虹鱒(ニジマス)の燻製作りに取り組んだので、作り方を紹介したい。脂の乗った虹鱒の燻製の味は釣り人ならではの至福を時をもたらしてくれるはずだ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター中山祐司)
季節の活用
西高東低の乾燥注意報が終わる前に、釣り上げた魚達の燻製作りに取り組んだ。年間を通し燻製作りは楽しめるが、春を待つ渓流釣りのオフシーズンはベストである。
この時期の寒風を利用した燻製作りは特に渓流魚の味わいを深いものにしてくれる。酒の肴に楽しみを添えてくれるものである。
釣り場での虹鱒の下処理
釣りたての魚はなるべく活魚の状態で鮮度の良い魚を選んで利用したい。常設釣り場の場合、フラシ魚篭などを利用し出来るだけ活かしておく事にしている。納竿後エラワタを処理し、血合いも取り除いた状態で塩はしない。
釣果の多い時や釣り場サービスのワタ処理の場合は、エラ血合は残る事が多いので、帰宅後丁寧に処理している。好みによるが血合があると完成時に独特な魚臭さが残ってしまう。
持ち帰り方
魚の運搬はクーラーボックスを利用し氷水に魚を浸し持ち帰っている。魚は直接水に触れさせず2.3匹小分けしてジップロックなどを使用したい。余分な水分で魚がふやける事を防ぐ事が出来る。風乾も早く魚の旨味が個人的には強くなる気がする。
必要な材料と道具
まずは必要な材料と道具から紹介しよう。
材料
燻製の材料は、釣魚に加えてチーズ、蒲鉾、ゆで卵、ボイルウインナーなど、冷蔵庫のその時の食材も利用し一緒にスモークを楽しんでいる。

スモークチップ
スモークチップはサクラ、ナラ、リンゴ、ヒッコリーと使い分けるが、植込みのレモンミントやローズマリーを少し摘んで魚に添えて一緒に燻製する事もある。
ハーブも活用してみると良いと思う。尚、市販のスモークウッドは簡単に火がつき、短時間の熱燻には便利である。

道具
スモーカーボックス(燻製箱)は、アイデア次第で色々な物を利用出来ると思う。私は古いリトルシェフの電熱式スモーカーで温燻を楽しんでいる。時間は掛かるが、温度管理が簡単な事も理由である。

夏のBBQの合間に、コフェルやダンボールを利用した即席の熱燻も美味しいものである。流石に冷燻は手が出無いが、アウトドアの長期滞在が叶った時には挑戦したい。参考までに熱燻は80~140度、温燻は30~80度、冷燻15~30度が煙の温度である。
温度が低い程時間をかけてつくりあげる。私はときどき時間が待てず、温燻から熱燻へ変更してしまう事があるが、それなりに美味しく頂いている。

魚の調理
いよいよ具体的な手順を解説していこう。
ソミュール液に漬け込む
下処理をした魚をソミュールへ漬込む。密封容器などを利用し冷蔵庫で半日程の工程である。ソミュール液は、水1Lに100g程の粗塩と10g程の三温糖を入れて沸騰させ、冷ました物をアレンジしている。
私は赤ワインとレモン果汁を少々入れるのが常で、スパイス類は特にこだわりは無く、ガーリック、シナモン、ローリエ、黒胡椒などその時の気分で使っている。
時間を見てソミュール液を開け、流水で塩抜きにかかるが、工程は味にムラが出ない様、魚に直接水が当たらぬ工夫で深めのトレーを利用するのも良いと思う。

風乾
流水から取り出した魚は表面、エラ、腹部の水分をよく拭き取り、腹部は割り箸などで開口の支えを付けたら干し網での風乾となる。ベランダ利用の場合は野鳥(カラス)の襲来に気をつけたい。

魚の表面が乾き中から脂が浮き出る迄、一週間ほど好天を利用し天日干しをすると、時間を掛けた分旨味の凝縮された干物が出来上がる。

スモークへ
今回は小型の虹鱒にレモンミントとローズマリーを添えてスモーク缶の隅に置いてみた。残りはシンプルに吊り下げる。いつもの蒲鉾とチーズも入れた。満員のスモーク缶温度は70度までの温燻スタートである。

5時間の温燻後の1時間はスモーカーを開口せずに冷燻の状態を保つといよいよ取り出しへ。日も傾きかけ飴色に変わった魚を取り出すと、チップハーブの香りが辺りに漂い出した。もう片手はワイングラスで塞がっているのもマイ燻製つくりの醍醐味である。
脂の乗った虹鱒の燻製の味は釣り人ならではの至福を満たしてくれる。春を待つ北国の渓流釣行計画は山地図と燻製と酒で繰り返されていく。

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<中山祐司/TSURINEWSライター>
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