12月30日、今回はジギングではなく、爆釣もあり得るという、エサの電気ブリに乗せていただくことに。前回、電気ブリに直江津港で撃沈していたため、不安もありましたが、無事に良型ブリ9kg、10kgとメンバーであげることができたのです。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・荒木清)
良型狙いの電気ブリ釣行
新潟・上越市名立港【じょうえつしなだちこう】ある天翔丸さんでは、真鯛を初め、夜ヒラメ、電気ブリなど季節の釣り物を楽しめます。常連さんも多く、人気が伺えます。
当日は、満船の12名で初心者は自分たち2名のみです。船長も優しい方なので、聞けば色々な事を教えてくれます。
この日は朝から暖かく、風も1mあるかないかと言う状態です。PM1時に着き、名立港の氷販売所で氷を買い、駐車場で一息します。エンジンを止め、横になっていると……暑い。とてつもなく暑いです。自分の額にはうっすら汗がにじみ出てきて、窓を開け、風を入れますが、風が全くなく、車は蒸し風呂状態です。
着ている服をほぼ脱ぎ、薄いロングTシャツ1枚(笑)。波もなく陽気的には、春の間のような感じです。集合時間はPM2:30で席順は早いもの勝ちです。そうとは知らず、ゆっくり準備を終え船長に挨拶。
空いているところに座ってと、たまたま左舷ミヨシ側の2番、3番を取れて一安心。前回、撃沈の電気ブリでしたが、今回は陽気も良く、波もない中で釣りができ、良型のブリを狙います。

タックルについて
針数ですが、不慣れな場合は3本がおすすめ。ブリは掛かると一気に走ります。その時に仕掛けが長い&不慣れですと、他のお客さんにご迷惑をおかけする可能性があります。
常連さんの仕掛けにブリが掛かり、隣とハリスが絡み、バラしてしまうこともあります。3本でさえ、隣の方と糸同士が絡んでしまう時があるので、慣れない方は針数をもっと少なくしてもいいでしょう。重たいオモリに加え、針も太く大きい為、もし刺さってしまったら大変です。取り扱いには、十分に注意する必要があります。

釣り方
今回、船長に教えてもらったやり方は、針にエサ(イカタン・ヤリイカ小1本掛け)等を付け、カゴにオキアミを8割程度詰めます。その仕掛けをオモリからゆっくりと海に入れ、海底まで落とし、底に着いたら少し上げ(5m位)→また落とし50~1m上げ魚の魚信を待ちます。
こうすることにより、隣との糸がらみや棚ボケなどがしづらくなります。棚ボケとは、魚がエサを食べるであろう場所(棚)にエサや仕掛けが無いことを言います。撒き餌(オキアミ)に、胴付きの仕掛けの餌を同調させるのは簡単なことではありませんが、撒き餌で魚が集まれば、こっちの勝ちとの事です。
簡単に言うと、アジのサビキ釣りの大物バージョンです(笑)。常連さんにコツやポイントを教えてもらいました。
・コマセを振ったら、仕掛けを50cm~1mこまめに上にあげ、エサと同調させるとよい。
・エサは丸1本またはイカの短冊、どちらかに偏る日があるので、エサは何種類か持ってきておくとよい。

明るいうちからスタート
PM3:30ごろ、船はアンカーを降ろし、船が安定するまで待ちます。船が安定したら開始のアナウンスが流れます。良い日になると、明るいうちから釣れることもあるそうなので、気は抜けないです。
しかし、この日は明るい時間は全く反応なし・エサ取りに、イカをかじられる位です。時々、エサとカゴのオキアミを確認します。エサは取られずそのまんま。
オキアミも頻繁にカゴの中に入れたほうが良いかもしれませんが、皆さん見ていると、そんな頻繁に入れている感じでもないので、横の常連さんのペースに合わせてコマセの補充をすることにします。
暗くなり竿が一気に絞り込まれる
アタリは暗くなり、頑張ってオキアミを撒こうかなと、前の人の竿を見ていたら、いきなり竿が絞り込まれ、竿先が海に刺さる勢いです。

私たちは常連さんに挟まれて釣れるか心配でしたが(笑)。タモの手伝いをしましたが、軽く10キロはありそうな個体です。
残念ながら写真をお願いできませんでしたが、この方はこの日10kオーバー2本。エサを聞くと、イカの胴体は使わず、アカムツのワタ付けみたいにエサを付け、釣れたとのことです。
自分も真似しましたが、もう時すでにおそし。そのつけ方で釣れませんでしたが、引き出しがまた一つ増え、今度そのつけ方を試そうと思います。そのつけ方が下の写真なのです。

表層には以前と違ってフィッシュイーターがいない
電気ブリはこれまでに2回ほど釣行していますが、その両方で船の水中ライトや船の電気でシイラやサメの姿も確認できました。しかし、この日は全く姿を現さず、現れたのはアオリイカ位です。
シイラがいると、仕掛けの上げ下げで、エサが食われる可能性があるので注意が必要です。仕掛けなどを水中に入れている時にシイラにやられ、その勢いで針が手に刺さる危険性もあります。シイラがいた際は、注意しながら仕掛けを落としてみてください。
船中ブリラッシュ
自分の左隣の常連さんがヒット。それを皮切りに船のあちこちでブリが上がります。右舷の方からも嬉しい悲鳴が。右舷は分かりませんが、左舷は3人同時ヒットです。
常連さん見事10kgオーバーをゲット
左隣の常連さんは、この日初ヒット!自分はまだヒットしていないので羨ましい限りです。タモのお手伝いをしようと、駆け寄ります。常連さんは蔓延の笑みを浮かべながら「やっときたよ~」と一言。自分が羨ましいですと話すと、ヒットした時の状況を色々教えてくださいます。
海面から魚が見え二人で「デカい!」。なんとこのブリも腹がパンパンの10キロオーバーです。常連さん「11~12kgはある」とのこと。今がチャンスと思い、竿に集中しますが……。

