イワシが回遊するほか、夕方以降はアジの回遊も。コマセをまかないで仕掛けを上下に揺らしてハリに掛かるのを待つ釣りのメッカになっています。

サビキにシイラがヒット

盛夏を過ぎたころ、JR内房線を乗り継いで昼過ぎに館山駅に到着。比較的すいていたのですが、夕日桟橋中央付近の釣り人の集まっていたポイントに入りました。南風が強く吹き抜ける立地が難点ですが、強風下でなんとかサビキ仕掛けを水面から沈めます。

しかし、アタリがあってもクサフグばかりで、いっこうに釣果はあがりません。日中はフグばかりでしたが、夕方になると、ハリ7号の仕掛けに、ウルメイワシが入れ掛かりに。午後6時過ぎには待望のアジやシマダイ、小型のマダイも登場して、テンションが上がります。

アイゴにシイラも

そのままサビキを上下すると、グイ!と強い引きが到来。ラインを切られそうになりますか、リールのドラグでこらえて巻くと、身体に毒ヒレのあるアイゴで苦笑い。

めげすに、仕掛けを再び沈めると、時合いなのか、隣の釣り人に立て続けにヒット!「また、アイゴか」と思うも、強烈な引きで走る獲物をリールのドラグでこらえて巻いて、一気に抜き上げたのはさすがの技。魚の正体はなんと緑色のボディーが美しいシイラ!ハワイでは、マヒマヒと呼ばれる回遊魚です。

30cm以上ありましたが、なんとかキャッチできて至福の様子でした。

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隣の人がサビキでシイラキャッチ(提供:TSURINEWSライター菊池英則) ▼この釣り場について
夕日桟橋

千葉県勝浦漁港

翌週は同じ千葉県の外房地区の勝浦漁港を探ることに。JR内房線の勝浦駅から徒歩5分程度とアクセスが抜群なうえ、特急停車駅なので首都圏からのプチ遠征にうってつけです。

16時以降が釣り可能

外房地区では、多くの漁港で釣り人の駐車違反やゴミ問題などから釣りが禁止されています。勝浦漁港も例外ではなく、釣りが可能な時間は夕方4時以降のみと制限されています。

カツオの水揚げで有名な勝浦は、大型船も入るため水深が深く、広大な港となっています。立ち入り禁止区域を除いて約半分くらいが釣り人に開放されています。アジが回遊するほか、カンパチの幼魚「ショゴ」など青物でも有名です。

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大型船も入る勝浦漁港(提供:TSURINEWSライター菊池英則)

サビキにヒラメがヒット

館山釣行の翌週、JR外房線で午後4時過ぎに勝浦漁港に到着。比較的すいていましたが、先釣者のコマセの煙幕をのぞいて見るとメジナやシマダイなどが集まっていて、魚影の濃さを感じます。テンションの上がったところで竿を出してサビキ仕掛けのまわりにコマセの煙幕を出します。

しかし、魚は集まってきましたが、連日釣り人に攻められているのか、なかなかサビキハリに食いつきません。午後6時過ぎまでノーヒット。このまま帰ろうかと思いましたが、「見える魚は釣れない」という格言を思い出して、再びコマセをカゴに詰め、竿の届くギリギリの沖合いに投入し、底付近でコマセをまく感覚でユサユサします。

すると、突然「グイグイ」と竿をひったくるようなアタリ!なんとかリールのドラグでこらえて巻いて、そのまま抜きあげました。

よく見ると外房名物のヒラメでガッチリとサビキをくわえています。ヒラメはフィッシュイーターのはずで、なぜサビキバリに?これは嬉しいゲストでしたが、外房地区では30cm以下のヒラメはリリースすることになっているため、写真撮影した後、海に帰ってもらいました。

秋のサビキ釣りは想定外の大物ヒット率高し キャッチする対応策とは?
サビキでヒラメをキャッチ(提供:TSURINEWSライター菊池英則)

その後、太陽が落ちて暗くなりましたが、同じ仕掛けで、常夜灯のまわりを探ってアジを4尾キャッチできました。

大物とのやり取り

このようにアジ狙いでも不意な大型魚がヒットするケースはままあります。もし大物がヒットしたらどのようにやりとりを行えばキャッチできる確率があがるのか、最後に紹介します。

リールでやり取りしよう

まずは、グイグイと強い引きがあったら、竿を水平ていどに立ててリールを巻く態勢をとり、ドラグをフルに使ってやり取りするようにしましょう。竿を上下させるとテンションが抜けてバレやすくなります。

一定のスピードで巻き上げよう

さらに、リールを一定のスピードで巻くと、案外ラインブレイクせず、魚を寄せることができます。

周りの釣り人に助けてもらう

このように工夫しても、キャッチできない場合は、タモ網の出番になります。タモは重くて高価なため、持っていない時は、あらかじめまわりの人にあいさつしておいて、いざという時に助けてもらうのも一手です。

今回紹介した釣り場は、首都圏近郊に残された数少ないサビキ釣りができる堤防です。いつまでも楽しむためにも、駐車違反やゴミ問題、立ち入り禁止区域厳守などを心がけたいものです。その上で、いつもより気持ち大きめのサビキ仕掛けを使うと、釣りのロマンを広げる魚たちと出会えることでしょう。

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<菊池英則/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
勝浦漁港
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