10月から12月上旬にかけていろいろな大会参加と大会運営などでなかなかプライベート釣行に行けていなかった。ようやく時間も取れ、天気も味方してくれた12月19日、主宰している磯釣り奨励会の入会2年目の五百蔵さんと伊豆半島最南端の石廊崎へ釣行してきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・塩田哲雄)
南伊豆石廊崎へ磯フカセ釣り
ここ数年、静岡県伊豆半島海域の水温は黒潮の影響なのか、12月の声を聞いてもあまり下がらない状態であった。しかし、今年の水温は例年通りに低下し、日によってとか潮の流れる時間帯によっては、メジナの食いが良い場合と極端に食い渋ってしまうパターンが10月頃から出始めていた。
ある大会に参加したときなどは、いつもならエサ取りだらけの中でも、サイズさえ選ばなければ、メジナを釣り上げられるのに、朝の僅かな時合いにやっと1匹釣れただけで、殆どサシエサが残ることが多い日であった。他の磯でも同じように厳しい状態であった模様。
大会では場所は選べないが、プライベート釣行時では、釣り場の状況を船長さんからアドバイスを受けるなどして、水温変動が大きい季節の変わり目の釣行はしっかり対策をして臨みたい。
石廊崎本瀬港から出船する渡船は、橋本屋さん(0558-65-0108)の宮島丸。大船長の時代からお世話になっていて、現在は息子さんの若船長さんが安全を最優先に、いつも親切なアドバイスをしてくれる。

それと、昔から変わらない名物のお弁当。20代の頃に先輩に連れられて来たときは、お弁当を2個注文して食べていた。磯の上で食べる温かい優しい手作り弁当は、若さゆえにいくらでも食べられてしまう美味しさ。とはいえ今は1個食べればお腹いっぱいで、午後からの釣りにパワーをもらえる。
釣行日のコンディション
出船時間は6時30分。6時頃には港に着いて、出船前の準備をした。数日前に低気圧が通過した影響で、何日か渡船は出ていなかった。
船長の指示で順番に釣り客を降ろしていく。私と五百蔵さんは港を右に出た先にある大根島という、石廊崎地区では一番大きな島の前にある小さな独立磯の大根小島に渡礁した。潮通しが良く、釣れる魚種と良型が出るので人気の磯だ。仲間内なら2人または3人が定員となる。安全な場所に道具類を置いてからコマセの支度をした。

タックルとコマセ
道中立ち寄ったエサ屋さんで、コマセは作っているので、ヒシャク立てやエサバケット類をバッカンにセットした。この日のコマセはオキアミ6kgにグレパワーV11、グレパワー沖撃ちスペシャル、超遠投グレを各1袋。サシエサとして、くわせオキアミスーパーハードL、くわせオキアミスペシャルL,くわせオキアミV9Lをエサ取りと食い渋り対策用に用意した。
タックルは、がま磯インテッサGV1.25号5m。リールは22トーナメントISO競技LBDに、ミチイトは銀鱗SSアイサイト1.75号。ハリスはトヨフロンスーパーLEXハイパー2号10m。
ウキは塩田ウキMサイズの00号。ハリはA1一刀グレ6号。海を観察した感じ、潮流は緩いようなので、ノーシンカーの軽い仕掛けを最初に選んだ。
釣りながら状況次第で、ジンタンシズやハリの種類などを交換してその時の状況にマッチした仕掛けに組み替えようと考えた。

釣り開始
五百蔵さんが左角に釣り座を取り、私はその右に少し離れてバッカンを置いた。五百蔵さんの左には、離れの根があり、その切れ込みに寄せた波で良い感じのサラシが出来ている。
私から五百蔵さんに、切れ込みの岩にコマセを撒き、巻き込むサラシでコマセが海底に沈みながら沖へと払い出す。そこで、仕掛けを払い出すサラシの先端に投入して、コマセと同調させて狙うようにとアドバイスをした。
本命のメジナが揚がる
釣り開始1投目からウキが綺麗に消し込むアタリが出た。上がってきたのは尾長メジナの26cm。サイズこそ小さいながら、幸先が良い。

