2023年12月、青物が狙えるラストチャンスと一途の望みを託して武庫川一文字で「エレベーター釣法」を敢行。に2度釣行。

武庫川渡船の活きアジ出張販売のアシストに救われ、ブリ系、サワラ系ならぬ第3のフィッシュイーター スズキ系のハネ51cmを捕獲した。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手...の画像はこちら >>

沖波止で青物狙いの釣行

ブリ・メジロ(ワラサ)、サワラ・サゴシ(サゴチ)といった青物の好釣り場の武庫川一文字も、11月下旬以降は季節柄、西高東低の気圧配置による強風・波浪注意報の発令が目立つようになり、2番から6番の船着き場に渡す最大手の武庫川渡船でも渡船休止が相次ぐようになった。

平日勤めで土日祝しか釣行できない私(筆者)は、週末が近づくたびに天気予報と渡船情報に一喜一憂していたが、12月9日の予報が、最高気温20℃で波風の心配なしという千載一遇の好条件の日になる見通しと判明。わずかに残っていた予約枠にエントリーして釣行を決めた。

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字周辺図面(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

無事に乗船

釣行日当日は深夜1:30頃に現地入り。青物狙いはラストチャンスという思いは他の釣り人も同じで、駐車場の開門待ちの長い車列が既に出来ていた。車中でわずかな時間仮眠をとって、駐車場の開門後は駐車もそこそこに、一目散に乗船受付の列に並ぶ。

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
深夜の駐車場開門待ち(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

幸いなことに予約枠が約300の中で、当日キャンセルも多数あり、乗船受付後は3番船への乗船が叶った。おかげで釣り座選びは余裕。今までは大混雑で回避していた人気の5番の船着き場で降り、自分と同じエレベーター釣法の親子連れの隣を選んで釣り座を構えることが出来た。

全体を見渡しても、ルアー一辺倒の釣り人に代わって、ルアーとエレベーター釣法でのノマセ釣りの二刀流を試みる釣り人が増えていた印象を受けた。

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
朝マヅメ5番船着き場付近西方向を臨む(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

サビキ釣りのタックル

当日は竿下サビキ釣りで活きエサの小アジを釣り、エレベーター釣法で青物を狙うという今まで同様の作戦で臨む。竿下サビキのタックルは、磯竿5号5.4mに、ミチイト4号を巻いた両軸リールをセット。

撒き餌カゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介する。

サビキは7号針、ハリス3号の太ハリスで、蓄光タイプの黄色のスキンのものを選択。

撒き餌カゴは小サバなどを避けてベタ底のタナにサビキが直行できるように、重めの15号を選んだ。

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
サビキ釣りタックル(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

エレベーター釣法のタックル

一方、エレベーター釣法のタックルは、オモリ20号まで耐用できる投げ釣り用の竿に近い特殊な磯竿10号5.4mに、ミチイト5号を巻いたスピニングリールの組み合わせ。エレベーター仕掛けはミキイト8号約10mにウキ止めゴムとセル玉を、海面から5ヒロあまりの深さで止まるように調整する。

上層気味で食って来る秋の盛期とは異なり、冬に入りタナは深くなっている事を頭に置いての5ヒロの設定だ。ミキイトの下には捨てイト2号1mにオモリ15号をセットし、ミキイトには8の字スナップを通して、ハリス4号1.5mに管付丸セイゴ12号の親針と管付チヌ1号の孫針を結んだ活きアジを泳がせるラインを接続する。

仕掛けは沖目に投げ入れ、あとは活きアジが沖目で海面から5ヒロまでのタナを自由に泳いでいる間に、メジロの群れが回ってきてアタックしてくるのを待つばかりという算段だ。

武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
武庫川一文字でのアジのませ釣りで51cmハネ(シーバス)を手中【兵庫】
エレベーター釣法(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

なお、以前の投稿でも、エレベーター釣法について詳しくレポートしているので、まだご覧になっていない方はそちらも参考にご覧いただきたい。

エレベーター仕掛けのノマセ釣りで青物狙い釣行も無念のバラシ【武庫川一文字】

エサとなる魚が掛からない

釣行前から嫌な予感はしていたが、いざ竿下サビキ釣りを始めてみたものの、全くの無反応の時間が続いた。11月下旬までは小アジが掛かっていたのだが、さすがに12月ともなれば、小アジの群れは遠のいてしまったようだ。

