冬の代表的な釣りといえばワカサギ釣り。数釣りが可能な魚ですが、釣果を伸ばすにはエサの使い分けといったテクニックも重要になってきます。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・郡直道)
ワカサギの食性とエサ
ワカサギの食性は主に肉食で、ミジンコのような動物性のプランクトンを主食としており時には小型のエビ・稚魚・魚卵などを捕食しています。
ワカサギの釣りエサでは、生きた虫のエサや人工的に虫に似せた香り付けをして作られたワームなどがあります。そのほかでは堤防釣りの必須アイテムであるサビキでも釣ることができます。定番エサから変わり種も含めて紹介していきます。
ワカサギ釣りには定番の虫エサ
まずはワカサギ釣りの定番エサである虫エサについて解説していきます。釣りでは、イソメやゴカイのような多毛類のことも虫エサと呼びますが、ワカサギ釣りでは昆虫の幼虫を主に使用します。
サシ
ワカサギ釣りの定番エサは、なんといってもサシです。サシとは金バエ類の幼虫の総称で、一般的にはウジ虫と呼ばれる幼虫のことを呼びます。汚いイメージがあると思いますが、釣具屋で販売されているものは衛生的に養殖されたものなので安心して下さい。

サシには食紅で赤く着色した紅サシと、本来の色である白色の白サシの2種類があります。状況や釣り場にもよってどちらの色に反応するか変わってくるので、2つの色を揃えておくといいでしょう。

サシの付け方
サシの付け方はそのまま1匹針先にちょん掛けしても良いですが、ワカサギは口が小さいことからエサをついばむ様に捕食するので、魚のサイズや活性によっては1匹丸ごと針に付けるとエサだけ取られてしまうことがあります。

その場合は、サシの端に針をちょん掛けして、虫の真ん中からハサミで切り、エサを小さくして付けるのがポイントです。効率よくエサを付けたい場合はサシの口側とお尻側にそれぞれ針をチョン掛けして、真ん中をハサミで切ると2針同時にセットできますよ。
ラビット
ラビットとはサシの一種ですが、ウサギの糞で養殖されたサシになります。紅サシや白サシよりもサイズが小さく柔らかいのが特徴です。寒さに強く香りも強烈なので集魚効果が高くよく釣れます。ラビットも紅ラビットと白ラビットがあり、色の違いでワカサギの反応を見て使います。付け方は小ぶりなので1匹ちょん掛けで使用することが多いエサです。
チーズサシ
サシにチーズを与えて香り付けしたエサになります。通常のサシ虫をチューンナップさせたもので、中にはえび・さなぎ・にんにく・バニラなどで香り付けしたタイプなどもあります。色はサシ同様に白と紅があります。針への刺し方はサシ虫と同様です。
赤虫(アカムシ)
赤虫は熱帯魚のエサコーナーなどでも見かけるユスリカの幼虫です。いわゆるボウフラで色が赤いことから赤虫と呼びます。細くて小さいので、ワカサギの食欲がないときや食い渋りがあるときに効果絶大なエサとなります。

ただ、赤い体液が出てしまうと釣れなくなるエサで、消耗するのも早いので頻繁なエサの交換が必要になります。基本的にはサシ類と赤虫を持参すれば様々な状況に対応できるでしょう。
赤虫の付け方
付け方は頭の固い部分にちょん掛けします。サイズに応じてエサをカットしたりアピール力重視で二匹付けしたりします。
効率的な付け方は、大根やジャガイモをカットしてその輪切りの端に赤虫を乗せます。そして赤虫を野菜ごと刺して針を引き抜くと赤虫だけ刺さります。
ワカサギ釣りには人工エサも有効
虫でのエサ釣りが有効なワカサギ釣りですが、女性や虫嫌いな方などは生きたウジ虫などを触るのに抵抗があると思います。そのような場合に活躍するのが人工エサです。

マルキューハイパー紅雪
生分解性素材を原材料として、ワカサギの好む香り成分などを追求して作られた疑似エサです。ハリ持ちの良さや摂餌性が特徴です。色は紅・白・グリーンの3種類あります。サシと同様に状況に応じて色は使い分けましょう。
マルキュー寄せっコ
こちらはワカサギ専用の集魚剤となります。魚の形をしたカプセルに、ワカサギが好む香りエキスが入っています。仕掛け針の一番上に掛けて使います。ワカサギの群れを釣り場に足止めするのに効果的です。

