夜釣りの際に選ぶポイントにおいて大事な「光」。常夜灯があるかどうかで釣果が大きく変わると言われています。
(アイキャッチ画像提供:近藤俊)
サカナが光に集まる理由
サカナが光に集まってくる理由は、実はまだはっきりとは分かっていません。
考えられる理由はいくつかあり、おそらくこうだろうと言われている理由は主に3つあります。
・餌となるプランクトンが光に集まっている
・本能的な好奇心
・明るい状態を好んでいる
ではそれぞれをさらに詳しく見ていきましょう。
プランクトンが光に集まっている説
水中にはプランクトンが無数に存在しています。プランクトンは動物プランクトンと植物プランクトンに分類されます。中でも植物性プランクトンは光合成を行うことで栄養素を作り出しているため、光に集まってきます。
そして、その光に集まる植物性プランクトンを主食とするのが動物性プランクトンで、その動物性プランクトンを主食とするのがイワシなどの小さなサカナとなります。
ですので、サカナは光に集まっているというわけではなく、光に集まるプランクトンを捕食するために光のあるエリアに集まっていると考えられています。「光>植物性プランクトン>動物性プランクトン>小型サカナ>大型のサカナ」というような食物連鎖ができていることになるのです。
これを「索軒集群説」といい、最も定説に近いと考えられています。
好奇心で集まっている説
サカナの中には動くものや光るものなど、見慣れない新しい刺激を好む種類がいます。
水中からボワっと光っている場所を見付け、好奇心で光に集まってきているという考え方で、これをこちらの理由を「探求反射説」といいます。
しかし、これは動物の行動原理に基づくもので、一定の評価が出来ないため、「索軒集群説」よりも信憑性は高くありません。
きっと光に興味があって集まってくるサカナもいるだろうという想像に近いものになります。
明るい状態を好んでいる説
昼と夜では海の中も明るさは全く異なります。
人の中にも部屋は明るい方が良い人もいれば、暗めがいい人もいますよね。これと同じように、サカナの中にも日中のように明るい環境を好むものがいるという考えです。
夜間でも明るい場所を求めて移動するという考え方を「好適照度説」といいます。サカナの中にはクロダイのように光を極度に嫌うサカナもいるため、その反対に光を好むサカナもいると仮定することが出来るのです。
しかしこれもなかなか一定以上の評価が難しく、そういうサカナがいるだろうという想像の域を出にくい説となっています。
光に集まる習性があるサカナ
光に集まってくる習性をもつサカナは、身近なものだとアジ・サバ・カマス・タチウオ・スズキ・メバルなどの根魚などが挙げられます。
これは船などで夜間に漁を行うサカナを考えるとある程度想像することが出来るでしょう。こう並べてみると、青魚の多くは光に集まりやすい傾向にあることが分かります。
他にもスルメイカやアオリイカなどイカの仲間も同様に光を好む習性をもちます。

集まりやすい光の色は?
サカナが集まりやすい光の色を考えた場合、上記の説も踏まえると、「白・青・緑」などが有力だろ考えられています。
常夜灯にような白色の光は視認性もよく、植物性プランクトンが集まりやすく、結果的にサカナが集まりやすいと言われています。
また、「青・緑系」の光はプランクトンが発色する色に似ていることから、サカナが集まりやすいく、特に青色はより遠くまで光が届くと言われています。
反対に赤色の光は、水中には届きにくいため、サカナが認識できないと言われています。
常夜灯で狙うは「白」
夜釣りのポイント選びの際には、やはり白色の常夜灯を選ぶのが良いでしょう。
また、夜釣りの場所選びで大事なのは光以外にも、潮の巡りがいいのかなども大事な要因となります。
明るいだけでもサカナが泳いで来なければ意味がありません。潮通しのいい明るいポイントこそが夜釣りで狙うべき最重要ポイントとなるのです。
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<近藤 俊/サカナ研究所>
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