春の気配もようやくととのう4月下旬、三重県の木曽川河口域にテナガエビを求めてエビすくいに向かった。4月上旬の気温が20度を超える日々が続くとテナガエビは深場から浅瀬にエサを求めて移動してくるのでチャンス到来となる。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤)
木曽川でテナガエビすくい
当日は周囲が暗くなる午後7時に開始した。空模様は雲ひとつない晴れ。
直近3日間雨は降っておらず、川底が確認できる透明度だ。風速2m、10cm程度の小波が立つがエビすくいに支障はなく、天候に恵まれた。
使用した道具は2mの竹製シャフト先端に直径15cmの網が固定されたエビ網。暗い川辺は転落の恐れがあるので、安全対策としてヘッドライトとライフジャケット、滑りにくい長靴を装着した。

テナガエビすくいの条件
エビすくいは水中のエビを目視で確認して網ですくうため、必要な条件が2つある。
1つ目は水の透明度。前日までに雨が降ると山の土砂が川に混じり濁ってしまう。すると川底に潜むエビが見えないのでお手上げだ。
2つ目は風の強さ。

この時期の平均サイズは5cm
手始めにテトラ周辺に潜むエビを探し、水面をライトで照らした。するとビーズのような2つの目が光を反射して輝く。魚影は濃く、ひと目で10匹程度いることが分かった。
その中で一番大きなエビに狙いを定め、バレないように背後から網を近づけていく。素早く近づけると警戒して物陰に隠れるので、ゆっくり寄せるのがコツだ。
慎重に近づけてエビに網を被せる。このまま川底と網の間に隙間ができないように引きずると、エビが暴れて網の奥に跳ねたので、手早く網を反転させて引き上げる。捕まえたのは5cmのテナガエビ。この時期の平均サイズだ。まだまだ成長途中だが、殻が薄く唐揚げにするならこのサイズが一番おいしい。

最大サイズ7cm登場
1匹では物足りないので追加を狙い手際よく捕まえて数を重ねる。ふとテトラの隙間に目を向けると、大物の影が。ターゲットを定めて待ち伏せてみるが、警戒心が高くなかなか出てこない。
そこでシャフトで背後から突くと砂地に飛び出した。逃げないように慎重に網を近づけて収める。取れたのは7cmのテナガエビ。この時期の最大サイズだろう。体長に匹敵する細長い手がしっかりと形成されていた。

最終釣果
最終的に1時間のエビすくいで30匹程度取ることができた。

魚影は濃いので天候が良ければ数取りが楽しめる。コツさえつかめば一日で100匹以上の採取も可能で、まとめて唐揚げにすると絶品だ。

明日ありと思う心の仇桜(あだざくら)。
雨が降ると条件が厳しくなるので、晴れが続いて風が穏やかな日には迷うことなくエビすくいに挑戦してみよう。
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<週刊つりニュース中部版APC・波瀬金鉤/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年5月17日号に掲載された記事を再編集したものになります。