マルキューパワーミニイソメ(中)
ハイパー紅雪と同様に生物分解性の疑似エサですが、その名の通りイソメの形状をしています。ワカサギ専用ではありませんが、魚が好むエキス配合なので小さくカットして使えばエサの代用になります。
「人工エサ」だけでワカサギ釣りに挑戦 虫エサ不使用でも釣りになる?
ワカサギ釣りの代用エサ
虫エサには触りたくないけど、人工エサやサビキではワカサギが反応しないという状況もあるかと思います。そんな時、代用エサとして持っておくといいエサがこちらです。
カニカマ
コンビニでも販売しているカニカマ(サラダスティック)でも代用ができます。表面が赤いので紅サシ虫の代用として使うことが可能で、お腹がすいたらオヤツとしても腹ごしらえできるのでクーラーボックスに忍ばせておくと安心です。
ホタテ
缶詰などで見かけるホタテの水煮やベビーホタテもエサの代用になります。ホタテの身は縦に裂けるので、細く裂いた身をチョン掛けして使います。ホタテの独特の臭いで集魚効果もあります。
ワカサギ釣りにはサビキ仕掛けも使える
ワカサギ釣りは、エサ釣り中心のイメージがありますがサビキ釣りでも釣ることができ、さまざまな仕掛けが各メーカーよりリリースされています。
一般的な鯵釣りのようなスキンが付いているタイプや、スキンとエサ付け用の空針が交互に並んでいるハーフタイプ、針に毛糸が巻いてあるウィリー針など仕掛けのバリエーションは豊かなので、当日の状況によって反応するタイプがどれか色々と試してみるといいでしょう。
また、サビキに反応する高活性な状況であれば、エサより手返しで勝ることもあります。
エサの使い方4つのポイント
ワカサギ釣りをしていて、周りの人達はよく釣れるのに自分だけ釣果が伸びないということはよくあります。そんな時はエサの使い方が間違っているかもしれません。ここではエサの効果的な使い方を4つ紹介します。
種類と色を使い分け
当日の水色や時間帯、魚の活性や釣行する湖によっても好反応なエサの種類やサシのカラーは違ってくるので、できれば複数種類のエサを持参し、針ごとに違うエサを付けるなど反応を試したいところです。
白サシと紅サシを使い分ける(提供:週刊つりニュース関西版 APC・井上隆史)また、色については活性の悪いときはアピールが強いものを優先に反応することが多くなります。紅色のエサはアピールさせたいときに使用し、白はワカサギが紅色のエサにスレてきて釣れなくなった時や高活性時に使うといいでしょう。
鮮度が落ちたらエサを交換
エサをつけて何度かワカサギのアタリを繰り返していると、サシや赤虫の体液が徐々に出ていき反応が鈍くなっていきます。食いが渋り始める前に新鮮なエサに交換することで集魚効果が高くなり釣果に繋がります。
サイズによってエサを小さく
ワカサギの平均的な大きさは約6cm~8cmとなります。もともと小型な魚なので口も小さいのが特徴となります。
ワカサギは口が小さい(提供:週刊つりニュース関東版 APC・郡直道)ワカサギが小さいときや、低活性時で食いが悪いときはサシや赤虫をカットして、ワカサギが捕食しやすいサイズにサイズダウンするのが有効です。アタリが頻繁にあるのになかなか釣れない場合は、試してみましょう。
ブドウ虫などを寄せエサに
ワカサギの群れが来てもすぐに別の場所に移動してしまい釣果が伸びない場合は工夫が必要です。ブドウ虫や寄せっ子など集魚効果があるエサを針の上に付けて寄せエサにすることで集魚します。
ブドウ虫は寄せエサとして使う(提供:週刊つりニュース中部版松森渉)余った虫エサの保存方法
赤虫は濡らした新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保存すると数週間保存が可能です。
サシの場合は、4日~1週間も常温放置すると生体のハエに羽化してしまいます。保存する場合は、こちらも冷暗所や冷蔵庫に保存すると成長を止めることができます。
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<TSURINEWS編集部>
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