近畿地方では、毎年7月~8月頃から各地でタチウオの釣果情報が聞こえ始める。堤防から狙える魚の中では特に引きが強く、食味も良い人気のターゲットだ。

だが、いざ実釣!となると少々コツがいる魚だ。今回は、タチウオ釣りのための基本を紹介していこう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹...の画像はこちら >>

タチウオの特徴

まずはフィッシュイーターであるタチウオという魚の特徴を知っていこう。

釣れる時期

タチウオは、夏~秋にかけて堤防から狙うことが出来る超・人気のターゲット。瀬戸内の堤防では毎年7~8月頃から釣れ出し、9月~11月に最盛期を迎える。年と場所によっては12月を過ぎても釣れることがある。

引きが強い

大きなものであれば全長が1mを超えることもあり、その引き味は凄まじい。細い体のどこにそんなパワーがあるのか?と疑いたくなるような重量感は、一度釣ると虜になってしまう魅力がある。

歯が鋭い

タチウオの歯は恐ろしく鋭い。細いラインなら歯が触れただけで簡単に切ってしまうため、ワイヤーハリスが基本となる。もしくは、8号~20号程度のフロロカーボンラインを使用する事もある。状況によって使い分けたいところだ。

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
歯は絶対に素手で触らないこと(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

鱗が無く処理がラク

タチウオの体表は「グアニン色素」と呼ばれる銀色で覆われており、魚類には大変珍しく鱗が無い。釣ってきた後の処理も、頭と内臓を取ってぶつ切りにするだけ……と、手間がかからず美味しくいただけるのも魅力の一つだ。

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
この状態でOK(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

別名「幽霊魚」

タチウオのタナは驚くほどコロコロ変わる。また、「前日は爆釣、今日はダメ……」なんて事もあるほど、神出鬼没な魚でもある。その様子から、「幽霊魚」というあだ名までついている。

アワセが難しい

タチウオは、特有の体型・口の形状から、エサの食べ方が少々独特。どちらかというとエサの捕食がヘタな部類に入る。一度噛みついた後にガジガジしたり、咥えたままきちんと食い込まずに泳いだりするため、アワセが少々難しい。人より釣果を伸ばすには、アワセの是非がカギを握る。

サイズはFで表す

アングラーの間では、タチウオのサイズ(幅)をフィンガーの頭文字であるFで表すことが多い。F3で65~75cm程度、F4で85cm~90cm程度が目安。F5になると1mクラスになる。

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
指でサイズを把握(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

タチウオの釣り方

次に、堤防からタチウオを狙うための釣り方を紹介しよう。

電気ウキ釣り

タチウオ狙いで最も人気があるのが、夜の海に電気ウキを浮かべて釣るウキ釣りだ。仕掛けをセットして放り込むだけという手軽さと、電気ウキでアタリを取る楽しさが魅力だが、その一方でアワセが一番難しい釣りでもある。

引き釣り

タチウオテンヤと呼ばれるオモリと針が一体型となった専用の道具に、エサとなる魚をワイヤーで固定。タチウオ専用ハリスの先にセットし、キャストして引っ張って釣るというもの。さながら「生餌を使用したルアー釣り」のような釣り方だ。

ルアー

フィッシュイーターのため、勿論ルアーフィッシングの対象魚にもなる。イワシを模したミノーやダイビングペンシル、バイブレーションや鉄板バイブ、ジグの他、ワームでも釣れるが、歯が鋭いためルアーがボロボロになる事を覚悟する必要がある。

ワインド

15年ほど前に誕生した、比較的新しい釣り方。専用ジグヘッドに専用のワームを使用し、一定周期で竿をシャクり、ワームを左右にダートさせながら釣る。現在はタチウオのルアーフィッシングの中でもド定番と言える存在となった。シャクリがそのままアワセに繋がる為、ヒット率が非常に高いのも大きな特徴だ。

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
ワインドの道具(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

また、派生した釣り方の一つに、フラップ釣法というものもある。こちらはピンテールタイプの専用ワームを使用し、「直線の釣り」を意識した釣り方だ。

タチウオ釣りで使用するエサ

最後に、テンヤの引き釣りやウキ釣りで使用されるタチウオ釣りの定番エサを紹介しよう。

冷凍キビナゴ

タチウオ釣りで最もポピュラーなエサと言えばこれ。安価で冷凍保存が出来るため、非常に人気が高い。近年は様々な色に着色したカラーキビナゴや、集魚効果のある液体に浸したタイプも人気となっている。

イワシ

エサもちはキビナゴより悪いが、食いは抜群。仮に釣り場でカタクチイワシやウルメイワシが釣れるならば、最強クラスのエサとなる。活き・死にエサ・冷凍、どの状態でもOKだが、身が柔らかいのでキャスト時の身切れに注意が必要だ。堤防でテンヤに巻いて使用する場合、テンヤのサイズに合わせて小さめの物をチョイスしたい。

サンマやサバの切り身

こちらはウキ釣りの定番エサ。釣具店で売られている物の他、スーパーで買ってきた物もエサとして使用できる。ただし、生魚をそのまま使用するとエサもちが悪いので、軽く塩で〆てから使用すると身持ちが良くなるのでオススメだ。

サビキで釣れた魚

先述したイワシの他、生きた豆アジを泳がせたり、スズメダイや小サバを切り身にして使用することも出来る。これらの小魚は、エサ切れの際の非常エサとして考えておけばOKだ。

ドジョウ

大昔から使われている引き釣りのエサ。皮が分厚い為非常にエサもちが良く、手返しよく釣ることが出来る。尻尾の部分がテンヤから少しはみ出るようにセットするのがコツで、この尻尾の動きがタチウオを誘うと言われている。

タチウオの尾

タチウオは共食いする魚としても知られる。時折尻尾が切れた状態のタチウオが釣れる事があるが、これは共食いした証拠。

堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】
共食いの可能性大(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)

他のエサに反応しない時、釣った太刀魚の尾をテンヤにセットして釣ると、思わぬ釣果を得ることがある。イワシ+タチウオの尾、といったハイブリッドもありだ。

タチウオを釣るなら夜釣りで

タチウオは、日中の明るい時間帯は沖の深場で活動しており、暗くなってくると浅場にやってきてエサを食べるという特徴がある。そのため、堤防から狙うなら夜釣りが基本だ。

これからの季節、日中は大変熱く熱中症の危険があるが、夜釣りなら快適に楽しむことが出来る。釣って楽しい、食べて美味しいターゲット・タチウオを、趣のある夜釣りで狙ってみてはいかがだろうか。

「ジグヘッド」✕「タチウオ尻尾」=『共食いメソッド』 徹底解説!

生きているタチウオの展示が話題 メジャーなサカナだが飼育は難しい?

意外すぎる『マニキュア』と『タチウオ』の関係 ポイントはキラキラ?

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

The post 堤防からタチウオを釣る方法 【習性と代表的な4つの釣り方を徹底解説】 first appeared on TSURINEWS.
編集部おすすめ