オフショアでジギング、エサ釣り問わず人気のターゲットになっている根魚。サイズも大型が釣れ、また食べてもおいしい魚が多いことが特徴です。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター加藤隆太)
根魚リリースの必要性
よくいわれる話で、根魚は成長が遅いと聞きます。具体的に筆者の住んでいる鳥取県では、キジハタの27cm以下はキープ禁止になっています。調べてみると、キープサイズといわれる30cmに成長するまでには、約4年掛かるそうです。
また、30cm程度から産卵をするそうなので、小さい魚を捕ると必然的に産卵数が減ることになり、魚の数の減少につながります。
小さい魚はキープのメリット少ない
漁獲制限の掛かっていない魚種もいるので、持ち帰り自体は個人の判断になります。
後に書きますが、筆者はリリースしても死んでしまう小さい魚は持ち帰ります。でも、小さい魚を持ち帰るメリットは少ないと感じています。その理由は、料理に手間が掛かるわりに食べれる身は少ないです。
結局、小さい魚はまとめて煮つけに。魚の煮つけはおいしいのですが、小さい魚は料理のレパートリーが少なくて残念な気持ちになります。
沖で釣れた根魚
筆者のオフショアジギングでの水深は60m程度ですが、この水深から釣り上げると水圧の差で浮き袋が膨らんだり、目玉が飛び出したりしていることが多いです。
浮き袋が膨らんで胃袋が口から出た状態の魚や、目玉が飛び出している魚をそのまま海に放しても、お腹に浮き輪が付いてるようなものなので、魚は逆さまになり全く泳げません。
そのままでは、浮いたままになってしまいますので、浮き袋に溜まっている空気を抜いてあげる必要があります。
エア抜きの方法とリリースジグ
エア抜きの方法を解説します。釣り上げてリリースすることに決めたら、魚がやけどしてしまうので魚をデッキに置かないようにしてください。
そして、魚の胸鰭の後ろ側に、針の付いたエア抜き器具を差し込みます。そうすると空気の抜ける音がします。
次は、口から出ている胃袋を口のなかに押し戻してください。押し戻すときは、魚を傷つけないようなものであれば大丈夫なので、筆者は長めのジグで押し戻しています。また胸鰭以外には、肛門付近などから器具を差し込む方法もあります。
リリースジグ
ほかには、リリースジグといったリリース専用のジグも販売されています。強制的に元いた水深まで戻せますので、手間を惜しまなければ確実な方法だと思います。
弱ってしまう魚種
なかには、エア抜きをしてもうまく泳げない弱い魚もいます。
よく釣れるものだと、レンコダイはエア抜きをしてもうまく泳げないことが多いと感じます。なので筆者は、レンコダイについてはリリースを試みますが、ほとんどキープというのが現状です。
リリース成功率アップのコツ
釣り上げる魚には、急激な水圧の変化により、かなりのダメージが加わります。リリースの成功率をアップするには、ヒット後に小さい魚だと分かったら、ゆっくりと巻き上げてダメージを最小限にすることです。
そして、釣り上げた後に確認するのは目玉です。飛び出しているだけなら、潜れば水圧で元に戻ります。しかし、黒い目が白くひび割れたように濁ってしまっていると、リリースしても長く生きられないようです。そのような目になった場合は、リリースせずに持ち帰って食べるようにしています。

市販のエア抜き器具
釣具屋さんには、エア抜き器具が何種類も売られています。以前は少なかったですが、胸鰭の後ろで使える器具も販売されていますのでお勧めです。筆者はエア抜き用の器具を自作して使っています。安価な材料で作れますので仲間内で使っています。
エア抜き器具の自作方法
エア抜き器具の自作方法を紹介します。
準備するアイテム
ボールの空気いれ用の針
観賞魚用の水槽に使うホース
粗めの紙ヤスリ

作成手順
材料を準備したら、はじめにボール用の針を紙ヤスリで削ります。
イメージは注射器の針のような形になるように削ります。先端を鋭利にしないと魚に刺さりませんので、しっかり尖らせます。

削れたらホースを適当な長さに切って、針に取りつけ完成です!

参考にしたもの
このエア抜き器具を自作するきっかけは、「山口県水産研究センター」の記事を見たのがきっかけです。「キジハタのエア抜き技術の紹介」というトピックスが有りますのでぜひ参考にしてください。
釣りする環境を守ろう
筆者がよく乗る船の船長のみなさんも、昔に比べて根魚のサイズが落ちたなどと話をされています。
みなさんも正しい知識を持って、必要以外の小さい魚はリリースすること。これからも釣りを楽しめる環境が長く続くように、釣り人ひとりひとりが意識をして気をつけていただきたいと思います。
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<加藤隆太/TSURINEWSライター>
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