9月に入り、間もなく禁漁を迎える奥多摩の渓へ4日間の源流釣行に出かけた。徒歩で半日をかけ行き着いた沢で山女魚、岩魚に出会った4日間の単独釣行。

20年振りの渓は健在であった。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター中山祐司)

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今年の夏は天候不順で計画が合わず

東北遠征予定も来年に持ち越しになってしまった。近づく秋の気配に天気予報を頼りにとり急ぎパッキングを開始した。釣行先は雲取山山系水源の沢だ。都内最高峰の雲取山の周りの沢は近年の乱獲保護の為今回は沢名を控えさせて頂くことを御了承願いたい。

準備は入念に

漁業券山岳保険を準備して登山届を提出し山小屋には予約を済ませた。ベースキャンプから2ヶ所の沢釣りを試みる予定である。

初日はベースキャンプを目指す

9月13日、重いザックに後悔しながらバス停を降り立ったのは私と若い登山者の2人きりである。快晴の中、虫が苦手だと言う彼に先を譲り25kgはあろうタックルの詰まった荷を気合いで背負い歩き出したのは午前8時を回っていた。この先携帯は繋がらない4日間のスタートである。

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快晴の奥多摩(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

ベースキャンプを目指す

歩き続ける林道から時折垣間見る渓相は美しく釣欲が湧く。久々のソロキャンプである。到着は午後2時であった。テントを張り準備が整うとゆっくりとコーヒータイムが来た。明日のA沢への天気は山影の星達が教えてくれるようだ。

2日目から釣りスタート

9月14日は好天。朝の身支度を整えて杣道を行くと、途中ヤマネを喰う蛇「ジムグリ」が出た。TV画面の様な現実の光景に少し緊張した。入渓地点までは小1時間であった。

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ヤマネを喰う蛇(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

タックルと仕掛け

今回は渓流小継竿中硬5.4mと6.3mを使用し、天井糸にフロロカーボン1.2号60cm、ミチイトはナイロン0.6号と0.4号を使い分けた。ハリス直結の通しで目印は蛍光ガン玉2Bで対応した。ハリは山女魚と渓流の5?8号を使用。仕掛けは2.5mの提灯釣りである。

ポイント

足袋に沢水は心地よく遡行の始まりは左岸を詰める。小滝が現れ出すと瀬尻から山女魚が走り出した。温暖化のせいだろうか?昔は既に岩魚のテリトリーだった気がする。

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釣り場風景(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

落ち込みで山女魚と対面

明るく開けたブナの森が現れると、スギ苔が光る落ち込みに岩魚のポイントを見つけた。キジをつけ投入。アタリなし……。仕掛けが淵から瀬へ廻り込んだその時、瀬尻から飛び出た魚はパーマークが美しい20cmほどの沢山女魚。初の一匹を手にした。

入渓者の足跡は気になっていたが、この様子では本日の先行は私である。安堵と共に遭難回避の緊張を戒める。熊避けの鈴音が水音に消され小滝を高巻くころ、山女魚の姿は消え小岩魚のアタリが出てきた。

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1匹目の山女魚(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

22cm頭に岩魚を連打

ハリサイズを上げエサをブドウ虫に切りかえる。今回川虫は小さく敬遠した。沢グルミの下小さな落ち込みでアタリが来た。静かにイトを送り込んだ目印は、暗い岩陰で止まった。間合をとって抜き上げたのは22cmの天然岩魚だ。この一匹の為にここまで来た。型は小さいが満足である。

その後小型リリースを2回し、20cmの岩魚を追加した。魚籠には山女魚と岩魚が2匹ずつ入った。心も満たされこの先続くポイントを土産に本日は納竿とし沢を降った。

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岩魚を追加(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

3日目は別の沢へ釣行

3日目は薄曇りの朝、昨日とは異なる沢へ出発。昨日の足袋は乾ききらず不快な足入れはいつもながら辛い。1時間ほどで沢へ降り立った。沢登りだろうか?足跡も多く場荒れ気味の感がする。沢筋にテン場の跡もあり、小場所を攻めるが山女魚もスレている。

タックル交換で12cm岩魚

ハリをバーブレスに交換し、竿を6.3mへ切りかえ遠めからのアプローチを心掛ける。ハリは彦兵衛の年代物を見つけ今回使用した。懐かしいパッケージである。

イワタバコの群生を見送ると小岩魚がのんびりと泳いでいる。源流の匂いが高まって来た。小さな落ち込みで、本日初の小岩魚が出た。12cmほどだ。リリースしブドウ虫を交換する。左岸の沢を見送ると二段の落ち込みに流木が覆う淵にでた。

尺級岩魚が登場

好ポイントである。流木をかわし岩陰の淵に投入すると、竿に伝わるゴツゴツ感。岩魚の魚信だ。目印がゆっくり岩陰へ動く。イトを送り一呼吸の間でアワセに入る。ハリはバーブレスなので、完全に飲み込まれていることを願う。

根掛かりのような重みは中硬のロッドをしならせた。岩穴へ入り込んだ岩魚を引きずり出すには足場が高い。バレを考慮してイトを緩めず水際へ降りた。0.6号のイトは流木に喰われたらひとたまりもない。

大物ではないにしろ取り逃がす訳には行かない。竿を縮めながらネットを広げ、魚を引き出しにかかった。勝負である。

ゲット。ハリは呑まれていた。岩魚は尺に近く大満足である。写真に納め次の淵で25cmを追加した。魚影も濃くなってきた。

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良型の岩魚(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

釣果グルメを堪能

時計は14時を過ぎている。この沢も巻道はない。沢降りに備え納竿を決める。秋の日暮れは早い。2日目やっと型の揃った岩魚を手にできた。後は安全にベースに戻るだけだ。釣った魚での夕食を楽しみに、この地点を今期の最終に決めた。納竿である。

前日より煮込んだ岩魚と山女魚の煮付けを頂き、釣行のシメを飾ることができた。酔いもまわり来年もいい釣行に望みを掛けシュラフに潜り込んだ。

東京都の秘境「奥多摩」で4日間の源流釣行 尺級岩魚に山女魚と対面
釣果グルメを堪能(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

最終釣果

最終9月16日は下山の日。携帯の電波が通じたのは午後3時。短い4日間は秋の始まりであった。好天に恵まれ、平日の入渓でもあったので先行者がいなかったことでゆっくり釣りを楽しむことができた。

釣果は岩魚6匹、山女魚4匹は満足な結果である。キープサイズを守りいつまでも楽しめる渓であって欲しい。

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釣果の一部(提供:TSURINEWSライター中山祐司)

来年は体力をつけ、パッキングの工夫を高めて望みたい。

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<中山祐司/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
雲取山山系
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