茹だるような暑さの中で釣りをする場合は、どのように暑さを耐え凌ぐかが重要になる。その中でも釣りをする時間帯を工夫することは、手軽に対策できる方法の1つなので意識しておきたいところだ。

今回は暑さが和らぐ夕方の時間帯で釣りのメリットを、実釣を交えて紹介したいと思う。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・牧野博)

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夏の陸っぱりの釣り

今の時代に釣りを楽しむ私たちは、もしかすると昔の釣り人よりも、暑さに弱くなっているのではないか?そんなことをふと思う時がある。確かに平均気温がここ数十年で上昇傾向にある事が、様々な統計資料で示されている。

その一方で私たちは、多くの生活場面で空調の良く効いた環境下で過ごしている。

昔は冷房がなかった

一度50年前にタイムスリップしてみよう。30代までの若い読者の方々から見れば、親世代の方々の子供時代である。当時は熱中症のことを熱射病と呼んでいたが、今のように住宅にクーラーは普及しておらず、私の通っていた小学校の教室も扇風機だけであった。

乗り物に至っては言うに及ばずで、通勤列車でも、冷房が入っていればラッキー、クルマでも、エアコンが標準装備されているのは高級車だけだった。しかし、そのような生活スタイルの中で、現代よりも汗をかき、自然に身体が暑さに順応していたのかもしれない。

クーラーが当たり前の時代

その後、クーラーが普及してくると、「冷房病」などといった言葉が生まれ、オフィスで主に事務仕事をする女性は、夏でもひざかけを使う人が多くなった。

釣りという遊びのシーンを考えてみた場合、室内の釣り堀など、例外的な場所を除けば、空調はない。そう考えれば現在のアングラーにとって、夏場はかなり過酷なコンディションと考えなければならないだろう。

快適な釣りの時間帯

コンディションが厳しい夏の釣りは、時間帯を考える必要がある。早朝から日が高くなるまで、または夜釣りというのが投げ釣りや波止釣りでよく見られるパターンである。

また、どうしても日中に釣りをする場合には、気温が高くなる正午から3時過ぎ位までは、クルマの中で時々エアコンを効かせながら休息したり、釣り場の中で日陰になる場所を探してそこで休息する。その後、日没位まで夕まずめを狙う方がいい。

朝の苦手な私は、このパターンが多い。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
日中を避けて釣りをするのが常套手段(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

夜釣りも選択肢の一つ

夜釣りなら、直射日光は避けられるが、それでも日の高いうちにポイントに入り、周囲の状況を確かめておく必要がある。また、日が落ちた後は、場所によっては蚊との戦いになることも。

昼間に比べて中~大型魚の確率が高まるという魅力はあるが、アングラーにとっては、なかなか厳しいコンディションといえるだろう。

なお、いずれの釣行パターンの場合でも十分な水分補給は欠かせない。熱中症は室内や夜間でも起きるのである。

道具や仕掛け

早朝から、日が高くなるまでの釣りなら、キスやハゼの場合、竿1本、リール1個、あとはクーラーに仕掛けやオモリ、エサ、保冷材や飲料水があれば釣行できる。

夜釣りは基本的に置き竿で釣ることが多いので、複数のタックルを使用するために、エサも昼の釣りのほぼ2倍くらいの量が必要である。仕掛けも昼の釣りとは別に太仕掛けのものを作る必要があるし、タモ網やライト、虫よけスプレーと、荷物の量も必然的に増えてしまう。

夜釣りに慣れているアングラーならいいが、エサ代をはじめとして釣行コストも結構かかる。さらに、昼釣りほど頻繁に魚信があるわけではないので、複数の竿を使ってキャスティングし、穂先ライトの動きを凝視するなど、昼の釣りと異なった集中力が要求される。

お気軽!夕涼みフィッシング

厳しい暑さを少しでもしのぎながら、それでもライト感覚でお気軽に釣行できないか、早朝の釣りも確かに魅力があるが、私のように早起きが苦手だったらどうするか?

