年が明けても繁忙期真っ只中のニセコですが、暖かい日と休日のタイミングがあえば雪を掻き分け釣りに行っています。ただでさえ反応を得るのが難しい冬ですが、渓流ではすでに3連敗を喫しています。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠 龍英)
厳冬の本流へ
今まで本流といえば鮭稚魚が現れる3月からやり始めることが多く、この時期に出かけた事はありません。あまりポイントに詳しいわけでも無いので、とりあえず6月に探った事のあるポイントへ向かいます。ちなみに今までこれといった実績がない場所です。
早速凍るガイド
釣行当日の天気は晴れで最高気温は-1℃。朝早くから行ってもただただ寒いだけですので、最高気温に達すると思われるタイミングを狙って入川。
膝下までの深さの斜面をラッセルしながら降り、10分近くかけてようやくポイントに辿り着きます。これが意外に良い準備運動で体は暖まっているので意外に寒くはありません。
とりあえず定番のスプーン7gを結び、流心脇の遅い弛みに投げ込んでドリフトさせます。キャスト毎に立ち位置やトレースラインを変えながら探りますが、すでにナイロンラインには氷がまとわりつき、トップガイドには小さな氷の玉が出来つつあります。この展開は想定済みとはいえ少しの虚無を感じつつキャストを繰り返します。

待望のバイト
最初のポイントは50mほど続く緩い弛みのある区間でしたが全くの無反応、そこから下流150mほどはかなり流速の早いガンガン瀬なのでスルーして、その更に下流の緩い深場を目指して進みます。
到着しての第1投目、ダウンクロスで7gのスプーンを流して、底石にスプーンを当てながら転がすように誘うとググンといきなりバイトが。すかさずフッキングを入れてゴリ巻きすると、グングンとイワナ特有の首振りが伝わってきましたがすぐに軽くなってしまいました。やはり活性が低いこともあってかかりが浅かったようです。
貴重なバイトだっただけに一度は落胆しましたが、裏を返せば魚の食い気はあるということ。気を取り直してルアーをスプーンからシンキングのクランクベイトに替えて探ります。
52cmレッドバンドと対面
このクランクベイトは沈下スピードはやや遅めながら、フルフルと震えながら沈むシミーフォールが素晴らしく、またよく潜るので派手なアクションに反応しない今の時期に有効です。
アップクロスでキャストして流れに乗せ、反転したところでゆっくりとリフト&フォールで誘います。ロッドティップをゆっくり上げて、下げてを繰り返していく事数回、下げたタイミングでモサッとした違和感。ロッドを煽ると根がかりではない生命感のある重みで、ロッドが孤を描きます。
さっきよりも良いサイズなのは明らかなので、落ち着いてドラグを調節しやりとりします。アメマス特有の首振りはなく代わりに「ギューーーン」というロケットダッシュは明らかにニジマスです。
なんとか近くまで寄せると鮮やかな紅の魚体が見えましたが、フックがかかっているのは口元の皮一枚というギリギリの状態でした。なんとかランディングネットに収めてサイズを測ると52cm、真冬のニジマス特有の濃い鮮やかなレッドバンドと見事な体高を持った鱒は今年最初の魚としては上出来です。

終了間際で本命連発
ニジマスを流れに帰し、さらに釣り下がります。気温は低いものの興奮気味なせいか心なしか暖かく、凍りつくロッドガイドも正直気になりません。また、どういうわけか反応も多く、尺サイズのアメマスを追加した後もバイトが続きますが、フックが乗らなかったりかかってもフックアウトしたり、これまで真冬では経験したことのない好反応です。
そろそろ終了時間も近づいてきた頃、一度流したレーンに別のカラーのスプーンをキャストして流れに任せて誘っていると、何かがスプーンを咥える感覚が。
感じる重みと独特の首振りリズムから良型と確信、慎重にやりとりしてゆっくり上がってきたのは本命のアメマス。凍りついたランディングネットを水に放り出し解凍してそのまま魚をネットイン。見事な太さの魚体はジャスト50cmと満足には充分すぎる結果です。すかさず撮影しリリースすると元気よく流れに戻っていきました。

厳冬の本流アメマスの正体は?
帰りの車で頭の中に浮かんだ疑問、あのアメマスは越冬のために川に残っている個体なのかそれとも気まぐれで海から戻ってきた個体なのか?考えても答えは出ませんがこの冬は本流でアメマスを追いかけて行こうと思います。
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<小峠 龍英/TSURINEWSライター>
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