代替となりうるイワシや小サバも全く気配がない。タナを変えてみても状況は変わらず、竿先は全く変化を見せない。

活きエサが確保できなければエレベーター釣法はスタートできない。しかし、ここは武庫川一文字。窮地には陥らなかった。

有難いことにこの時期、武庫川渡船がエレベーター釣法とウキ流し釣法によるノマセ釣りの活きエサとして小アジを仕入れていて、船着き場での船上出張販売サービスを行っていたのだ。

5番の船着き場に7時過ぎの便が着くと、私を含め10人近くが海水バケツを手にして、船上で活きアジを買い求めていった。

武庫川渡船が活きアジを出張販売(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

数多く買ってもかえってストレスで魚は弱ってしまうので、私が買ったのは3匹にとどめ、即座にエレベーター釣法の活きエサとして投入。7:20頃、ようやく青物狙いのスタート地点に立つことができた。

フォールで食いつくもハリス切れ

仕掛けを投入してしばらく無反応だったので、一旦引き上げて沖の遠目に活きアジを再投入した。この試みが的中。仕掛けが落ち着く前のフォール(沈んでいく途中)でガクガクっと竿先が引き込まれた。来た!と竿を手に持ち、リールのベールを倒すと、ミチイトはパラパラと出ていく。

よしよし!と気持ちが昂ったところで、ミチイトの出が止まってしまった。慎重に巻き上げるが反応がない。仕掛けを上げてみると、親針、孫針ともに無くなっていて、スパッとハリスは切られていた。サゴシ(サワラの幼魚)の鋭い歯の仕業だ。

過去の釣行での悪夢がまたしても再現。

食いつく魚は選べない。悔しい思いは割り切って捨てて、朝の時合いを逃すまいと、スペアの仕掛けに付け替えて、活きアジを刺して再度沖に送り込んだ。

第三のフィッシュイーターが登場

この日、周りの様子は今年一番の激渋状況。一番人気を誇ってきた5番の船着き場付近は、サビキもルアーも壊滅状態。エレベーター釣法で釣れたのはエソだけと、波止上の釣り人たちは浮かない表情ばかり。

そのような中でも私は先ほどアタリがあった、その事に一途の望みを託して竿先を注視していると、リベンジのチャンスが訪れた。またもガクガクっと竿先が引き込まれた。今度こそとリールのベールを倒すと、道糸は勢いよく出ていく。今度はその勢いは止まらない。

横走りの気配を感じたので、竿を振り上げアワせるとヒット。リールのドラグ調整をして戦闘開始。隣の親子連れにはひと声かけて仕掛けを上げてもらい、周りの視線を浴びながら魚を手前に寄せていく。ところが海面で一度バシャって銀色の魚体が跳ねたのを見てガックリ。

良型のハネを手中

「ボラかよ」と心の中でボヤいて渋々と寄せ続けていくと、海面に上がってきた魚体を見てビックリ。

ボラではない。良型のハネ(フッコ)だ。ブリ系とサワラ系だけしか頭の中に無かったが、ハネもなるほど、第三のフィッシュイーターだ。このお宝は絶対逃すわけにいかない。慎重に竿先を操作してタモ入れに成功。

隣で見守っていたジュニアから「入ったあ」と祝福された獲物は、居着きの魚とは違って銀色に輝く美しい魚体。外湾から入ってきた証で食味も大いに期待できると、意気揚々で検寸した結果は51cm。激渋の中、仕留めた感が満載の至極の一匹となった。

51cmのハネをキャッチ(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

追釣はならず納竿

この後、出張販売の活きアジを2匹買い増しして粘ってみたが、追釣はならず、13:00の迎えの便で波止を後にした。

武庫川渡船の活きアジの出張販売に救われて手にした貴重な獲物を手に車を走らせ帰宅路に。狙って釣った獲物はバター焼きにして、夕食の食卓の主役を飾った。

青物シーズンは終了となったが、ルアーマンが林立する状況でも可能なエレベーター釣法という貴重な経験値を積めた有意義な年の瀬を迎えることができた。

ハネ料理を堪能(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

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<伴野慶幸/TSURINEWSライター>

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