その後は、五百蔵さんは、ヒットパターンを掴んで、32cmまでの尾長メジナを釣り上げていた。
私は、沖に緩い潮が出て、その先で右へと流れ出しているその潮筋に狙いを定めて仕掛け投入とコマセを撒いて狙った。
35cmの尾長メジナを手中
フトコロが狭く軸がやや長めなので、良型の尾長メジナにも十分対応できるハリだ。その後もヒットしてくる魚は全て尾長メジナ。サイズも25cm~30cmクラス。時間と共に少し潮は速くなり、いよいよ良型が期待できる時間だ。
期待を込めて、沖30mほどの潮目に仕掛けを投入して狙った。作戦が的中。スパッと消し込んだアタリを取ると、竿先に伝わる感触は今までとは違う。
磯際に大きな沈み根とハエ根が出ているので、下に潜られないように気を付けて取り込んだ魚は、35cmの尾長メジナであった。納得のサイズではないが、口太メジナとは違う鋭角的な引きが堪らない魅力。

ゲストのイサキが釣れた後にランチタイム
今がチャンスと急いで仕掛けを投入。すぐに良いサイズの魚が食ってきた。しかし、手前まで寄せてくると、ここまでの引きとは全く違う急激な走りで、ハリスがスパッと切られてしまった。
その後も数投するたびに切られる現象が出た。ただ毎回ではないので、時折美味しいお土産のイサキも釣れた。

ちょうど船長の見回り時間となり、お弁当を運んできてくれたので、温かいうちに五百蔵さんと、あれこれ釣りについて話しながらランチタイム。磯の上で食べる手作り弁当の味といったらミシュランのビブグルマン級である。

釣り再開
上がり時間は午後2時。更なる大型を狙って釣り再開。すると、右に流れていた潮が緩み始めた。いくらもしないうちに、海面下見えるほどに沈めて流していたウキが、左に流れ出した。
徐々に速く流れ出す。私はかなり潮上に仕掛けもコマセも投入し、自分の正面に流れてくるまでに仕掛けを馴染ませるようにした。ただ、たまに尾長メジナが釣れる程度で、思ったほど魚の食いは良くないと感じた。
それと、その頃になると、天気予報で言っていた風がやや強く吹き出す。正面風になるため、仕掛けとコマセの遠投がしにくくなってしまう。
良型口太メジナとブダイを追釣
なんとか遠近釣り分けながらサイズアップを狙っていると、五百蔵さんの竿が大きく曲がった。左の切れ込みに気を付けて浮かせた魚はこの日唯一の口太メジナ。34cmと大根小島のポテンシャルからするとまだまだではあるが、尾長メジナが数釣れる中での口太メジナ。価値ある1匹だ。

すぐに35cmのブダイも追釣。

すると、五百蔵さんがまた掛けた。魚が浮いた瞬間、五百蔵さんも私もビックリ!何と1mくらいのドチザメが五百蔵さんの魚をくわえようと下から急浮上した。
リールをゴリ巻きして難を逃れたが、私も五百蔵さんもこの日何度かハリスを切られた正体が判明して更にビックリ。時折海ガメも泳いでいる姿も確認でき、まだ、海の中では秋の気配が残っている石廊崎での釣りを堪能して上がり時間となった。
今後の展望
これから日一日、水温は上下動を繰り返しながら、更に低下して冬の海に変わっていく。そうなると、エサ取りの動きも高活性期よりは鈍くなる。今以上に大型のメジナに出会える確立が高くなる。
その時の海の状況にあった仕掛けと、コマセのブレンドをマッチさせ、そして寒さ対策をしっかり整え、思いの磯へ行こう。
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<塩田哲雄/TSURINEWSライター>