カヤックフィッシングで愛用している「ミラージュ・プロアングラー12(360ドライブ搭載モデル)」。ホビーカヤックから販売されている足漕ぎフィッシングカヤックの高性能モデルだ。

今回は、実際に使ってみて分かったスペックの詳細を書こうと思う。

(アイキャッチ画像提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

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最新のミラージュドライブを搭載

まずは、いわゆる「足漕ぎシステム」の駆動系であるミラージュドライブ360。ペンギンの泳ぎを参考に作られ、フィンタイプの足漕ぎシステムとして知られているミラージュドライブの最新型が、ミラージュドライブ360だ。

前後への進行が可能なミラージュドライブ180に、横方向の回転性能を加えたモデルで、360の名前通り、その場での旋回ができる。

波を避けるための急旋回や、全速力からの急停止、釣りの仕掛けの投入角度の調整、潮や風で流される角度・速度の調整などを、手元のハンドルひとつで操作できる。

このハンドルも360度クルクルと回転でき、ドライブ中央に進行方向がわかる矢印もあるため、直感的な操作ができるようになっている。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
ミラージュ・プロアングラー12(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

キックアップフィン&ターボフィンを標準装備

ミラージュドライブ360は回転以外にも、キックアップ・フィンやターボフィンが標準搭載されている。

回転性能が目立つため、あまりフォーカスされないが、キックアップ・フィンは衝撃が加わるとフィンのシャフトのロックが解除(アンロック)されて、衝撃を受け流してくれるため、浅瀬や暗礁からドライブを守ることができる。

このキックアップ・フィンには、岩礁帯での根魚狙いの際に、何度も助けられている。アンロックになったフィンはドライブを漕ぐことにより自動で戻るため、岩礁帯でも連続した航行が可能だ。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能フィンで快適な釣行が可能(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

安定性に優れる船体

操作系の機能としては、カヤックの内側壁面にシートの高さ調整、スケグの上げ下ろし操作、魚探の振動子を出し入れするガーディアンシステムの操作、ラダー(舵)の上げ下ろし操作はロープを引いたり戻したりすることでき、シンプルな構造である。

通常、足漕ぎカヤックには必須である方向転換用のラダーだが、ミラージュドライブ360に慣れてしまうと操作することはあまりなく、スケグの補助的な役割として使用している。

スケグとは、飛行機でいうところの垂直尾翼で、直進性を向上させるヒレ状の構造物だ。ホビーカヤックではプロアングラーとタンデムアイランドに搭載されていて、横波を受けた際のバランス保持にも役立っている。

バランスの保持にはカヤックの船底がカタマラン(双胴船)構造であることが最大のポイントで、多少の波や風ではバランスを崩されることはない。

その安定性は立って釣りができるほどだ。高さのあるシートを使っても安定感を損なうことなく、ゆったりと座って釣りを楽しむことができる。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
安定した姿勢で釣りが行える(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

快適さを生み出すヴァンテージシート

ミラージュ・プロアングラー12に採用されているシートは、座り心地を微調整できるヴァンテージシートというもので、高さも背もたれ角度も、自分の体格や、漕ぎ姿勢にあわせてカスタムできる。

長時間漕いでも腰が痛くなりにくい。カヤックから取り外してアウトドアチェアとしても使えるので、陸地でのひと休みにも活躍してくれる。

大型フロントハッチに、冷えた飲み物と食料を入れて、カヤックでしか行けない秘密の砂浜に上陸して休憩。もうこれだけで最高のアクティビティだ。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
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アウトドアチェアとしても使える(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

ロッドを最大6本収納可能

カヤックフィッシングに特化した装備としては、カヤックの船体にロッドを6本も収納できるという、他のカヤックにはない特徴がある。

収納と言っても、竿先をフロントハッチ横の穴に差し込むタイプで、使い道としては、帰着時に波が高く、着沈・横転の危険があり、ロッドホルダーにロッドを立てていると紛失や破損のリスクが高くなるような場合の帰着時は必ずここに収納するようにしている。

釣り中や移動時のロッドはHレールに装着したロッドホルダーに立てている。Hレールはアルミニウム製の12角形のレールで、より多くのギアをより多くの場所に簡単に取り付けることができ、使い勝手がよく、魚探のマウントの固定や、小物入れの固定、カメラ用マウントの固定にも使える。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
Hレールにさまざまなギアをマウント可能(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

小物の管理もしやすい

小物の管理としては、足元にハッチがあり、ピボットタックルマネジメントシステムが標準装備されている。これは、ハッチを開けるとタックルケースが出し入れしやすい角度でスライドしてくるというものだ。

使いやすくて便利なのだが、自分の場合は、ハッチの奥にバッテリーを入れたり、タックルケースに納まらないアイテムを入れるためにバケットケースと交換したりしている。他のモデルとの互換性があるので自分が使いやすいようにカスタムができる。

ハッチの両サイドにはスタンティングプラットフォームデッキパッドが敷かれていて、強いグリップ力があるため、スタンディングでの釣りの際に、強く踏ん張ることができるそうだが、自分のフィッシングスタイルはシットオンが基本であるため、スタンディングでの使用感は評価できない。

ただ、強いグリップ力のおかげで、小物を一時的に足元へ置いておく際に、転がったり滑ってどこかに行ってしまったりすることがないため、滑り止めパッドとして活用している。

後部にある貨物ストレージには大型のクーラーボックスも搭載可能だ。かなり広い作りになっているので、食料と飲み物専用のクーラーボックスを追加したり、着替えや、ドーリー(カヤック運搬用のカート)を積んだりすることもできる。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
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クーラーボックスも追加できる(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

スタイリッシュなデザインも魅力

書きたいことがあふれてしまい、まとまらない内容になってしまったが、最後にひとつ、最大のおすすめポイントを紹介したい。

それは、カヤック自体の格好よさだ。プロアングラー12は、とにかく格好いい。フォルム、カラーリング、機能性、安全性、どれを見ても最高の仕上がりで、無駄がなく洗練されているのに存在感がある。そんなかっこいいプロアングラーに乗って、魚を釣っていられることは、今考えられる最高の幸せかもしれない。

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
ルーフトップに車載できる(提供:DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー・橋口純平)

商品詳細

・名称:MIRAGE PRO ANGLER 12 WITH 360 DRIVE TECHNOLOGY(ミラージュ・プロアングラー 12 ウィズ ミラージュドライブ360)
・定員数:1名
・駆動:MD 360 TURBO W/ KICK-UP FIN TECHNOLOGY
・長さ:3m66cm
・幅:91cm
・高さ:51cm
・最大搭載重量:227kg
・船体重量:49.7kg
・完成重量:60.1kg
・座席耐荷重:159kg
・船体構造:ロートモールド製造(ポリエチレン素材)
・価格:876,700円(税込)
・詳細は公式ページを参照
・カラーその1:Arctic Blue Camo 

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
カラー:Arctic Blue Camo(提供:HOBIE JAPAN)

・カラーその2:Amazon Green Camo

高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
高性能足漕ぎカヤック「ミラージュ・プロアングラー12」を釣りの名手がインプレ
カラー:Amazon Green Camo(提供:HOBIE JAPAN)

・YouTube動画

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<橋口純平/DAIWAフィードテスター、HOBIEアンバサダー>

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