先日大阪南港のアジングで、謎の魚が釣れた。何年もライトゲームをしているが、見当がつかないゲストははじめてだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
謎ゲスト登場の大阪湾奥
10月の中潮釣行。その日は10cmアジ、中サバがそこそこの活性で、よく釣れていた。

その謎の魚が現れたのは、比較的魚の反応が良かった釣りの序盤。時刻にして、19時前ではなかったかと記憶している。掛けた瞬間にサバっぽいと思ったが、水面にバシャバシャと走って、跳ねるように自分から浮かび上がってきた。一瞬シーバスっぽいと思ったが、魚の姿を見た瞬間、「細長いな」。なんだろう、細長いシーバスだろうか。カマス系の魚か?
そして釣り上げたのが、こちらの魚である。

その場では、首をひねるばかりだった。私が知っているどのゲストとも違う。ムツとかそのへんの亜種なのかと思ったが、歯がない。
釣り方は、プランクトンパターンのアジング。小さめのアジを狙ったリグで、特にかわった操作をしていたわけではない。軽くサオ先のアクションを入れながら、レンジキープだ。
ひとまず無用な殺生にならないようにリリース。新種だったらえらいことだが。
謎を追って
帰宅後、撮った写真を見てネットで調べてもわからない。「アジング 外道」「アジング ゲスト」などで調べても、出てこない。魚の画像そのもので画像検索しても、一致しない。
この時点で魚種不明。とりあえず、ここは詳しい人を頼ることにした。
まずは、アジングメーカーに問い合わせ。すると「わからない」と言われてしまう。もうちょい何か答え方がないかと思うが、「わからない」と一蹴されてしまったらまあもういい。
次に、某ネット掲示板にスレ立てしてみた。そこでもはっきりとした答えが出ない。「ムツっぽいけど歯がない」と私が思ったことを、そのまま言う人もいる。やっぱり謎に留まる。
ようやく正体が判明
そろそろ、「もしかして新種では」という期待が浮かんできたところだった。しかし、なかなかそういうビックリ発見ってない。TSURINEWS編集長に問い合わせてみると、次のような回答がきた。
『こちらの画像の魚ですが、「カライワシ」かと思われます。大きくなると1m位になる元々南方にいる魚です。最近東京湾奥の河川でも釣れたりと生息域を拡大しているようです。
「カライワシ」で検索。すると、ビンゴ。そうそう、この魚だ。しっかし、出てくる魚の画像がとにかくでかい。60cm、80cmくらいに見える。確かに1mにもなるんだろう。
それにしても、釣り媒体のプロってすげえ。こんなのふつう知らないぞ。なんと該博な質問箱だろう。ターポンとかボーンフィッシュとか、そういう種の名前まで軽々と出てくる。参りました。
カライワシってなんぞや
そこから先を自分で調べてみるとこのカライワシ、熱帯・亜熱帯の魚で、つまり南方から北上してきた魚である。ネットで調べてみると、カライワシ目は「イセゴイ、アトランティック・ターポン、カライワシや多くの絶滅した魚類が含まれる」ということ。

近年では東京湾奥でも姿が見られるという。大阪湾奥で釣れたのは、別に筆者がはじめてではないだろうが、レポートとしては出ているものが見つからない。珍魚ではあるだろう。場所は、南港ならどこでもそうだが、河の水が混じる汽水域だ。特に河に近い場所である。
ちなみに食用には向かないらしい。ただそのへんも含めて、次に釣れたら食べてみよう。
温暖化の海の変化について
南方の魚がこうして都市近郊で釣れるのは、何より温暖化による海水温の上昇と、工業排水と生活排水による海水のミックスジュース状態、沿岸の富栄養化ともいえるだろう。
噂に聞く程度だが、東北では昔釣れなかったタチウオも最近釣れ始めたというし、北海道でもほぼ釣れなかったアジが函館あたりまで回遊しているらしい。そのような海の変化を具体的に知る珍魚種キャッチとなった。
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<井上海生/TSURINEWSライター>
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