アオリイカは主に春のモンスターサイズの釣りと、秋の新子狙いがメジャー。ここ富山湾や日本海の直江津沖などは9月から新子が狙えるシーズンとなっています。
当日は雨模様
この日は少し小雨スタートです。風は北2mで風が心地いい感じです。潮は長潮、雨は途中強くなりましたが、一瞬で弱くなり降っても気にならない程度です。海を見ると、台風の影響か…濁りが強く、浅場での釣りは厳しい…と頭をよぎります。何故なら、濁りの海で何回もやった事ありますが、基本的に釣果が良くないです。
アオリイカに限りませんが、真水に弱いとされていて、影響を受けない場所に逃げてしまう個体も多いようです。その為、シャロー(浅場)エリアはあまりよくありません。
ティップランエギングのタックル
昨年挑戦した際はシーズン終盤の大きくなったイカを狙いましたが、この時期は新子サイズ~400g程度がメインターゲット。エギも3.0号からスタートです。常連さんはこの時期、イカのサイズが小さいため2.5号か3.0号を主に使うとのこと。

エギの色を聞いて見ましたが…「何でも釣れるよ~。」とのことで(笑)、自分は下の写真中央にあるマーブルカラーをチョイス。Zさんはヤマシタの、パタパタフィンBLR ブルー夜光レッドパールをチョイスしていました。

ナイトエギング
皆さんは船で、シャローでのナイトエギングを経験したことがありますか?これが意外と面白く、船の灯りを照らした状態でやるので、小魚が集まり始め、それを捕食しているイカが浮いてきたりするのです。その浮いてきたアオリイカを、エギングで狙います。
もちろん、沈んでいるイカも狙いますが、水深の浅い場所を流すので、船からでもエギングの釣りが成立します。この日は浅い場所で7m、深い場所でも17mぐらい。水深の浅い、岸近くの藻場や岩礁帯周り、砂地の藻場などをドテラ流しで狙います。感覚としては岸や沖堤防で釣りをしている感じです。当日は浮いてきた個体も、数は少ないですが何匹かゲット出来ました。
ティップラン
ティップランはもう知っている人も多いと思いますが、竿先(ティップ)でアタリを取り、掛けていく釣りでゲーム性がの高さが魅力です。自分はシャローだけでなくディープ(深場)でも使用します。場荒れしていないであろう場所を狙うためBIGサイズが狙え、深いところでは60mくらいまでやった事があります。この水深になると、ヤリイカ、スルメイカ、コウイカ、マルイカなども釣れます。
もちろん、シャローでもモンスターサイズのアオリは出ます。ここ富山湾や日本海の新潟沖などはあまり2k、3kgサイズを見た事がない為、可能性は低いかもしれませんが、狙う価値はあります。

ドテラ流し
簡単に説明するとエンジンを止め、潮の流れや風の抵抗で船を流す釣り方です。エンジン音もなく、警戒心が強いアオリイカを狙うには、ベストの釣り方だと思います。潮が速かったり、まったく潮が動かない状態になると少し厳しくなるため、流し方や場所を変えることも。アンカーを打ち、そこでイカメタルみたいな感じの状態で、ティップランやエギングをやる船も多いです。最初からアンカーを打つ船もあり、場所によって釣り方や、船の流し方も様々です。静岡・戸田湾のふじ丸さんなどは夜、最初から場所を決め、アンカーを打ち、小魚を明かりで寄せ、そこでアオリイカを釣るスタイルです。
潮の流れでエギやシンカーを使い分け
今回はドテラ流しとのことで、潮の速さなどの状態を把握するためエギの号数は3.0号。ヘッドシンカーを重めの20gを付けます。潮の速さはいい感じに流れているようで、エギをつけているPEラインが大体45度と、アタリが取りやすい状態。ティップランは真下にラインが来るとアタリも取りづらく、エギもそこの場所から動かないため、あんまり良くないです。
潮が緩いときはエギを軽くする事や、シンカーのサイズ、エギのサイズなどを変えていきます。
PM4:30スタート
お客さんは自分達含めて5人。常連さんに加え船長さん、みんな顔なじみです(笑)。秦誠丸さんの常連さんは感じの良い方や優しい方ばかりで、いつもお世話になっています。

雨がぽつぽつ降る中での出船。この時期は、涼しくて釣りやすいと思います。釣り開始早々に常連さんがヒット。早すぎてびっくりしましたが、アオリイカではなくコウイカです。このイカもとても美味しいですが、墨がすごい…墨爆弾と呼ばれるほどです(笑)。常連さんのSさんがイカをプレゼントしてくれるとの事で頂きました。

午前船は全くダメ
海の濁りが強かったので、船長や常連さんに午前便はどうだったか聞くと…全然ダメだったとのこと。常連さんは二桁釣れたらしいのですが、経験浅い方には難しい釣りになってしまったとの事です。二桁釣った常連さんは「渋い」と一言。午前便・午後便で釣果に差が出ることはよくある話ですが…。
夕方の時合い
日が落ちかけている時間帯で、船の全員がHIT。来たよ~っと掛け声がいろんな所から聞こえてきて、まさにイカラッシュの喜びの舞。自分もヒットでほっと胸をなでおろします。この時のエギは3.0号を使っていましたが、中には2.5号を使われている常連さんもいて、カラーもまばらなので、何でも釣れる状態だったみたいです。
常連さんたちは、ほかの釣りも上手ですが、ティップランも非常に上手く、見ていて勉強になります。もちろん声も掛けてくれて、情報を提供していただけるのでありがたいです。この後もコンスタントに細かなアタリを取り、見事ゲット。皆さん、イカを掛けると良い顔するので、見ているほうもほっこりしてしまいます(笑)。

水面下のイカ狙い
この釣りは浮いてきたイカや底から追っかけてきたであろう、イカを見て釣る「サイトフィッシング」的な感じです。エギにアオリイカがアタックする様子を、その場で見ることが出来ます。ドキドキ感がたまりません。あえてエギを重くしてフォールを早くし、逃げる小魚を演出したり。ダートなどもイレギュラーに入れ、弱った魚を演出したりとアオリイカがエギに抱き付くようにアクションを工夫します。

船中5人で80杯とまずまず
終わってみればZさんと自分で28杯。二人ともツ抜け達成です。ほかの方も10杯は軽く釣られていた様子で、午前よりは活性が上がったのか、良い釣果に恵まれました。

アオリイカは船中で刺身に
まだ釣って、何時間もたってないアオリイカを、贅沢に船でさばいてお刺身にしてくれました。これが最高に美味!!!イカの刺身は歯ごたえに加え少し甘みがあり、合わせる醤油も甘め。こうなると、ご飯やお酒が欲しくなります。Zさんは足をパクリッ…「美味しい!吸盤がまだ吸い付く…笑」との事です。
イカの刺身を一気に口に運び、かむ度に旨みが口の中に広がり、それをビールで流す…。船の上でのイカの刺身は最高の贅沢でした。常連さんに感謝です。
車の運転手は、飲酒運転になってしまうためお酒は飲めませんが…イカは船で食べて、お酒は家でゆっくり、アオリイカの刺身、カルパッチョ、イカ明太風パスタ、イカ焼きソバなどの料理と一緒に楽しむのも良いですね。我慢した分、お酒の美味しさが増すと思います(笑)。

注意点
船で調理して食べる際、船長さんに一声かけてから、調理を行うと良いと思います。
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<荒木清/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について秦誠丸