Zさんに待望の1匹
常連さんに続き、竿を曲げたのはZさんです。自分は見ていましたが、最初に竿がフワッと持ち上がり、一気に竿が絞りこまれたのです。早合わせは厳禁。竿が十分に曲がってから慌てずにやり取りスタートです。
Zさんはレンタルセット(3000円)を借り、やり取り。船長が「アリゲーターいい曲がり」と一言。ん!?再度聞き直すと……なんとこの竿、アリゲーターです(笑)。竿は黄色と青色ラメ使用で見やすさ抜群です。

柔らかく、尚且つバットがしっかりしていて、やり取りや取り込みなども心配なく行えるとのこと。船長曰く、巻きスピードはスローで、あまり早く上げすぎても口切れの原因になるため、おすすめしないとのことです。
船長がアナウンス「ドラグは固めで、ゆっくりとやり取りしてください」と、Zさん早めに巻いていたのをスローにし、ゆっくりやり取りし、無事に上がってきたのは10kgのブリ。船長に魚体を見せると「いい!いい!おめでとう~」とZさんもニヤニヤです。上がってからパシャリ。

ブリがその場に居つかない
それから期待し、オキアミやエサのチェックなどもしますが、魚からのコンタクトはなく、色々考えます。アジやサバ、イワシなどはコマセで寄せるとしばらくその場にいることもありますが、この日のブリは、すぐその場を離れてしまっている様な感じです。1回アタったと思えば、しばらくアタリがない。この日はそんな状態が続きます。
爆釣の日などは、オキアミもそんなに撒かなくても釣れるとの事なので、そんな日に遭遇したいものです。ちなみに、この日釣れたブリの胃袋の中は、空っぽ状態。オキアミが他のブリに入っていましたが、2.3匹(笑)。まさか…オキアミをそんなに食べていないのでは?と思った次第です。
匂いで寄ってきているだけなのか、この場所が海遊ポイントで、たまたま通った小さなブリの群れがイカを見つけ捕食しているのか……。このブリを見たときに、電気ブリと言う釣り、改めて奥が深いことを痛感させられたのです。
撒き餌と仕掛けの位置が大事
船長曰く、ブリが撒いているオキアミに、突っ込む習性があるとのことで、それを意識しながら釣りをします。落ちている最中も、撒き餌はカゴから出て撒かれていると想定し、着底後オキアミは降らずゆっくり巻いて1mでステイ。アタリが無ければ再度落とし、電動でゆっくり上げたりしながら、試行錯誤します。

その瞬間は突然に
アタリがないので一度回収し、オキアミをカゴに一杯に詰め、再投入します。今回は着底の後底をオモリでたたき、その反動でコマセが出るようにした後、一番前の常連さんがブリを掛けたのでヘルプに行きます。
すると、後ろからかすかな叫び声のような声が聞こえて、振り向くと、常連さんが必死に、自分の竿にヒットしていることを、伝えてくれていたのです。

Zさんに巻き上げをお願いして自分は常連さんのブリを無事にキャッチ。急いで戻りやり取り開始します。ここで初心者や初めて電気ブリをやる方にアドバイスです。船長曰く、隣の方がブリなど魚をかけたら竿を釣れている竿側ではなく、反対方向に移動させるのが正解。糸同士の絡みを軽減できます。
この時も、常連さんが瞬時に反応して竿を自分側ではなく、反対方向に傾けてくれたため、針一本が糸に掛かっているだけで、すぐ外すことができ、無事ブリをキャッチできたのです。
無事キャッチしたのは、9.3kgの腹パンパンのブリです。謙信丸さんで昼に購入した、小さめのヤリイカ丸々1匹!Zさんが釣れた際も、丸々1本だったみたいです。

電気ブリをやってみて
去年の12月から始めた電気ブリですが、一言でいうと面白い!です。ただ単に待って釣る事も、もちろんいいと思いますが、その中で、仕掛けを自分で作り、どう攻略するかによりブリと会えるか?など考えながら試行錯誤を繰り返すことが醍醐味だと思います。
例えば、棚・仕掛けの長さ・カゴの穴の広さ(撒いているオキアミの量)、蛍光玉有無、餌は?など、色々考えながらする釣り方が自分は好きなので、これからも勉強したいと思います。しかし奥が深い電気ブリ、課題はまだまだいっぱいあるようです(笑)。
船酔いしないための5つの方法 専門家に聞く酔いのメカニズムと対策
マイカー釣行アングラーが実践する【運転中の眠気を撃退する6つの方法】
LINEで『TSURINEWS』の厳選記事が届く!「アカウントメディアプラットフォーム」に...
<荒木清/TSURINEWSライター>
▼この釣り船について天翔丸
出船場所:名立港