イワナ/アメマスが鱒類の中で最も好きという、渓流ルアー釣り愛好家の筆者。北海道で10~11月にかけて行った複数回の釣行の末に46cm大イワナに60cmアメマスと対面できた模様をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター小峠龍英)
鮭と共に遡上するアメマス
イワナが一番好きな鱒族である筆者にとって、イワナ/アメマスはシーズン通してのメインターゲット。上流域で数年過ごしたエゾイワナが降海し、エサが豊富な海で大型化したのがアメマスです。北海道の地域によってその生活サイクルが異なっており、日本海側では初夏に遡上してそのまま産卵まで川で過ごす個体もいれば、気まぐれに遡上と降海を繰り返す個体がいます。産卵時期は晩秋から初冬で、アキアジ(鮭)の遡上の後を尾けるかのように遡上します。
アキアジのイクラはアメマスのみならず多くの川の生き物にとって貴重な栄養源で、アキアジの遡上の有無はアメマスを追うための重要な指標です。アベレージサイズは大体30cmほどで、道東や道北の河川では70cmクラスの釣果もよく見かけます。またシベリアには1mに迫る超大型もいるそうで、クンジャと呼ばれています。著者の通うフィールドでは30~45cmの個体が多く見られますが、タイミング次第では50~60クラスも狙えます。
神出鬼没のアメマス
アメマスは単独もしくは数匹程度から時には数十匹ほどの大きな群れをなして、上流を目指して遡上します。そのスピードは速く、先週沢山のアメマスが入っていたポイントが今日はもぬけの空ということは日常茶飯事です。その逆もまた然り、新たな個体が入ることで先週全くいなかったポイントで良型がヒットすることもあります。
アメマス=エゾイワナなので、イワナの基本セオリー通り水深がある流れの緩い深瀬や淵、岸のエグレなどで倒木などのが障害物が沈んでいれば、高確率でアメマスが潜んでいます。たまに浅い場所に大型がぽつんと佇んでいることもあり、遡行の際に走られないように注意が必要です。アベレージサイズは比較的簡単に釣ることができますが、50cm以上の大型を狙うとなれば格段に難易度が上がります。
日本海沿岸流入河川をランガン
10月中旬、筆者はアメマスを探しに日本海沿岸の3河川をランガンしました。まずは自宅から一番遠い川からスタート。ここは堰堤が連続する渓相で海から近い下流にエントリーします。岸から距離をとっての第1投目、底まで沈めた46mmのミノーをトゥイッチしながらゆっくり引いていくと、底石の影から推定50cmクラスのアメマスがミノー目がけて突進してきますが、いきなりの展開にフッキングが決まらず。さらにその後は他のアメマスの姿も見つけられず、その川を見切って移動。
移動先の川は大量のアキアジが遡上しており、非常にやりづらい状況。アベレージサイズのアメマスの姿もありますが、人の気配に敏感なアキアジが走り回り水中はまさにカオス。もしスレ掛かりでアキアジに引っ掛けてしまうとその強烈なパワーにのされてルアーを失いかねません(昨シーズンの出来事)。
40cm頭にアメマス20尾
今年のアキアジは豊漁と聞いていましたがそれにしてもその数は多く、昨シーズンの倍はありそうです。そんな小渓流にアキアジがひしめいてる状況での釣りは密漁者に間違えられるリスクがあったので、すぐに次の川へ移動します(基本的に河川での鮭釣りは禁止)。
その川は今年の3月に最初のアメマスを掛けた有望河川で、入渓早々尺上クラスがヒット。過去に実績のあったポイントには必ずと言っていいほどアメマスが溜まっており、瞬く間に尺上でつ抜けの状態に。ただ40cmより上のサイズは、小型が釣られると警戒してなかなか口を使ってくれません。結局その日は合計20尾キャッチして最大は40cmほどでしたが十分に楽しめました。
出勤前の朝駆け釣行
日を追うごとに気温は下がり朝の冷え込みも辛くなってきた10月下旬、残り少なくなってきたシーズンを悔いなく終えるために出勤前の朝駆けでは近隣河川の有望ポイントを回ります。入渓?退渓まで約90分で釣り上がり(釣り下がる)ので、浅瀬は全てスルーして深みのあるポイントだけに絞ってアプローチしていきます。
ルアーはスプーンとミノー、どちらも派手めのチャートカラー中心。結果的に10月~11月の朝駆けは合計10回、バラシが続き小型が2尾だけという日もありましたが、全体的にはとてもいい結果でした。
日を追うごとに上がるサイズ
倒木が絡む深みや対岸の抉れ、ボサ際を中心にピンスポットでキャストしていきます。初日と2回目は数こそ出たもののサイズは25~尺クラスとパッとしませんでしたが、3回目には尺上が目立つようになり時折40upも反応してきます。