また、アングラーの中には交代勤務をされている方もおられると思う。夜勤明けの朝の釣行は、さすがにキツイし、居眠り運転などの危険性も高い。

そこでおすすめなのが、夕涼みフィッシングである。日中は涼しいところで休息、日が少し傾き始めた時間帯から、日没前後までの限定で、チョイ投げや延べ竿の釣りを楽しむ。

暑さをしのぎやすくなるうえ、昼釣りのアングラーが帰り始める時間帯なので、比較的釣り場が空いてくるのもいい。夕まずめを狙うことになるので、プチ夜釣りの雰囲気も味わえる。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
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気温が下がる日没前後が狙い目(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

夕涼みフィッシングその1:キスチョイ投げ編

7月29日、紀北・田ノ浦漁港に釣行。暑さを避けて16:30ごろからチョイ投げ、エサにはイシゴカイを使った。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
チョイ投げタックル(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

この時期はチャリコが非常に多く、6~7cmのものが頻繁に針がかりしてくる。距離を少しずつ変えながら探るが、やはりチャリコの連、仕掛けを止めるとすぐチャリコが針がかりする状況だった。

本命のキス顔出し

そこでオモリが着底後、さびくスピードを通常よりかなり早くしてみる。冬場、キスがかかった後、慎重にリーリングして取り込むくらい速さでリールを巻き続けたところ、散発的にキスが来るようになった。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
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チョイ投げで釣れたキス(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

魚信の出方もチャリコとは微妙に違っている。また、チャリコは底を切って仕掛けを浮かせてしまうと比較的動きが鈍くなるが、キスはある程度の型ならリーリング中もより鋭角的に走る。チョイ投げだと錘も含めた仕掛け全体が軽いので、そのあたりの感触がなかなか面白い。

キスの潜む場所について

かなり狭い漁港のワンドの中であるが、キスが良くくるポイントがやはり存在する。写真は釣り座からワンドの方向を見たものであるが、この釣り場に入った時、私は対岸の護岸と、左手に見える船揚げ場の境目の方向を必ず探ってみる。この方向は、キスがくる確率が高い。

不思議に思って対岸周辺を歩いてみると、船揚げ場の脇に、小さな溝川の流れ込みがあることがわかった。

当日もこの方向でキスがきた。水温の状態や、底が周辺とは微妙に違っているのだと思う。

最終釣果

この日は、チャリコの猛襲のなかで19:30まで釣り、キス17cmまでを7匹、他ベラ、チャリコ、ハゼと多彩な釣果だった。秋口になれば小型ながらカワハギも混じり、独特の魚信で楽しませてくれるポイントである。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
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豊富な魚種が釣れた(提供:TSURINEWSライター・牧野博) ▼この釣り場について
田ノ浦漁港

夕涼みフィッシングその2:ハゼミャク釣り編

8月10日、やや日が陰りだした17;00ごろから、紀ノ川へ遊びに行く。このところ南方海上に台風があるため、南風が強い日が多く、結構暑い。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
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ミャク釣りタックル(提供:TSURINEWSライター・牧野博))

風向きを考えて左岸を選び、図のようなタックルで釣り始める。以前、イシゴカイとの比較テストを行い、釣れるハゼのサイズが大きいという傾向が出た赤イソメのみで釣ることにした。エサ自体もイシゴカイと比べて太いので、どのような釣果になるのか、楽しみである。

紀ノ川左岸・北島橋付近でハゼをキャッチ

1匹目のハゼは12~13cmと、夏ハゼのこの時期にしてはまずまずの型、前回の釣行(7/8)に比べ、二回り近く体長が長くなり、太さも増して充実した魚体になっていた。

当日は少し濁りも入っていて、一つのポイントでもあまり数が出ないようだったので、北島橋の方向に向かって、少しずつ移動しながら探る。コツコツとした魚信を拾うが、針がかりしないのはサイズが小さいハゼと思われる。

タックルや仕掛けについて

竿やオモリ、道糸の条件は前回と同じであるので、このあたり、イシゴカイと赤イソメの差が出ているようにも思われるが、前回(7/8)と今回のハリの違いも微妙に影響しているように感じられた。前回はスピードハゼ6号、今回は赤袖5号である。

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夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
釣行に使用した針(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

スピードハゼ6号は赤袖5号に比べ、軸長で、より流線型に近い形のハリであるが、ふところは狭い。そのため、小型のハゼでも吸い込みが良かった可能性がある。

赤袖を使った今回は、口の周りに針がかりすることが多かった。

数を釣るか、良型を狙うか、目的によってエサだけでなく針を使い分けることができないか、一度調べてみたい。

最終釣果

今回は19:00までの釣行で、ハゼは13匹。7月の釣行と比べ、数は少なかったがハゼは明らかにサイズアップしていた。今回のハゼと、季節野菜の冬瓜を使って、新しい料理にチャレンジした、その様子を近くリポートする予定である。

夏は暑さを避けて夕方の釣りがオススメのワケ 実釣ではキスやハゼを連打
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日没前後に釣れたハゼとゲスト(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

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<牧野博/TSURINEWSライター>

▼この釣り場について
紀ノ川
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