食味の楽しさに加えて、釣り自体のおもしろさも魅力のフグ釣り。2月7日(火)、鶴見潮見橋にある新明丸からフグ船に釣行した。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新...の画像はこちら >>

東京湾のフグ船

内臓や部位によって毒を有するだけでなく、種類によってもその有毒部位が変化するため、処理には免許が必要なフグ。同魚を釣りの対象としているエリアのひとつが東京湾だ。

フグ釣りを看板に掲げる船宿は、処理免許を有したスタッフが釣れたフグを可食部のみに処理してくれるため、安心して持ち帰ることが可能。専門店で食べたら驚く値段のテッサやテッチリ、唐揚げなどを帰宅後に楽しめるのも、この釣りの魅力だ。

食味の楽しさに加えて、釣り自体のおもしろさに惹かれた私も、フグ釣りに傾倒している一人。2月7日(火)、友人の大下さんから誘いを受け、鶴見潮見橋にある新明丸から釣行した。

新明丸の近況

フグ船を担当するのは林大地船長。出船前に直近の状況を聞くと、「年初からフグ五目という感じで、いろいろな種類のフグを追いかけています。そのため、定番のカットウ仕掛けに加えて、食わせ仕掛けも準備してもらうと幅広く狙っていけるでしょう。

今日もエリアごとに狙うフグや仕掛け、オモリの号数もアナウンスしますので、参考にしてもらえたらと思います」とのこと。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
出港場所周辺略図(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

中ノ瀬で釣行開始

乗船者は9人で、右舷5人、左舷に4人が入る。私たちは右舷胴の間に並んで、7時半に出船。船長はまず中ノ瀬に船を向けるとのことで、約30分で到着。

「ちょっと潮が速いと思いますが、まずはここでショウサイフグをカットウで狙ってみましょう。オモリは20号でやってみてください。

水深は10mです」とのアナウンスでスタート。

この日の潮周りは大潮で、干潮が正午すぎ。船長のアナウンスどおり下げの潮流が速く、20号でも着底が落ち着かない。このようなときは、シャクリの幅を小さく、止めの時間も短めにして誘っていく。しかし、魚の気配はなく、2流し移動。

ポイント移動で小型のショウサイフグ

次は大貫沖の水深8m。オモリを10号にチェンジするよう指示が出る。狙いは、ここもショウサイフグ。

このポイントの潮流は落ち着いていて海底でのオモリも安定。スッと仕掛けをシャクリ上げ、いったんステイ。ゆっくりとエサの赤エビを見せるように誘い下げていき、着底したらゼロテンションで竿先に集中。アタリがあったらハリスぶん程度聞き上げて、魚の重みを感じたら追いアワセするイメージ。

だが、このポイントでは小型のショウサイが姿を見せただけ。

小移動でポツポツとヒット

次のポイントは、やや南下した水深10m。船長はアンカーを打ち、フグの回遊を待ちながら、じっくりと狙うスタイルに。すると、船中でポツポツと釣れ上がるようになる。

なかでも、大下さんは立て続けにショウサイフグをゲット。さらに小型ながらトラフグも手中。私もショウサイフグを3尾キャッチしたが、あとが続かなくなったところで再び移動。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
大下さんのトラフグ(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

岩場でコモンフグ狙い

「次のポイントはやや深みの岩礁帯で、コモンフグがメインとなります。カットウでも狙えますが、根掛かりが多くなるので、食わせ仕掛けのほうが無難です。オモリは20号にしてください」とのアナウンス。

このポイントで覚醒したのが大下さん。タックルも仕掛けもカワハギ仕様にチェンジ。小さなアタリを確実にハリ掛かりさせ、コモンフグとしては大型の25cm前後を次々にキャッチ。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
カワハギ仕掛けで連チャン(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

カットウ仕掛けで連釣

私もフグ用の食わせ仕掛けに変更したものの、釣果が続かない。大下さんが「少し浮いたところでアタリが出る」と話してくれたので、あえてカットウ仕掛けを選択し、釣り方をひと工夫。

着底後、すぐに仕掛けを50cm上げて、その位置でステイ。

テンションが掛かった竿先に出る小さなアタリに集中し、違和感があったら小さいアワセを入れていった。

すると、この釣り方がハマる時間帯があり、コモンフグを連釣。やや浮いた魚には効果的な狙い方だった。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
カットウでの宙釣りでゲットしたコモン(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

最終釣果

その後もポイントを変えながら、沖上がりの時間までコモンフグを狙い、14時半に終了。後半も大下さんの一人舞台で、最終的には25尾まで数を伸ばしていた。

私は10尾で終了。船中釣果は16~38cmを3~25尾。コモンフグを中心にトラフグ、ショウサイフグ、アカメフグが上がり、ゲストにシロギス、マダコ、オコゼなど。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
オコゼもゲット(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

今後の展望

林船長に今後の展望を聞くと「しばらくは釣れるフグを狙うスタイルになりますので、仕掛けやオモリのバリエーションを幅広く用意してもらえたらと思います」と締めくくってくれた。

これからの時期は水温が上がり、濁りも入ってくる。フグの活性はますます上がり、湾フグ釣りには最高の季節となってくる。食べてはさまざまな料理で舌鼓が打てて、釣っては繊細なアタリで掛けていくおもしろさを味わえるフグ。ぜひ、この釣りにトライしてみてほしい。

東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】
ショウサイとオコゼの薄造り(提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

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<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>

▼この釣船について
新明丸
この記事は『週刊つりニュース関東版』2023年2月24日号に掲載された記事を再編集したものになります。The post 東京湾フグ船でコモンフグ中心にトラにショウサイと多彩釣果【新明丸】 first appeared on TSURINEWS.
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