そして5回目、その日は尺サイズを2尾キャッチしていたもののサイズは伸びず。退渓直前に最初に攻めたポイントに再チャレンジすることに。S字状にくねった流れに大きな倒木が刺さり深みを形成している好ポイントで、2日前に良型を目撃していました。時間もないので半ばヤケクソでライムグリーンのミノーを根掛かり上等で沈め軽くジャークすると、それまで無反応だった深みから黒い影がヌッと現れ即バイト、ロッドティップに乗った重みから40upを確信しました。
時間が本当にギリギリだったので、ドラグフルロック+ゴリ巻きでダッシュを押し留めて力技でランディング。サイズを測ると45cm。この沢では上出来なサイズです。その翌日と翌々日に上流のポイントと下流のポイントでそれぞれ45cmをキャッチと申し分ない結果です。
雨の中で46cm大イワナ登場
8回目の朝駆けは雨が止んだり降ったりを繰り返す中、初日に叩いた区間を再度アプローチします。その区間にある淵は1m以上の深さがあり、上流からの流れが対岸際にぶつかりエグレを形成しています。雨の影響でやや水が高い状況で、尺クラスのアメマスがカケアガリ付近で群れていてミノーを通すと次々とアタックしてきますが、イマイチ乗り切らない。アメマスの思わせぶりな反応はさすがにうっとおしくなり、そのカケアガリの群れをスルーして対岸のエグレをピンスポットで撃っていきます。
そして2投目、エグレに投げ込んだミノーを着底後軽くジャークしてシェイキングすると、何かがミノーを抑え込んできました。フッキングを決めるとドラグ音と共にエグレに向かって引き出されていくライン。ロッドを立ててラインテンションを保ちダッシュをいなすと、浮かんできた魚体は細かい白点を持ち、側線付近の斑紋は薄いピンクの美しい婚姻色がでており、さらに顎が三口に割れたいかつい顔つきのエゾイワナでした。サイズは46cmと貫禄十分。その日はそのイワナで満足し余裕を持って出勤しました。
朝駆け最終日で60cmアメマス
翌日は休日、別の河川で40upを2尾キャッチして迎えた朝駆け10回目。11月に入り朝の冷え込みもいっそう厳しく布団から出るのがきつくなってきたので、この日が今シーズン最後の朝駆け。最後は一番の実績ポイントであるあの淵を含む区間に向かいます。
またいつものように尺クラスのアメマスをぽつぽつ拾いながら到着した淵をよく見ると、下流のカケアガリのボトム付近に40cmクラスのアメマスが小型とともに佇んでいます。狙いをその個体に定めアップクロスで対岸エグレにキャスト、ミノーをドリフトさせながら沈めてトゥイッチをかけます。
エグレの最深部はこちらからは見えませんが、うっすらと黒い何かが翻る様子が見えた瞬間、強烈な重みとともにミノーが押さえ込まれます。反射的にロッドを煽ってフッキングすると、グイグイ絞り込まれていくロッドティップ。PEラインを通じてグオングオンと音が聞こえそうな首振りが手元に伝わってきます。
落ち着いてドラグを調節し、角度に気を付けながらロッドを立ててラインテンションを保ちいつでもすくえるようにランディングネットを足元に置いてアメマスのダッシュをいなします。
表層まで上がってくると、その巨体を振り回し水面は爆発状態。ランディングネットの全長より大きな個体、ここでミスるともうこの日は台無しになる、まさに天国と地獄の境目。一進一退の繰り返しの後、なんとかアメマスの頭をネットに入れ体を押し込みようやく確保。薄く紫がかった鈍い光でコーティングされた赤茶色のボディに散らばった白点、ワニのように発達した顎に白からオレンジのグラデーションに縁取られたヒレを持った素晴らしいアメマスでした。
いつまでも見ていたいほど美しい個体でしたが、サクッと撮影を済ませてリリースすると水飛沫をあげて淵の底に潜っていきました。極太60cmという今年最後の朝駆け釣行を締め括るにはこれ以上ない最高の結果に意気揚々と出勤するのでした。
アメマスにはますます惹かれるばかり
アメマスを年中狙っていながらシーズン終盤の頃を迎えるたびに改めてこの鱒の魅力に惹かれるばかりです。アメマスは太古の昔から脈々とそのライフサイクルを繰り返す純粋な国産トラウトであり、環境の変化にも対応し時には遡上の邪魔をする堰堤をも超えていく生命力には驚かされるばかりです。
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<小峠龍英/TSURINEWSライター>
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